キリスト教史(上巻) の商品レビュー
ストーリー仕立てですごく分かりやすくて読みやすいキリスト教の歴史本です。キリスト教の歴史の悪い部分も、過度に擁護も批判せず冷静に記述されている印象です。現代の解釈を絶対視しないために歴史を学ぶ、という前書きのスタンスも好感が持てます。 前半はローマ帝国の弾圧との戦いです。弾圧す...
ストーリー仕立てですごく分かりやすくて読みやすいキリスト教の歴史本です。キリスト教の歴史の悪い部分も、過度に擁護も批判せず冷静に記述されている印象です。現代の解釈を絶対視しないために歴史を学ぶ、という前書きのスタンスも好感が持てます。 前半はローマ帝国の弾圧との戦いです。弾圧する側も、棄教したと上っ面で言ってくれればOKという立場なのに、拷問されてもそう言わない信徒たち。その構図は『沈黙』で描かれた日本での弾圧の様子と一緒。さらに『ち。』では逆にキリスト教が地動説を弾圧する様子ともにていて興味深いです。 それに続く、宗派間の論争。キリストを人間とみなして神と別のものとする単純な考えを許さないキリスト教の難しさが見えました。人と神としてある程度区別しつつ、一つのものとみなす正統主義者は理論を立てるのに苦労しただろうな、と思いました。 そして後半は世俗化との戦いです。時代が進めば当然形式的になるし、教会組織ができればどうしたって富と権力の配分が有力者の頭の中を占めるようになってくる。それへの反動が修道院ですが、その修道院も労働と寄進で図らずとも富を蓄えていくようになる皮肉。そこからはローマ教会の堕落一直線。宗教改革前夜で上巻が終わります。 難しい神学の理論についての説明はあえて省力されているので、そのあたりを本書から深く学ぶのは難しいかも。それも読みやすさとのトレードオフなので仕方なし。分厚くて読み始めるのに気合いが入りますが、いったん入り込んでしまえば物語を読むようにスラスラと読める良書です。
Posted by
歴史神学の定番の教科書,著者はキューバ出身の神学研究者で,ラテンアメリカにおける布教の記述が詳しい。
Posted by
この本では「キリスト教こそ絶対に正しくて、異教徒は間違っている」というニュアンスはまず存在していません。歴史的にその出来事はなぜ起こったのかということをできるだけ客観的に見ていこうという視点が感じられます。 また、この本はそもそも読み物としてとても面白いです。キリスト教史の教科...
この本では「キリスト教こそ絶対に正しくて、異教徒は間違っている」というニュアンスはまず存在していません。歴史的にその出来事はなぜ起こったのかということをできるだけ客観的に見ていこうという視点が感じられます。 また、この本はそもそも読み物としてとても面白いです。キリスト教史の教科書というと、固くて難しい本をイメージしてしまいがちですが、フスト・ゴンサレス『キリスト教史』は一味も二味も違います。
Posted by
これは本当に読みやすかった。学生の頃に読んどけばよかったなあ。話の中で年号が省かれていることがあるのがたまに引っかかるくらいで、わかりやすくてすごく勉強になる。別の本を読むときにも参照したりして内容をちゃんと頭に入れていければいいなと思う。しかしこうして読んでみると、中世の教皇周...
これは本当に読みやすかった。学生の頃に読んどけばよかったなあ。話の中で年号が省かれていることがあるのがたまに引っかかるくらいで、わかりやすくてすごく勉強になる。別の本を読むときにも参照したりして内容をちゃんと頭に入れていければいいなと思う。しかしこうして読んでみると、中世の教皇周りの腐敗やごたごたは本当に酷いな…。
Posted by
キリスト教の歴史を簡潔つかつ詳しく解説。 非常にわかりやすい…著者も訳者もすごいな! キリスト教はユダヤ教の一派として生まれた。 ユダヤ寄りのキリスト教から乖離し、世界宗教としての素質を得ていくが、元のユダヤ教やローマ帝国による迫害、グノーシス主義との対立、一旦棄教した者をどう...
キリスト教の歴史を簡潔つかつ詳しく解説。 非常にわかりやすい…著者も訳者もすごいな! キリスト教はユダヤ教の一派として生まれた。 ユダヤ寄りのキリスト教から乖離し、世界宗教としての素質を得ていくが、元のユダヤ教やローマ帝国による迫害、グノーシス主義との対立、一旦棄教した者をどう扱うかなどの問題が山積みだった。 コンスタンティヌス帝までは苦渋の歴史を辿る。 この頃は教会ではなく、井戸端や台所などで布教され、貧しい者や奴隷、女性などに広まった。 しかし、実際コンスタンティヌスが洗礼を受けたのは死亡直前。 キリスト教徒の支持を得るために寛容な政策を取ったという点もあるが、ほかの宗教と同じくキリスト教も信じていたと思ったほうがよい。 これ以降は教義についての問題が主流となる。 キリストの人格、本性だとか、マリアについて『神の母』という称号は妥当か、パンに酵母が入ってないものはキリスト教で言うパンでないなど、色々大変。 教皇制度と修道院制度が、キリスト教を支えた。 ローマ帝国の崩壊、異教との対立、教会の東西分裂など、様々な危機が訪れる。 そんな中、東ではロシアの改宗、西ではキリスト教が歴史と密接に関っていく。 イスラム教の発生と対立、エルサレムが奪われ、そして十字軍時代に突入。 この後は中世に入る。 ドミニコ会やフランチェスコ会などが発足。 教皇たちが力を振るう一方で、権力に対抗するものも出現し始める。 また、スコラ学が発達。 ジャンヌダルクの活躍や、教皇のバビロン捕囚、西方の大シスマなど激動の時代を経て、そしてルネサンス期へ。 人間や神が見つめなおされる中、ウィクリフやヤン・フスが教皇の権力と対立、最終的に異端とされ処刑されてしまう。 しかしその活躍は民衆たちのなかに引き継がれていき、宗教改革の土台を作った。 また、アフリカや中国などにも布教を開始。 しかし、現地の習俗を受け入れる方針が批判された。 以上上巻。
Posted by
著者の教会史を学ぶ真摯な姿勢に、感銘と共感を受けます。 歴史を通じて、登場する様々なクリスチャンたちへの深い憧憬と敬意を持ちつつ、温かなまなざしで彼らの生きた時代を浮き彫りにします。 とても読みやすく書いてあり、内容も難しい議論ではないので、教会史を学び始めたい人には、持って...
著者の教会史を学ぶ真摯な姿勢に、感銘と共感を受けます。 歴史を通じて、登場する様々なクリスチャンたちへの深い憧憬と敬意を持ちつつ、温かなまなざしで彼らの生きた時代を浮き彫りにします。 とても読みやすく書いてあり、内容も難しい議論ではないので、教会史を学び始めたい人には、持ってこいの1冊です。 価格は少し高いのですが、その価値あり☆あなたも時空を超える神の民の旅が身近に感じられるお薦めの1冊です。
Posted by
- 1
