糸切り の商品レビュー
いくつかの謎の中に隠れているのはいずれも親子の思い。 今回も主人公の『草さん』が丁寧に謎解きしていきます。 余談ですがこのお話しの中には色んな陶芸品が出てくるので『これはどんなものだろう?』と調べながら読んでしまいます。そんな楽しみ方もできるシリーズです。
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10年ほど前に職場の方からこのシリーズの3巻までをお借りして読んだことがあったので、懐かしくなり4巻目を読んでみました。 紅雲町で珈琲豆と和食器のお店「小蔵屋」を営む草さん。そしてアルバイトの久美ちゃん。珈琲の香りが漂うお店に素敵な器。近くにあったら常連になりそうなお店。 ...
10年ほど前に職場の方からこのシリーズの3巻までをお借りして読んだことがあったので、懐かしくなり4巻目を読んでみました。 紅雲町で珈琲豆と和食器のお店「小蔵屋」を営む草さん。そしてアルバイトの久美ちゃん。珈琲の香りが漂うお店に素敵な器。近くにあったら常連になりそうなお店。 今では寂れてしまった商店街があちこちにありますが、ここに登場するヤナギ・ショッピング・ストリートも同様。草さんが車にひかれそうになった事から色々な人の思惑が見えてきてお話としては面白かったです。まだシリーズが続いてるので読んで行きたいです。
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シリーズもの。 コーヒーと焼き物のお店を営む、おばあちゃんが主人公。 本作から読んでしまったので、お草さんの人柄を掴みきれずに終わってしまった。 1作目から読んだら良かったかも。
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※このレビューにはネタバレを含みます
お草さんの日常事件簿。 紅雲町で珈琲豆と器を扱うお店を営む、お草さんこと杉浦草。 買い物に出かけた長屋式店舗のヤナギで、外車に轢かれかけて電気屋の看板キャラクターを壊してしまったお草さん。 同時に知ることになったヤナギの改修工事の話。 帰っておいでという誰かが落とした誰かに宛てた手紙の真意。 お草さんを轢いた外車の運転手の佐々木の雇い主の陶芸家ファンの資産家。 手芸店の高齢のおばあちゃんが反対する改修工事の理由。 ヤナギのどこかの壁にあるという、有名陶芸家の作品と、それをほしがる資産家と運転手の佐々木。 佐々木のたくらみと次第に暴走していく様子。 改修工事の設計を手がけることになった弓削と手芸店の千景の関係。 人の思いと欲望が入り混じるなかで、関係が悪化しかけた改修工事も、それぞれの誠実さと思いやりで、良い方向へを導かれていくまで。 晴れの日もあれば雨の日もあるように、人の心もときどき不安定になるなかで、お草さんの寛大で適切な人柄が、すべてを丸く収めているような感じ。 お草さんにまた会えてよかった。
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お草さん、相変わらず身の周りで色々な事が起こりますね。 あまり踏み込み過ぎず、いい加減の距離を置きつつも親身になるお草さん。 年齢分のものは抱えながら、抱えているからこそでしょうか…いい年齢の重ね方をしていると思います。 お草さんの魅力で読んでいます。
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紅雲町珈琲屋シリーズの4作目。 雨の日、いわくありげな男が落とした手紙のようなものを拾おうとし、黒い外車にひかれそうになったお草さん。その時、誤って電器屋の店先にあったマスコットを倒してしまう。 その弁償を迫られたり、商店街の改装問題に巻き込まれたり。 でも、お草さんはいつ...
紅雲町珈琲屋シリーズの4作目。 雨の日、いわくありげな男が落とした手紙のようなものを拾おうとし、黒い外車にひかれそうになったお草さん。その時、誤って電器屋の店先にあったマスコットを倒してしまう。 その弁償を迫られたり、商店街の改装問題に巻き込まれたり。 でも、お草さんはいつも冷静で思慮深い。自らの分をわきまえている。 読んだ後にいつもほっこりしてしまうシリーズ。落ち着く。 地域の人々の交流を扱ったミステリーを読むにつけ思う。人とのつながりを欲しながら干渉を嫌う現代社会で、「お節介」はどこまでアリなのだろうかと。 手を差し伸べようとしても「余計なお世話」で拒否される、そういうことは多々あるが、お草さんのように、人との「よい塩梅」の距離を保ちながら、気にかけてくれる人がいたら、とても心強いのかもしれない。
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お草さんシリーズ。 今回もお婆ちゃんなのにハラハラさせてくれたよ、お草さん(笑) でもなんかダラダラで読み進めるのが大変だった。 2017.7.28 読了
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お草さんの若い人に向ける視線はいつも暖かい。冨士純子主演のドラマ、続編やらないのかな。冨士純子、ちょっと小説から受けるイメージよりはキリッとしすぎだけど。
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- ネタバレ
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紅雲町珈琲屋このみシリーズのの最新刊 日常ミステリーもんなんだけど、なんだかだんだんお昼のドラマみたいなドロっとした謎にハマっていくなぁ。本作も血縁関係やら芸術品の争奪戦やら親娘の意地の張り合いやら…。日常に転がってるけど、できれば関わりたくないウェットで面倒くさそうな謎ばかり。 前にも書いたかな、このシリーズの魅力は、そういうドロっとした問題の渦中に引き込まれていく主人公のお草さんが、それでも自分の生活のリズムを崩さす、早起きして町内の清掃をして、しっかりご飯食べて、きりっと和服を装って、お店をきちんと切り盛りして、充実した1日1日を過ごして行くさま、これを味わうことにあるんだと思う。 謎は解決しても、すっきりしない内容が多い。それでも、このシリーズを追いかけているのは、お草さんの過去を背負いつつも凛として生きている姿を読んで元気づけられるから。今回もそういう意味では値打ちありでした。
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牡丹餅 貫入 印花 見込み 糸切り お草さんが主人公の、紅雲町珈琲屋こよみシリーズ、第4段。 今回は、各章のタイトルが陶芸の用語になっている。 お草さんが店舗の一角にディスプレイする器たちの、そのたびごとの「テーマ」でもある。 器をいとおしそうに包み込む、骨ばって染みの浮いたお...
牡丹餅 貫入 印花 見込み 糸切り お草さんが主人公の、紅雲町珈琲屋こよみシリーズ、第4段。 今回は、各章のタイトルが陶芸の用語になっている。 お草さんが店舗の一角にディスプレイする器たちの、そのたびごとの「テーマ」でもある。 器をいとおしそうに包み込む、骨ばって染みの浮いたお草さんの手を思い浮かべる。 しっとりした器には、意外と年輪を感じさせる手が似合う。 タイトルは私も含め、詳しくない人には陶芸の事とは分からず、別の印象や想像を抱いたりもする。 そこはネタバレにならないためでもあるだろうし、読み終えて、ああそういう事なのか、と合点がいく面白さもあるものだ。 或る日お草さんは、紅雲町はずれの長屋式店舗「ヤナギ」の前で、ロールスロイスに轢かれそうになる。 あわてて避けたけれど、転んだ拍子に電気店の前に立つ全身プラスチックのマスコット「ドリ坊」を壊してしまい… そこから、「ヤナギ」の改装騒ぎに巻き込まれていく。 なぜか親日家の大富豪が資金を出すと言ってきたり、小倉屋が変な嫌がらせを受けたり、意外なところに親子の関係があったり。 いつものように“老い”の問題も、大人の事情も、人間の金に対する欲も、それなりに絡んでくるので、ほっこりするだけの物語ではないが、人それぞれの来し方や思いがていねいに描かれている。 そしてやはり、小倉屋が実際にあったらいいなあ~と、宙を見上げ(妄想)、コーヒーが飲みたくなるのでした。
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