セロニアス・モンクのいた風景 の商品レビュー
率直に言ってこの本、どういう人が読むんだろうと思う。村上春樹が好きな人かな。でもほとんどが訳文で、村上春樹のオリジナルの文章はほとんどない。セロニアス・モンクが好きな人だろうか。たしかにモンクが好きな人はいるけれど(日本に何人くらいいるんだろう?)、モンクについて読むよりは、モン...
率直に言ってこの本、どういう人が読むんだろうと思う。村上春樹が好きな人かな。でもほとんどが訳文で、村上春樹のオリジナルの文章はほとんどない。セロニアス・モンクが好きな人だろうか。たしかにモンクが好きな人はいるけれど(日本に何人くらいいるんだろう?)、モンクについて読むよりは、モンクの音楽を聴いたほうが楽しいんじゃないかという気もする。 というわけで、誰にも薦められないし、村上春樹じゃなかったら、どう考えて陽の目をみることのない企画だとは思う。これを読んでモンクについて理解が深まったとも思わないけれど、村上春樹とジャズが好きなぼくはそれなりに楽しんだ。村上春樹も楽しかっただろうと思う。誰も損はしていないみたいだし(出版社は知らないが)、まあ、そういう本が何冊かあってもいいんじゃないだろうか。 表紙のイラストとその解題が心に残った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
和田誠氏の表紙、そして今は亡き安西水丸氏の裏表紙が、 ハイライトを一本あげたというエピソード(セロニアス・モンクに)が効いている絵が味わい深い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初読。図書館。村上さんが好きで、モンクは特に好きというわけではないので、結局最初と最後の村上さんの文章がよかっただけ。いろんな人がいろんな風にモンクを語り、「ああ、モンクってこんな人だったんだ」とは思うけど、それまでかな。裏表紙のイラストを描いた安西水丸さんへの追悼エッセイ(抜粋)が泣けた。・・・っていうのはまったく的外れな感想だよね。
Posted by
『セロニアス・モンクのいた風景』。 数々のセロニアス・モンクの評伝、あるいは、様々なミュージシャンに書かれた本の中でセロニアス・モンクについて書かれた部分を村上春樹さんが翻訳して書いたもの。 『ポートレイト・イン・ジャズ』で村上春樹さんが、書いた文章ももちろん(?)冒頭を飾ってい...
『セロニアス・モンクのいた風景』。 数々のセロニアス・モンクの評伝、あるいは、様々なミュージシャンに書かれた本の中でセロニアス・モンクについて書かれた部分を村上春樹さんが翻訳して書いたもの。 『ポートレイト・イン・ジャズ』で村上春樹さんが、書いた文章ももちろん(?)冒頭を飾っている。 取り上げられた文章の数々からセロニアス・モンクというジャズ・ピアニストの個性が伝わり、そして、村上春樹さんのセロニアス・モンクに対する愛情が感じられる一冊である。 個人的には、セロニアス・モンクのCDは一枚しか持っていない。『ポートレイト・イン・ジャズ』にも取り上げられたものではない。 この本を読みながら、ずっと聴いたこともないセロニアス・モンクの音楽を聴きたくなった。 そして、なぜか濃いブラックコーヒーを飲みたくなった。
Posted by
ボブ・ディランが無名の頃、セロニアス・モンクに会ったそうです。 ニューヨークにでてきた若いディランが、ジャズ・クラブ(ファイブスポット?)にピアノの音に惹かれて入りました。 弾いていたのはモンク。演奏が終わると、ディランが声を掛けます。 「僕は、フォーク・ソングを演奏しているんで...
ボブ・ディランが無名の頃、セロニアス・モンクに会ったそうです。 ニューヨークにでてきた若いディランが、ジャズ・クラブ(ファイブスポット?)にピアノの音に惹かれて入りました。 弾いていたのはモンク。演奏が終わると、ディランが声を掛けます。 「僕は、フォーク・ソングを演奏しているんです」と。 セロニアス・モンクがディランを見て、 「私たちはみんな、それをしている」と答えた、という…。 フォーク・ソング。民話的音楽、民族的音楽、民衆のうた。まあそういう解釈での問答なんでしょうね。 嘘かホントかは知りません。でも、なんだか嬉しくなってしまう逸話です。 そんな話がいっぱい入っている、まあ、言ってみればそれだけの本なんです。 2014年、つい最近出た本です。 村上春樹さんがセロニアス・モンクについて愛着たっぷりに描いた文章。 それから、村上春樹さんがセロニアス・モンクについて、愛着たっぷりにアメリカ人が書いた文章を翻訳した文章。 を、集めて出来ている本です。 セロニアス・モンクと、モダン・ジャズと、村上春樹さんの文章が大好きな読み手にとっては、もう、キュンとなってタマラナイ本なんです。 (そうじゃない人にとってどうなのかは、ちょっとサッパリわかりませんが) 村上春樹さんは、なんといっても、大学卒業後は「ジャズ喫茶のマスター/オーナー」として生活されていたそうなので、知識も愛情も深いものがありますね。 それから、押しつけがましくもなく、教条的でもないので、僕は村上春樹さんの音楽について書かれた文章は、すごく好きです。(小説より好きかも知れません…) ポップやロックとジャンル分けされる音楽についても書かれていますが、個人的には「ポートレイト・イン・ジャズ」という本なんか、とっても愛おしいです。 僕が個人的にジャズを聴くのが割と好きなのは、別段村上春樹さんの文章を読んできたことと、直接は関係ないと思うのですが、かれこれ20年くらい、好きです。 そして、これは誰から何か言われた訳でもなく、セロニアス・モンク、好きなんです。 なので、この本はびっくり狂喜しました。ありがとうございます。ごちそうさまでした。 大半を、新幹線の中で、モンクの音楽をガンガンに聞きながらゆったり舐めるように読みました。至福。 別段、内容の備忘録ということもありません。生前のモンクさんを知る、ジャーナリストやジャズ関係者の想い出話です。 以下、蛇足。 個人的に、好きなモンクさんのアルバム。CD単位になりますが。 「ソロ・オン・ヴォーグ」1954(煙が目に染みる、などは最高ですね) 「セロニアス・モンク・ウィズ・ソニー・ロリンズ」1953 (ロリンズの豪放さ、愉快さとモンク的なひねくれた快楽が実に素敵に融合していると思います) 「イン・アクション」「ミステリオーソ」1958 (吹きまくりのジョニー・グリフィンと相性が良いと思うんですよね。ライブ盤だし) そしてやっぱり、村上春樹さんも触れている、マイルス・デイビスのリーダー作になるんですが、 「バグズ・グルーブ」「モダン・ジャズ・ジャイアンツ」1954 この演奏は、ほんとに素敵ですねえ。
Posted by
- 1
- 2