「マッサン」と呼ばれた男 竹鶴政孝物語 の商品レビュー

文学・エッセイ・詩集

2019/10/14

ジャパニーズウィスキーの父、竹鶴政孝とリタ。
昭和4年(1929)鳥井信治郎に招かれ寿屋山崎蒸留所初代工場長として日本初のスコッチウィスキー製造を指揮。のち大日本果汁を興す。
スコッチウィスキー、アイリッシュウィスキー、アメリカンウィスキー、カナディアンウィスキーと並ぶジャパニーズウィスキー。
明治27年広島県竹原町で生まれ本家竹鶴酒造で育つ。中学の後輩は池田勇人。逢坂高等学校醸造学科に進学、在学中に洋酒メーカートップだった大阪の摂津酒造の学校の1期生であった阿部喜兵衛社長に直談判、翌日から働きに行き会社に泊まり込んで技術を勉強する。大正7年(1918)阿部社長の提案でスコットランド留学に。
グラスゴー大学の特別聴講生となり有機化学、応用化学を専攻。ネトルトン著の「」ウィスキー並びに酒精製造法」を愛読し、直接教えを請いにエルギンへ訪ねるが謝礼が高く断念する。
その帰り、ロングモーン・グレンベリット蒸留所に立ち寄り、研修で働かせてもらう。どんな仕事も率先して引き受けた。
大学へ戻った政孝はエラの弟に柔道を教えるためカウン家を訪れリタと出会う。
ピアノを弾くリタと鼓で合奏したり交流を深める。大正9年(1920)グラスゴーで結婚の宣誓を行う。リタの母や周囲には大反対されていた。政孝の実家も阿部社長も反対していたが、説得しようとして英国へ来た阿部社長は賛成してくれるようになり、リタの母も妹の説得で賛成してくれた。
大正9年(1920)秋、帰国した政孝は戦後大恐慌の中、摂津酒造は本格モルトウィスキーの蒸留所建設を却下する。
いったん退社し政孝は化学教師、リタは英語とピアノを教えながら浪人生活を送る。
寿屋の鳥井信治郎は最初英国から技師を招こうとしたが、逆に日本人で優秀な人間がいるということを教えられ、竹鶴政孝に。大正13年(1924)山崎蒸留所が誕生する。
日本初の本格ウィスキー、サントリー白札は売れなかった。契約期間の10年がたち政孝は寿屋を退社し、昭和9年(1934)北海道余市に大日本果汁をつくる。出資者は政孝、加賀商店の加賀正太郎、大阪の大地主の芝川又四郎、留学中に知り合った柳沢保恵伯爵。政孝は専務として会社を運営する。
本物にこだわり会社は赤字、リンゴジュース、リンゴワイン、リンゴブランデーを作りながら、昭和15(1940)ニッカウィスキーが出荷された。
創業時から会社の慰安会を大事にし、スポーツにも力を入れ、ジャンプ台の竹鶴シャンツェをつくる。労働組合をつくるように政孝から提案した。
仕事では一切妥協せず、衛生管理には特にうるさかった。
リタは日本料理を覚えようと徹底的に勉強し、漬物や塩辛も名人だった。

2016/09/22

「マッサンと呼ばれた男」、２０１４．９発行です。ニッカウィスキーの創業者竹鶴政孝とリタ夫人にまつわる話がまとめられています。連続テレビ小説で２０１４．９～２０１５．３放映されていたんですね。（私は２０１０．９～２０１１．４の「てっぱん」だけは見たのですがｗ）日本に渡る船の中で箸の使い方を練習し、漬け物も塩辛も徹底的に勉強したリタ夫人あってのマッサンですね(^-^)国際結婚した有名人結構多いんですね。高峰譲吉、新渡戸稲造、野口英世、そして竹鶴政孝など。