大格差 の商品レビュー
この本の半分も理解できていないかもしれないが、コンピューターに雇用を奪われてもマネージメント力は必要とされるとか、コンピューターとの会話が成立しない、神様に祈るコンピューターは現れない、チェスは得意だが、ナビは下手だなどなるほどと思うところが多かった。得意な分野ではないが、こうい...
この本の半分も理解できていないかもしれないが、コンピューターに雇用を奪われてもマネージメント力は必要とされるとか、コンピューターとの会話が成立しない、神様に祈るコンピューターは現れない、チェスは得意だが、ナビは下手だなどなるほどと思うところが多かった。得意な分野ではないが、こういう本をまた読みたい。最も得意な人ならもっと掘り下げて機会学習とかの本を読むのだろう。比較的文系向けの本だと思う。
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機械の発達によって機械と共同作業をする能力に欠ける人間は雇用を奪われ、より低賃金の職にしかありつけなくなる。未来は今以上の格差社会となり、しかし人々はそれを受け入れざるを得ないだろう。 経済学の想定する個人は能力の格差が所得の大格差として現れることを受け入れるし、低所得でもそれな...
機械の発達によって機械と共同作業をする能力に欠ける人間は雇用を奪われ、より低賃金の職にしかありつけなくなる。未来は今以上の格差社会となり、しかし人々はそれを受け入れざるを得ないだろう。 経済学の想定する個人は能力の格差が所得の大格差として現れることを受け入れるし、低所得でもそれなりにうまく生活できるようテクノロジーの発展がサポートしてくれる。住む場所さえあれば福祉なんて無くてもどうってことない。だって医療が健康に与える影響は10%しかないんだもの。。。 本書が描くのはそのような光景なのだが、その根拠は時折現れる「私ならそれを選ぶ」という決まり文句以外あまりはっきりとは示されない。多分この本に描かれる未来は科学というよりもむしろ著者のような保守的な経済学者にとってこうあってほしいという希望なのかもしれないと感じた。
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読む前は想像もしていなかったけれど、チェスの話がとても多かった。 では期待はずれかというとそんなことはなく、ケン・リーガンのチェスプログラムを用いた、指し手の質の評価に関する研究が紹介されていて非常に興味深かった。 チェスプログラム(既に人間よりずっと強い)を信頼性のある基準...
読む前は想像もしていなかったけれど、チェスの話がとても多かった。 では期待はずれかというとそんなことはなく、ケン・リーガンのチェスプログラムを用いた、指し手の質の評価に関する研究が紹介されていて非常に興味深かった。 チェスプログラム(既に人間よりずっと強い)を信頼性のある基準として、チェスの対局における人間の指し手の質(=人間の意思決定の質)を評価したところ、 ・プレーヤーの犯すミスの数はレーティング(技術レベル)どおり ・チャンピオンクラスはチェスプログラムが好ましいと判断した手と同じ手を選択する確率が高い(といっても絶好調時でも55%程度だそうです…) といった知見が得られたとのこと。 チェスプログラムから見たら(どんなに強いプレーヤーでも)人間なんてミスばかり犯すということですね…。 記録上の過去の指し手も同様に評価したところ1850年代の世界最高のプレーヤー ポール・モーフィーの実力はレーティングにして2300相当(現代では全米100位にも入れない程度)と推定されたそうです。人類のチェスのスキルは向上していっているんですね。 また、チェスプログラムが登場し人間がこれを利用して学ぶことによりチェスプレーヤーの実力はさらに向上しているそうだ。コンピュータ様々。 コンピュータとはうまく付き合って、機械にできることは機械にまかせ、人間は人間にしかできない分野についてのスキルを高めてうまくやっていこう。
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流行の格差本だが、富裕層批判で溜飲を下げるタイプではないのに好印象。 機械を制する者が所得を制すがコンセプト。 かといってネットの情報強者万歳、ではない。生き残れる労働者とは、人当たりのいい、真面目で、顧客の要望に正確適度に応じられるもの。いや、これは別に今にはじまったことではない。 ネットの発達によって、安価なオンライン教育が進み、教育格差がなくなるという未来図は嬉しいが。 不要な引用や脱線が多かったので飛ばし読み。 巻末に日本の経済学者の解説があるが、日本はほんとうに経済学者が後追い。実際の経済をつくる実業家の方が優秀という気がしてならない。
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なんだかずっとチェスの話だ。社会問題としての格差の話じゃなくて『機会との競争』(あの日経BPのやたら装丁が凝った黒と銀色の本)の内容に近いだろう、最後の章の都市の生活についてというのが一番おもしろかったが、いかんせんチェスの話が多すぎる。(やらないのでよく分かっていない、チェスが...
なんだかずっとチェスの話だ。社会問題としての格差の話じゃなくて『機会との競争』(あの日経BPのやたら装丁が凝った黒と銀色の本)の内容に近いだろう、最後の章の都市の生活についてというのが一番おもしろかったが、いかんせんチェスの話が多すぎる。(やらないのでよく分かっていない、チェスができるひとならもっと大きな理解が得られるのか?)
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原題は「Average is over」であり、日本語題や副題よりも内容を現わしていると思う。 コンピューターやITの発達に伴い単純労働は低賃金化し、それらを使いこなすスキルの高い仕事は高賃金化し、その間がなくなっていくという論旨である。 原著は2013年に、日本語版は20...
原題は「Average is over」であり、日本語題や副題よりも内容を現わしていると思う。 コンピューターやITの発達に伴い単純労働は低賃金化し、それらを使いこなすスキルの高い仕事は高賃金化し、その間がなくなっていくという論旨である。 原著は2013年に、日本語版は2014年に出版されていて古くはなく、十分に現在の状況を正しく解析しており、アメリカだけでなく日本でも成り立つ論旨だと思う。 高賃金の仕事はどのようなものか、人生を変えられる若い人こそ本書を読んでほしい。2極化のレベル差や進行の度合いは違うかもしれないが、技術の進歩と高年齢化に基づくこの流れの方向性は間違いないからだ。 ピケティの言う2極化とは異なり、個人の努力で切り開ける将来がこの書には示されているのだ。
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遠い未来の事はさて置き、比較的直近の未来ではマシンに世界を乗っ取られるのではなく、協業できるものが繁栄すると言う。
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人間とコンピューターのチームこそ、最強のチームである。 賢い機械を動かす人物は、その課題に関する専門家である必要はないが、技能が一定水準に達しない人物を機械と組ませると、機械単独の場合よりも有効性が落ちる。これからやって来る天才的なマシンの時代では、そういうマシンと働ける人が豊かになる。テクノロジーに牽引される活力のある産業で働き、目をみはるような成功を収める人たちと、それ以外の人たちに社会は大きく二つに分かれることになる。つまり機械によって中産階級の仕事が失われ、 機械を使いこなす人材に富が集中する未来が来る、という「大格差」の時代が訪れる。これを、コンピュータチェスの進化、オンライン教育、医療への活用、恋人探しなど、具体的な事例を交えて説明している また、科学は『理解困難』という点で宗教や魔術に近いものになる。現在の科学研究のほとんどは、「人間がコンピューターに指示して、人間を支援させる」という形だが、将来は、「人間がコンピューターにデータを与えて、コンピューターに独自の研究を行わせる」と「人間がコンピューターの研究結果を解釈する」に近づく。賢い機械が、宇宙理論の新しい理論を編み出しても、人間は誰もその理論を理解できず、説明もできない、という状況が現実になるかもしれない。
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日本でも小泉改革で「格差」が問題になり、また最近話題の「21世紀の資本」などでも「格差」に大きな焦点が当てられていますが、この本はそのものずばりのタイトルで、大いに興味を持って読みました。 この本は、格差問題について現状分析してその処方を示すというものというよりも、むしろ今後訪れ...
日本でも小泉改革で「格差」が問題になり、また最近話題の「21世紀の資本」などでも「格差」に大きな焦点が当てられていますが、この本はそのものずばりのタイトルで、大いに興味を持って読みました。 この本は、格差問題について現状分析してその処方を示すというものというよりも、むしろ今後訪れる「未来」について書かれたものです。 現在格差が生じてしまっているのは、現在のコンピュータ・テクノロジーの発達と、それによって今後必要とされる雇用スキルの変化によって生じてしまう必然と達観し、それはこれからも避けられないことだという前提を受け入れて、個人として「勝ち組」になるにはどうすべきか、「負け組」になってしまった人がそれでも幸せに生きられる社会にするにはどうすべきか、について書かれたものと受け止めました。 コンピュータの今後の発展については、やや見解を異にするところがありましたが、格差をなくして経済的な平等社会を作ろうとするよりも、経済的弱者でも安全・快適に生きられる社会を、テクノロジーの力を借りて作りだすべきではないかという問題提起は、十分考慮の余地がありそうに思います。 「貧困」は解決しなければならない問題ですが、そのために「金持ちの足を引っ張る」必要が本当にあるのかどうかは、考えてみる必要があるのでしょう。 いろいろ考えさせられるきっかけになる本でした。
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この本の主張は最後のページの次の言葉に凝縮されている。 「これからやってくるのは、天才的なマシンと一緒に働ける人が豊かになり、社会は大きく二つにわかれることになるーテクノロジーに牽引された活力ある産業で働き、目を見張る成功を収める人たちと、それ以外のすべての人たちに。”平均は終わ...
この本の主張は最後のページの次の言葉に凝縮されている。 「これからやってくるのは、天才的なマシンと一緒に働ける人が豊かになり、社会は大きく二つにわかれることになるーテクノロジーに牽引された活力ある産業で働き、目を見張る成功を収める人たちと、それ以外のすべての人たちに。”平均は終わった”のである。 先進国では、これまで社会を安定させていた中間層が減って、富める者とそうでない者にわかれてきている。これは日本でも同じことがいえる。 そんな中でこれから重用される人間は「まじめ、かつ聡明で、勝ちたいという意欲をもった」者であると説く。 これまではまじめに働いていれば、そこそこの生活ができたが、これからは学び続けることができないと中間層に残ることはできないということである。 ITCの発達は新たな仕事を作り出しているが、そこで雇用される人間の数は減っている。それが先進国の停滞を招いている。そしてその状況が続いていくと著書は見ている。こうした見方は特段新しいものではないが、少なくとも機械が人間の仕事を奪うのではなく、補完関係によって仕事を進めていく社会になるという点には希望が持てる。
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