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未必のマクベス の商品レビュー

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19件のお客様レビュー

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2017/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文庫が話題になってたので読んでみました。 最初香港やら澳門やらベトナムやらあまり馴染みのない地域の話が続き 話に入り込むまでが結構厄介でした。 実際に本題に入っても暗号化などの専門的な話が多く 理解するのが難しかったです。 実際秘密鍵とか公開鍵とか一応知ってはいますが 本当の意味で物語の筋を追えているかは自信がありません。 マクベスは一度読んだことがあるのですが15年以上も前の 学生時代に読んだだけなので細かいところは忘れてました。 せっかくだから久しぶりに読み返してみたいなと思います。 途中からあまりに自分からマクベスの世界に入り込んでいく 主人公に違和感を覚えたものの、面白く読むことは出来ました。 鍋島冬香=森川というのは最初から疑ってましたが別に 作者としては隠す気も無いという感じだったので ネタバレ的な感じではないですね。 でも最後に主人公が殺された理由はよく分かりません。 最後で殺すくらいならいつでも殺せたような気が… そしてさらに積み木カレンダーの答え合わせが どうしても理解できずモヤモヤ。 6と9を非対称にすると成立しないことは分かるのですが なぜ91にすると11をあらわすことになるのかが全く理解できません。 積み木カレンダーの左側が右側より少し下がっている? ビジュアルで見せてくれないとイマイチ分からないので 映画化されないかなと密かに思ってます。

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2017/11/18

面白く読める犯罪ファンタジーロマンス。 社内政治や礼儀作法のリアリティに比べてそれ以上の部分でのフィクション感のバランスが不思議。 そんなに簡単に人は消えるのかな。マクベスの時代ならまだしも。

Posted byブクログ

2017/11/18

大作のため、読破にものすごく時間かかりました。けれど、読んでいる間のめりこめたので、実に良い時間になりました。通奏低音がマクベスとはいえ、何度もストーリーが挟み込まれることでストーリー自体の勢いが削がれた感があったかなあ、とはおもいましたが、スリリングな展開で面白かったです。スノ...

大作のため、読破にものすごく時間かかりました。けれど、読んでいる間のめりこめたので、実に良い時間になりました。通奏低音がマクベスとはいえ、何度もストーリーが挟み込まれることでストーリー自体の勢いが削がれた感があったかなあ、とはおもいましたが、スリリングな展開で面白かったです。スノッブな社員の方々が多々登場して、実に鼻につきました。羨ましい、私も、とは思いましたが、こんな企業にいるのは嫌ではありますね。日々のほほんと暮らしてるので、こんな企業あるのか、という疑問が常に湧き上がりました。

Posted byブクログ

2017/04/24

普通のサラリーマンの物語かと思いきや、登場人物は企業の闇の中でありえない事態に振り回される。最初は主人公の中井に、自分と同じサラリーマンだというところに感情移入するのだが、だんだんと自分と異なる中井像になっていく。そこからエンターテイメント作品としてドライブがかかる。真実味を帯び...

普通のサラリーマンの物語かと思いきや、登場人物は企業の闇の中でありえない事態に振り回される。最初は主人公の中井に、自分と同じサラリーマンだというところに感情移入するのだが、だんだんと自分と異なる中井像になっていく。そこからエンターテイメント作品としてドライブがかかる。真実味を帯びながらも舞台は非現実的な世界に移行。気がつけばすっかりマクベスの舞台の観客になっている。そして中井はミステリーの中心に立たされ、周りの人物もどんどん巻き込まれ、マクベスの舞台は大きくなる。そして終幕。やはりマクベスは悲劇だった。切ない。

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2015/04/22

すごい。 途中でいろいろ頭でわかってくるし、突っ込みどころもないではないのだけれど、読後感はそれを越える。タイトルが「未必のマクベス」だよ?まいった。 それから、たまたまあれこれの道具立てが似ているので沢木耕太郎「波の音が消えるまで」とつい比べてしまって申し訳ないけど、「波の音...

すごい。 途中でいろいろ頭でわかってくるし、突っ込みどころもないではないのだけれど、読後感はそれを越える。タイトルが「未必のマクベス」だよ?まいった。 それから、たまたまあれこれの道具立てが似ているので沢木耕太郎「波の音が消えるまで」とつい比べてしまって申し訳ないけど、「波の音」より格段に複雑で格段に上。

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2015/02/11

久々に夢中になって読みました。 IT企業で働く中井優一が陰謀に巻き込まれていくハードボイルドラブストーリー。 アジアの各国を飛び回りマクベスの戯曲と交差するストーリーはスケールの大きさと臨場感がありました。 共通一次世代は特に懐かしいキーワードがあって楽しめるのでは? 私は最初の...

久々に夢中になって読みました。 IT企業で働く中井優一が陰謀に巻き込まれていくハードボイルドラブストーリー。 アジアの各国を飛び回りマクベスの戯曲と交差するストーリーはスケールの大きさと臨場感がありました。 共通一次世代は特に懐かしいキーワードがあって楽しめるのでは? 私は最初の方で結末にピンときてしまいましたが、それでもハラハラドキドキして楽しめました。

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2015/02/07

IT企業に勤める中井優一、高校の同級生伴浩輔が同じ会社にいた.二人は東南アジアで拡販の仕事をするが、中井は澳門で占い師からマクベスにちなんだ予言を伝えられる.その後二人は香港の子会社に異動するが、そこでは多くの前任者が不可解な形で死んでいる.同期の高木から情報を得た中井は行動を開...

IT企業に勤める中井優一、高校の同級生伴浩輔が同じ会社にいた.二人は東南アジアで拡販の仕事をするが、中井は澳門で占い師からマクベスにちなんだ予言を伝えられる.その後二人は香港の子会社に異動するが、そこでは多くの前任者が不可解な形で死んでいる.同期の高木から情報を得た中井は行動を開始する.高校の同級生だった鍋島冬香が香港で勤務していたが突然失踪していることに気がつく.自殺の形で人を殺める呉蓮花、セクとして中井に仕える森川佐和の正体.多くの登場人物が皆光っている.東南アジア、沖縄が出てくる場所だが、世界中を飛び回る感じがする小説だ.楽しく読めた.

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2014/12/08

作者22年ぶりの2作目とか。 これまで余り触れたことのない文体で、自然でソフトな感じなのだが、中身はハードボイルド。 マクベスをなぞっているのは良いとして、主人公がなぜ「王」なのか良くわからないし、女性にもてすぎるし、裏でそんなに人を殺している上場企業があるとも思えない。

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2014/09/04

未必。日常あまり使われないこの言葉は「意図せずして、かつなるべくしてそうなってしまう」事を意味する。つまり、主人公中井は、自ら意図することなくマクベスと同様の立場に追い込まれていくのだが、その根っこはなんと彼の高校時代にあった。共通一次世代という、ごく狭い範囲の世代(今現在50歳...

未必。日常あまり使われないこの言葉は「意図せずして、かつなるべくしてそうなってしまう」事を意味する。つまり、主人公中井は、自ら意図することなくマクベスと同様の立場に追い込まれていくのだが、その根っこはなんと彼の高校時代にあった。共通一次世代という、ごく狭い範囲の世代(今現在50歳前後)という、非常に微妙な年齢の男が、東南アジアという、経済的政治的に非常に微妙な地域で、思わぬ事件に巻き込まれていくところは、ミステリというよりやはりサスペンスであろうと思う。戯曲『マクベス』の利用も巧みであって、人物、舞台、いずれの描写もリアリティに富み、説得力がある。キーアイテムである企業秘密の正体も秀逸だと思う。今だからこそ読みたい、いつ読んでもいい逸品。お供はぜひ、ダイエット・コークのクーバ・リブレで。

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