エウロペアナ の商品レビュー
表情とタイトルで良いなと思い手にとったが故に内容が少し残念だった。20世紀ヨーロッパを焦点にあてた教科書のような内容なのだが悪い意味で「教科書」でしかなく文を読んでいてもあまり心を揺さぶられない。 せめて写真やスケッチのような図説があればこの本においては良かったのかもしれない。
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歴史概説と書いてあるけれど、歴史とはどう捉えるべきか、どう残していくべきかという問いを作者から問いかけられているように感じた。 第一次世界大戦、第二次世界大戦の教科書に載っているようなできごとを通して歴史を考えることもできるし、人々の日常生活の移り変わり(電気や家電生活習慣)から...
歴史概説と書いてあるけれど、歴史とはどう捉えるべきか、どう残していくべきかという問いを作者から問いかけられているように感じた。 第一次世界大戦、第二次世界大戦の教科書に載っているようなできごとを通して歴史を考えることもできるし、人々の日常生活の移り変わり(電気や家電生活習慣)から考えることもできる。戦争を博物館で記録するのか、慰霊碑などのモニュメントで記憶するのか。正解はひとつじゃないし、東西で翻弄されたチェコ生まれで、フランスに移り住んだ作者独特のコロコロ変わる視点がある種の答えにも思える。
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第一次大戦からのヨーロッパ史を噂を取り混ぜて「コラージュ的に」語る作品。東欧的アヴァンギャルドのコラージュを歴史風の記述に当てはめて第一次大戦からのヨーロッパの不安定さが伝わる実験的作品だと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
66章からなる構成がおもしろい。通常の歴史の本とは違った斬新なもので、脳に入ってくる理解も違う。第1次、第2次世界大戦の部分と、その間の狂乱の文化の表現はストンと落ちてくる。チェコの人らしい?皮肉まじりのユーモアも楽しい。 1938年に菜膣ドイツによるオーストリア併合があった日(3/12)に読み終えた。ロシアのウクライナ侵攻のニュースが進行中だ。近代以降のヨーロッパで起きたことは、人類全体にも影響を与えてきた。BBCを見ていてもヨーロッパ全体がとても深刻にとらえているかが伝わってくる。著者がいま起きていることをどう論じるか聴いてみたくなった。 P132-133に出てくる部分が印象的だ。終わりの方にこの箇所をもってきた著者の思惑は推し量るしかないが、私には総括に見えた。 ・ある哲学者 世界秩序は言説のメカニズムに対応している。記号そのものは元来意味の担い手であるが、私たちにはそれがどのような意味なのかはわからないという。 ・別の哲学者 言説と世界を構成する記号には意味が欠落しており、意味の不在によって主体も実態も失われ、歴史はただ連続する携帯のない動きにすぎなくなり、もはや何かを表明することもなく、すべてはフィクションで、シミュレーションであるという。さらに、人文主義が衰退したのはある意味で論理的なことだという。 ある数学者 現実とは幻想にすぎず、実際にあるの人間の数学的構築物でしかなく、脳は他の次元からの周波数を解釈するのだが、それは空間と時間を超越するのであり、脳は宇宙を描き出すホログラムであるが、宇宙もまたホログラムなのだという。
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ヒストリー・ストーリー。「歴史」というのは事実ではなく後世のとある人の解釈によって変わるもの。事実とは…?と考える。 本自体はとてもユーモラス!だからこそ解釈とは恐ろしいな、とも感じる一冊。
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20世紀に起こったさまざまな事象を歴史的事件からパーソナルな出来事まで数珠つなぎに叙述。所々で時系列を錯綜させ、単線的な時間軸と歴史観に一石を投じている。
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不思議な本。歴史書のような小説のような。人の記憶のウネウネが、そのまま本になった感じ。妙にはっきりしているところやぼんやりしているところ、繰り返しがあって、振り回される。また読んでみたい。
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副題にあるように20世紀、ヨーロッパを中心に振り返った歴史書のような小説。 ただ、独特な語り。20世紀の出来事を単に振り返るのではなく、語る順番が前後し、時には何度も繰り返し同じことがでてきたり、固有名詞と実話と虚構が入り交じる。その文体に惹かれる。語りの構造、全体の構成に惹かれ...
副題にあるように20世紀、ヨーロッパを中心に振り返った歴史書のような小説。 ただ、独特な語り。20世紀の出来事を単に振り返るのではなく、語る順番が前後し、時には何度も繰り返し同じことがでてきたり、固有名詞と実話と虚構が入り交じる。その文体に惹かれる。語りの構造、全体の構成に惹かれる。 特定の人物名が一切出てこず、不思議な感覚。 そして、この物語を語る語り手の存在も不思議。
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殺戮、迫害、ナチのユダヤ人、各地でのユダヤ人に対する迫害、ソ連の特殊収容所、劣等分子、反社会分子、精神病患者、アル中、有色人種、あらゆる少数への迫害、差別 第一次世界大戦での被害、死んだ人の数、断種。 語り口ミラン・クンデラに少し似てる気がした。本当恐ろしいな…と身震いしながらあ...
殺戮、迫害、ナチのユダヤ人、各地でのユダヤ人に対する迫害、ソ連の特殊収容所、劣等分子、反社会分子、精神病患者、アル中、有色人種、あらゆる少数への迫害、差別 第一次世界大戦での被害、死んだ人の数、断種。 語り口ミラン・クンデラに少し似てる気がした。本当恐ろしいな…と身震いしながらあっと言う間に読んでしまった。
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個人的には20世紀の出来事を振り返るよりも、語る順番が前後したり、虚実入り混じっているらしい全体の構成に惹かれた。でもこうして振り返ると20世紀は哀しいけど、たしかに戦争の世紀だったかもなぁ。
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