ゆめいらんかね やしきたかじん伝 の商品レビュー
その昔、カラオケバーで「好きやねん」だとか「いちず」などよく歌ってた時期があったけど、関東在住ゆえ、関西の視聴率男という側面は全く知らずにいた。在日という出自と東京での挫折を強烈なコンプレックスとして生涯抱え続けながらも、ローカルヒーローとしての生き様を貫いた姿は清々しくもあり、...
その昔、カラオケバーで「好きやねん」だとか「いちず」などよく歌ってた時期があったけど、関東在住ゆえ、関西の視聴率男という側面は全く知らずにいた。在日という出自と東京での挫折を強烈なコンプレックスとして生涯抱え続けながらも、ローカルヒーローとしての生き様を貫いた姿は清々しくもあり、痛々しくもある。 橋下大阪府知事と平松大阪市長の誕生とその後の抗争のフィクサーだったという裏事情のくだりには驚かされた。
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ゆめいらんかね やしきたかじん伝 単行本 – 2014/9/11 2016年3月10日記述 角岡伸彦氏によるルポ。 やしきたかじん氏の生涯を分析した本だ。 著者同様、自分もやしきたかじんを知ったのはTV番組の分析家、タレントとしてだった。 歌手と知ったのは随分後のことだ。 ...
ゆめいらんかね やしきたかじん伝 単行本 – 2014/9/11 2016年3月10日記述 角岡伸彦氏によるルポ。 やしきたかじん氏の生涯を分析した本だ。 著者同様、自分もやしきたかじんを知ったのはTV番組の分析家、タレントとしてだった。 歌手と知ったのは随分後のことだ。 番組は確かたかじん胸いっぱいだった。 そんなやしきたかじんの若かりし日とはどんなものだったのか。 夢なり希望を見つけたらまずとことんやってみるという行動力の高さ。 この辺りは生涯において彼の人生を決定づける才能になったと思う。 たかじんの父が在日韓国人で名前を権三郎といった。 Gパンや音楽は不良のやるものだという認識の古さがあったそうな。 (とは言え、昔は音楽や漫画など新しい文化が正しく認知されていなかったのはなにもたかじん家だけではなかった) いい友人をつくれ、いい本をたくさん読めというのが口癖の父親。 たかじんの買ってもらったドラムを捨てさせるなど昔の親父っぽいこともする。 一方で本屋で世界文学全集などをつけで購入しても何も言わないなど教育熱心でもあった。 後年、30代のたかじんに北新地のステーキハウスに呼ばれ黙って300万円を渡してやるなどいざこざはあれ常にたかじんを応援していたように思う。 龍谷大学を6年行き中退しているたかじんの学費は母親が出していたと言ってもそのお金はやはり親父さんの会社からのやりくりであろう。 権三郎氏の頑固親父ながらの愛情が幾重にも見えてくる。 そんな親父さんとの会話では常に敬語だったのだというたかじん。 TV画面のたかじんを思い返すと想像も出来ないが・・・・ 引退するつもりでのぞんだフェスティバルホールでの大阪大衆音楽祭。 そしてそこでのグランプリ獲得。 なんというドラマチックな一場面であろうか。 TVタレントとしての開眼。 東京への乗り込みと挫折。 野田幸嗣マネージャーの解任劇。 再婚相手の智子氏によると、苦言、本当のことを言ってくれる人、対等に話ができる人を切っていった。 自分をちやほやしてくれるイエスマンばかりが残ってしまったと。 この辺は中小企業でも起こりがちな事であろう。 やしきたかじんの弱さを見た思いである。 以上のようにTV画面で知るたかじんのバックグランドが本書を通じて見えてきた気がする。 本書で残念なのは全て活字であること。 ルポなのだから全て活字はやめて欲しい。 特に昔の解説に関しては写真なども記載して欲しかった。 大阪大衆音楽祭の時の写真とか、マネージャーの顔写真とか。 当時の通っていた学校の写真とか。 あと可能ならたかじん年期みいたな年表もあればもっと良かった。 たかじんは仕事において手を抜くようなマネをするディレクターとは喧嘩をし時には殴打することもあったと本書にあった。 著者にももう少しそのたかじんの仕事ぶりを参考にし取り組んで欲しかった。 ルポとしての作り込みは不十分に思える。
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中高生の頃、ラジオで鶴瓶さんと息の合った掛け合い漫才のようなトークを聴いて、大好きになりました。でも、いつからか、どちらかと言うと嫌いになりました。暴君のような振る舞いに目を伏せるようになりました。読んでみて、いかに気の弱いデリケートな人であったこと、コンプレックスの塊であったこ...
中高生の頃、ラジオで鶴瓶さんと息の合った掛け合い漫才のようなトークを聴いて、大好きになりました。でも、いつからか、どちらかと言うと嫌いになりました。暴君のような振る舞いに目を伏せるようになりました。読んでみて、いかに気の弱いデリケートな人であったこと、コンプレックスの塊であったことが分かりました。決して幸せな人生ではなかったのかなあと感じました。私には人の幸せをとやかくは言えないですが。
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図書館に予約して半年以上待った。 やしきたかじんのファンだった頃があった。コンサートやテレビ収録にも行ったことがある。でも、いつからか政治的な志向が全然違うことに耐えられず、テレビも全く見なくなった。この本には、本人に政治に関する確たる志向はないというようなことが書かれていたの...
図書館に予約して半年以上待った。 やしきたかじんのファンだった頃があった。コンサートやテレビ収録にも行ったことがある。でも、いつからか政治的な志向が全然違うことに耐えられず、テレビも全く見なくなった。この本には、本人に政治に関する確たる志向はないというようなことが書かれていたのだけれど。 前妻、娘、新旧マネージャーなど、よく取材されていて、興味深かった。ただたかじんの出自や性格などに関しては、薄々感じていて、そういう面での驚きなどはなかった。ファンならみんなそうなのではないか。 スターっていうのは孤独なものなのだなあと、改めてありきたりの感想を持った。
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『殉愛』のせいで百田とさくら未亡人を取り巻く話題ばかりになってるけど、これは純粋にたかじんの生涯を丹念に綴った一冊。 生まれも育ちも関東の自分は、寡聞にして彼のことは全然知りませんでした。 西成生まれの在日だという出生から始まり、ミュージシャンとして売れなかった頃の話。 ラジオ...
『殉愛』のせいで百田とさくら未亡人を取り巻く話題ばかりになってるけど、これは純粋にたかじんの生涯を丹念に綴った一冊。 生まれも育ちも関東の自分は、寡聞にして彼のことは全然知りませんでした。 西成生まれの在日だという出生から始まり、ミュージシャンとして売れなかった頃の話。 ラジオのトークが認められてタレントとして成功したこと。 ミュージシャンとして成功する前にタレントとして成功したせいで、ミュージシャンとしては悩みがつきなかったこと。 東京には3度進出したものの、いずれも上手く行かずに大阪に根を張ったこと。 売れる前から京都や北新地でお金を湯水のように使って、そのせいか私生活ではうまくいかなかったこと。 番組に対しては鋭い現場感覚と徹底したプロ意識で、数多くの看板場組を持つようになったこと。 けど、そのせいで政治にも関わるようになったこと。 他にも色々印象に残る記述がありました。 一言で言えば愛すべき暴君だったのかと思います。 不世出のタレントの死に合掌。
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時々文章が引っかかる。 それから今喧伝される「やしきたかじん」という人物の評伝にしては薄いような気がしたが、それは死後の利権の行方による取材拒否のせいか。 複雑なたかじんの個性と、それに対しての著者の反発が伝わってくる。なのでちょっとたかじんに対しての愛が薄いように感じられる。し...
時々文章が引っかかる。 それから今喧伝される「やしきたかじん」という人物の評伝にしては薄いような気がしたが、それは死後の利権の行方による取材拒否のせいか。 複雑なたかじんの個性と、それに対しての著者の反発が伝わってくる。なのでちょっとたかじんに対しての愛が薄いように感じられる。しかし、もしかしたら今後、一周忌明けて口を開く親族や、その他の関係者の取材も取れて、もっと深い愛憎をとらえた改訂増補版が出るのかもしれない。期待したい。
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生い立ち、歌に対しての(素人には)想像もできないまでのプロ魂、テレビでは到底うかがい知れないたかじんさんの人となり、どれも丁寧に描かれていたと思います。少しずつ読み進めていくつもりが一気に読んでしまいました。 前妻や一人娘、最後のマネージャーの方にもお話を訊かれてきちんと書かれて...
生い立ち、歌に対しての(素人には)想像もできないまでのプロ魂、テレビでは到底うかがい知れないたかじんさんの人となり、どれも丁寧に描かれていたと思います。少しずつ読み進めていくつもりが一気に読んでしまいました。 前妻や一人娘、最後のマネージャーの方にもお話を訊かれてきちんと書かれていたのが良かったです。 最後の妻をはじめとして取材拒否の方が多かったというのは、やはり何かと話題のもう一つの「たかじん本」との兼ね合いもあってのことなんでしょうね…角岡さんも歯がゆい思いをされたと思いますが、それでもとても読みごたえがありました。 そして件の本ばかりが話題になってこちらの本がそうでもないというのは、なんかちょっともったいない気がしました。 あちらを読んでいる人は、やしきたかじんさんご本人について関心があるというよりも単にゴシップ好きなのかなと思ったり。余計なことですが。
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あ、角岡さんの本、読んだことある!「被差別部落の青春」。 やっぱりたかじんさんは歌手なんやなー。 「殉愛」の方、もめてるけどどんな内容なんかしら。
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角岡伸彦さんの「本」には手を出すことにしている。 「被差別部落の青春」依頼のファンでもあります。 立ち位置をしっかりさせて、 深い内容を軽妙な語り口で書かれるのが 大きな魅力です。 さて この一冊 ちょっと… たぶん 全くTVを見ないので 主人公の「やしきたかじん」さんという...
角岡伸彦さんの「本」には手を出すことにしている。 「被差別部落の青春」依頼のファンでもあります。 立ち位置をしっかりさせて、 深い内容を軽妙な語り口で書かれるのが 大きな魅力です。 さて この一冊 ちょっと… たぶん 全くTVを見ないので 主人公の「やしきたかじん」さんという人を よくしらない、 だから 読みながらも もう一つ自分の中にはいってこない のだろう と 思っています それでも 次の「本」は 楽しみにしています 角岡伸彦さん。
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関西では知らない人はいないといわれる「やしきたかじん」のずっと語られることのなかった出生、そして生い立ちや東京進出の話、そして歌への情熱の変化など、普段テレビを通して見ているやしきたかじんのリアルを著者が苦労しながら取材してまとめた一冊。 かなり、取材に関しては苦労したとあとが...
関西では知らない人はいないといわれる「やしきたかじん」のずっと語られることのなかった出生、そして生い立ちや東京進出の話、そして歌への情熱の変化など、普段テレビを通して見ているやしきたかじんのリアルを著者が苦労しながら取材してまとめた一冊。 かなり、取材に関しては苦労したとあとがきで書かれている。 読んで見て、やしきたかじんという人物の見え方が180度かわるかもと思いながら、手にした1冊でした。 たしかに、印象とは違うことが結構書かれている部分もありましたが、時折テレビで魅せる恥ずかしがり屋な面などのなんとなく納得できる部分もあった。 自分にとって(関西在住の人はそう思う人は多いだろう)、まるで親戚のおじさんのような存在である、やしきたかじんの普段みせない顔がわかる、そんな1冊です。
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