どろぼうのどろぼん の商品レビュー
雨の夜どろぼんはある家に入ろうとしていた。張り込み中の刑事のぼくがどろぼんに出逢ったのはその時。どろぼんはぼくに言ったんだ。「よぞらを見てください」こんな雨の夜に? 警察の取り調べ室でぼくはどろぼんの話を聞いたんだ。彼の半生、彼の不思議な力。 どろぼんは物の声が聞こえるという。そ...
雨の夜どろぼんはある家に入ろうとしていた。張り込み中の刑事のぼくがどろぼんに出逢ったのはその時。どろぼんはぼくに言ったんだ。「よぞらを見てください」こんな雨の夜に? 警察の取り調べ室でぼくはどろぼんの話を聞いたんだ。彼の半生、彼の不思議な力。 どろぼんは物の声が聞こえるという。その場にいたくない”物”、持ち主に忘れ去られた”物”、そして持ち主を縛り付けている”物”。それらの物を盗み出す。でも持ち主は誰も気が付かない。だって忘れ去られたんだ、むしろ解放される人だっている。 どろぼうも、人の家に忍び込むのも、どろぼんには息をするみたいに当たり前のこと。だって声たちはいつも向こうからやってきたし、鍵は自然に開いたんだ。 でも最近その力が弱まってきたらしい。 それは生き物の声を聞いたから。 生きた者の声を聞くと、物の声は遠ざかって行くという。 どろぼんは、今は本当に自分に必要な存在を見つけたんだ、自分の意志で声を聞こうとしたんだ…。 *** 静かな雰囲気の語り口がなんとも胸が締め付けられるような。 とにかく整理整頓片付けが大の苦手な私には、私の元を去りたがっている物も多かろうと、そういう意味でも胸が締め付けられたりorz
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うちにはどろぼんに盗んでもらいたいと思っているものがたくさんある気がする。 私がそう思っているのも、ものの方がそう思っているのも、どちらもありそう。
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児童書だけど大人も楽しめる。いつか子どもに教えてあげたい。 終わり方も素敵。 どろぼんとよぞら、楽しく暮らして欲しい。
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まず、読み始めは幸せになる。紫陽花とミストのような雨がふあ〜っと紫に煙って、ふんわり迫ってくる感じ。。 私の微々たる読書経験の中でも5本の指に入るほど素敵な語り出し。 刑事、どろぼうの出会いから始まるけど、その出会いはいささか、ファンタジーのようで普通でない。だって、どろぼんが...
まず、読み始めは幸せになる。紫陽花とミストのような雨がふあ〜っと紫に煙って、ふんわり迫ってくる感じ。。 私の微々たる読書経験の中でも5本の指に入るほど素敵な語り出し。 刑事、どろぼうの出会いから始まるけど、その出会いはいささか、ファンタジーのようで普通でない。だって、どろぼんが盗むものは、持ち主から忘れられたものたち。盗んだって、持ち主は気づきもしない… 取り調べが始まり、物語が語られる。 これは、ぼく と どろぼん との二重構造のようなおはなし。 読んでいて私は「海辺のカフカ」を思い出した。どろほんがナカタさんとかぶるのもあるけど、ファンタジーちっくなのにリアルだから。そして、比喩と、情景描写が美しくて瞼に焼き付いてくる感じ、と、気の利いたジョーク。(オーハスの扱いww) 挿絵が美しい。でも、どろぼんの顔だけは描かれない。そこが私たちをより物語に引き込ませる。 ずーっと取調室のお話を聞いているだけでも楽しいんだけど、ラストは小さな事件にみんなが巻き込まれていく。ほんとによく出来た、楽しめるおはなし。善き物語。こういうお話がベストセラーになればいいのにな。 斉藤倫さん、「せなか町から、ずっと」でお話の名手だと感激したけれど、どろぼん、もっと早くに読んでいたらよかった! 次はどんな本を作ってくれるんだろう。楽しみだなぁ。。
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なーんかきれいな色の表紙だなあっと手にとる。 と、中の挿絵も素晴らしかった! 特に公園で赤ちゃんに出会うシーン。感動的な美しさである。 おはなしも素敵だ。 よくみたら斉藤倫さんだった。 なるほど、納得。 この人、めちゃ好きだ、と再度確認。 確か詩人さんってあった気がするんだが、ど...
なーんかきれいな色の表紙だなあっと手にとる。 と、中の挿絵も素晴らしかった! 特に公園で赤ちゃんに出会うシーン。感動的な美しさである。 おはなしも素敵だ。 よくみたら斉藤倫さんだった。 なるほど、納得。 この人、めちゃ好きだ、と再度確認。 確か詩人さんってあった気がするんだが、どんな詩をかかれるのか興味深々。 ものの声がきこえるどろぼう。 忘れられ、見向きもされないものたちが 助けを請うように呼びかける声。 あることすら忘れられているんだから 盗んだところで、誰も気づかない。 なるほどー、だから捕まらないのねー。 でも、お話は冒頭、そのどろぼんが捕まるところから始まるのだ。 ものの声といきものの声、 どろぼんはこれから両方を聞いていけるのだろうか? ふしぎなじゅもんのような唄のような、 どろぼうどろぼん、の旋律がどこからか聞こえてこないか、 ふと歩きながら耳をすませたくなる一冊。
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福音館のFacebookで紹介されていて気になったので、借りてみた。 わくわくする装丁!牡丹靖佳さん、覚えておこう。 静かに、ゆったりと流れる、ちょっと不思議などろぼうの話。素敵だ。 止まらず読んだ。 最後に泣いてしまった。 やさしい、おはなし。 読み終えた余韻がすごくて、これ...
福音館のFacebookで紹介されていて気になったので、借りてみた。 わくわくする装丁!牡丹靖佳さん、覚えておこう。 静かに、ゆったりと流れる、ちょっと不思議などろぼうの話。素敵だ。 止まらず読んだ。 最後に泣いてしまった。 やさしい、おはなし。 読み終えた余韻がすごくて、これが消えてしまうのがもったいなくて、何もできない。どうしよう…。 良い本には大人向けも子ども向けもないのだ、と改めて思った。 言葉が美しいと思ったら、詩人の方の作品なのですね。詩も読んでみたい。
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この作品に限らず、本当に好きな部分がある作品は必ず論理で片付かない部分がある(しっかりと感想を残しておきたかったからレポートの題材に選んで、テーマ(どろぼんは、あわいの存在ではないか、というもの)を自分で設定して書けたから、それはそれで良いけれど)。 論理で片付かない部分を自分...
この作品に限らず、本当に好きな部分がある作品は必ず論理で片付かない部分がある(しっかりと感想を残しておきたかったからレポートの題材に選んで、テーマ(どろぼんは、あわいの存在ではないか、というもの)を自分で設定して書けたから、それはそれで良いけれど)。 論理で片付かない部分を自分だけで反芻しているときが一番幸せな時間だという気がする。良さをひとと共有できるまで、自分の中の言葉を探す喜びもずいぶん分かってきたけれど。 例えば「どろぼん」を読んで、モノの声が聞こえる事は凄くさみしいと同時に全然さみしくないなと思ったこと。人は心の中や家の中に森を隠していると思うと、楽しい面白いと同時に恐ろしいしさみしいだろうと想像した(人の持っている森が「まとまり」で維持されているかどうかは、他人にはわかりにくいから)こと。こういう事はどうやって書いたらいいんだ。
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必要とされなくなった「もの」の声が聞こえる、どろぼん。 「もの」の声に導かれるように「もの」を盗み出す。 そんなどろぼんが、ある雨の日、刑事に捕まる。 というより、目が合った刑事に、逮捕してくださいと言わんばかりに手を差し出した。 取り調べで語られる「どろぼう歴」。 どろぼんの話...
必要とされなくなった「もの」の声が聞こえる、どろぼん。 「もの」の声に導かれるように「もの」を盗み出す。 そんなどろぼんが、ある雨の日、刑事に捕まる。 というより、目が合った刑事に、逮捕してくださいと言わんばかりに手を差し出した。 取り調べで語られる「どろぼう歴」。 どろぼんの話に引き込まれる刑事。 優しい雰囲気に包まれた、優しい物語でした。
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モノの声を聞くことができるどろぼん。でも聞こえるのは持ち主に忘れさられたモノたちの声だけ。そのため、盗みを働いても誰からも気付かれることはなかった。一匹の犬と出会うまでは・・・。なぜそんな不思議などろぼうになったのか、そのひみつは彼の生い立ちを知ると明らかになっていきます。
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