幻影の星 の商品レビュー
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さいきんこの人の本をよく読んでいたので、長崎という言葉に惹かれて選んでみたらまあ諫早でびっくりしたわ。あの街でいちばんすきな場所は本明川だった。雨で増水した本明川を見るのがだいすきだった。 正直話はよく解らないけれど、主人公の考え方や人との関わり方、休日の過ごし方がすきだなと思った。 「結局、その人がいてもいなくてもいいかどうかは、どうしてもいてほしいって言ってくれる相手がいるかどうかで決まるのかもね」
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(2013年5月に書いた感想です) この頃の白石一文さんは、震災や原発事故、火山の噴火などに絡め、この世(いのち)の無常さを書くことが多いのかな? この物語もそんな感じ。 あくせく生きても、結局100年後にはみんな死んでるし、大地震みたいな自分ではどうしようもないことで、あっさり死んでしまうことだってある。 生に執着してもむなしいものだ…。 この物語では特に、「時間」について特殊なとらえ方をしている。 時間(過去・現在・未来)なんて、人間が作り出した幻想みたいなもので、現在の自分以外のモノはしょせんイリュージョン。 そんなことを考える主人公は、あるとき存在するはずのないものを受け取る。 それは未来の自分からのメッセージ?SDカードのデータを分析してみると、どう考えても、未来の出来事を示唆している…。 同じとき、同じような体験をしている女性がいて、二人の過去と現在、未来が最後に交差する。 とってもよくできた、不思議な小説。 未来の自分からメッセージがとどく、というと、SF小説みたいだけど、あくまでいつもながらの白石一文ワールドは崩さず、不思議な出来事なんだけど現実として受け入れ、「そんなこともあるかも」と思わせられちゃうところがすごい。 けっこう「時間」のとらえ方が理屈っぽく、時系列的にも難しいので、あんまり真剣に読むと疲れるけど、深く考えずに「そんなものかも」と思いながら読んでいいかも。 表紙に白い犬がえがかれているけど、物語中にちょこっと出てくる犬が鍵です。
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最近はまっている白石さん。 かなり期待して読み始めましたが、最後まで共感や理解が追いつかないこともあって、少し落胆気味です。 しかし、本書は非常に抽象的かつ身近な事柄をテーマとしているため、はっきりとした答えや結末を出さず、筆者の一つの“考え”を紹介していると解釈すると、興味深い...
最近はまっている白石さん。 かなり期待して読み始めましたが、最後まで共感や理解が追いつかないこともあって、少し落胆気味です。 しかし、本書は非常に抽象的かつ身近な事柄をテーマとしているため、はっきりとした答えや結末を出さず、筆者の一つの“考え”を紹介していると解釈すると、興味深い部分もありました。 時間とは人間が便宜上作った道具であり、存在しないものである、と言う考えが印象に残りました。
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長崎市諫早市いさはやし ほんみょう本明川 めいめい銘々適当に飲み始める イリュージョン 中洲の旗艦店 デキャンティング 重度の子宮内膜炎を患っていて 過去の姿の連なり 既に無くなったものの集積 江戸川橋 神楽坂 書籍取次大手のトーハン 逆転式一方通行 ひるがれい昼餉ひるげ 都電荒...
長崎市諫早市いさはやし ほんみょう本明川 めいめい銘々適当に飲み始める イリュージョン 中洲の旗艦店 デキャンティング 重度の子宮内膜炎を患っていて 過去の姿の連なり 既に無くなったものの集積 江戸川橋 神楽坂 書籍取次大手のトーハン 逆転式一方通行 ひるがれい昼餉ひるげ 都電荒川線に乗って早稲田と三ノ輪橋の間を往復したり イタリアの小都市トリエステ たききぎ薪焙煎の上質なエスプレッソ 世界平和はナマコとともに ゾウの時からネズミの時間 肺の動きは、その動物の心拍を基準にすると、四倍の時間がかかっている。つまり心臓の拍動を時計の振り子とみなすなら、肺の時間は、どの動物でも心臓時計四拍分なのである。 とう薹が立っている 梅枝母智夫ウメガエモチオ 梅ヶ枝餅 巨大隕石 直径四〇〇キロ 秩父ワインの醸造所 委託生産 昵懇の間柄 それこそ女性のオルガスムスを何倍にもしたような生涯ただ一度きりの陶酔が死の瞬間訪れてくれるのならば 芋焼酎の赤兎馬 つまみは蕗味噌 ゆうげ夕餉 細工は流々りゅうりゅう 非嫡出子ひちゃくしゅつし 彼は女性のアナルにしか興味が持てない異常性欲者なのだ 愛犬のルルド クリーム色のポメラニアン 女は誕生に生命の意味を見出すが、男は死の中にこそ、その意味を読み取ろうと欲する。男は人間存在の終わりの為に生き、オンナは始まりの為に生きる。男は愛する女に一緒に死んで欲しいと希い、女は愛する男に一緒に生きて欲しいと希う。 何もかも死に対する抵抗として存在している 松本清張 敵愾心を糧に刻苦勉励 音羽通り 講談社ビル 鳩山会館 至極当たり前の感想 大塚警察署 椿山荘の冠木門かぶきもん フォーシーズンズホテル ルルドの洞窟 また別のレプリカ 平和公園での一齣 こぬか小糠雨が降る彦国橋 閉経した雌が子育てに参加できるかがどうかが一番大きくて 放射能の「ホルミシス効果」 或る世代 玉置浩二の曲名から拝借 太宰府天満宮 菅原道真 とびうめ飛梅伝説 シュミレーション=思考実験装置としての小説の機能がフルに活かされた作品である タナトロジー死生学 直線的で計量可能な時間意識からの飛翔こそを
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【あらすじ】 熊沢武夫が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには、新品のコートがかかったまま。なぜ、全く同じコートがこの世に二つ存在するのか?謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に、生きる...
【あらすじ】 熊沢武夫が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには、新品のコートがかかったまま。なぜ、全く同じコートがこの世に二つ存在するのか?謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に、生きることの実相を描く。 【感想】
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私にとって好きな作家ベスト3に入る白石さんの作品。 今回はなかなか共感できないまま読了。 緻密な風景描写は変わらず、私の好きな部分でもあるけれど、時間や空間のとらえ方や「イリュージョン」「レプリカ」などの言葉で表現される概念のようなものがよくわからなかった。 これまで読んだ作品...
私にとって好きな作家ベスト3に入る白石さんの作品。 今回はなかなか共感できないまま読了。 緻密な風景描写は変わらず、私の好きな部分でもあるけれど、時間や空間のとらえ方や「イリュージョン」「レプリカ」などの言葉で表現される概念のようなものがよくわからなかった。 これまで読んだ作品の中にもある、ちょっと不思議な出来事のからくりや、実はそういうことだったんだという結末などを期待しすぎたのかもしれない。 解説にもあった、未曽有の大災害を作家がどうとらえるかによって、作品の中での表現に違いが出てくるという点。 私は災害を物語の中でも事実として挿入する白石さんの作風が好きで、白石さんの感じ方(主人公などの登場人物)に共感する部分が多い。 また、ほかの作品も読んでみようと思う。
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東日本大震災を経て変化した人生観を描いた作品だと思うのですが、あまり関係ないと思える描写が多く、かつパラレルワールドでもない不思議な要素も加わって、何がポイントなのか理解できなかった。 相変わらず白石作品は難解で、なのについ読んでしまうところが魅力なのか。
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死生観、生きている今と死んだ世界 この世界観がずっと漂ったお話 何となくこの世界観の中にいることは 心地よく感じた
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始まりの数ページで続きがとっても気になり、読み始めました。 途中、「女性側のあの人があの人だと思ってたのに違った!」ていうのがあった。 「今過去未来」の考え方など 長文のところは飛ばし読みしてしまった。。 そこが大事なんだろうなと思います。。
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川は、三途の川とかがあるように、時空をつなげるものなのかもしれない。橋を渡るルルドは、その案内役だったのかな。 そして子供の頃、原爆で亡くなった人たちに、できることなら、この水をあげたいと言った主人公の優しさが、二人をつなげたんだろうな。 白石さんの作品としては不思議さが一番濃厚な作品。堪能しました。
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