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浮浪児1945- の商品レビュー

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33件のお客様レビュー

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2015/08/18

壮絶な生存を生き延びた戦後の孤児たちの来し方から現代の生きづらさ閉塞感にカツを入れられた感じがした。生きるか死ぬかの時代、便利なだけで生きていることを漫然と当たり前になってしまった現代を比較し、私たちがこの時代に生き抜いた少年に支えられた時代を生きていることへの甘えを感じて力づけ...

壮絶な生存を生き延びた戦後の孤児たちの来し方から現代の生きづらさ閉塞感にカツを入れられた感じがした。生きるか死ぬかの時代、便利なだけで生きていることを漫然と当たり前になってしまった現代を比較し、私たちがこの時代に生き抜いた少年に支えられた時代を生きていることへの甘えを感じて力づけられた。そしてもともとそういうことを感じたくてこの本を手に取った自分が居た気がする。あとがきもやはりそういう力づけを読者に与えるために献じられた一書であるとの内容だった。

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2015/06/14

戦争が終わって70年、浮浪児の収容施設だった養護施設が今は虐待児童で溢れている。子供にとってはどの時代も生きるのに過酷な環境であることにはかわりないのですかね。上野駅がどんなに頑張ってオシャレで明るい雰囲気にしようとしても今一つあか抜けないのは、70年前にここで死んでいった人々の...

戦争が終わって70年、浮浪児の収容施設だった養護施設が今は虐待児童で溢れている。子供にとってはどの時代も生きるのに過酷な環境であることにはかわりないのですかね。上野駅がどんなに頑張ってオシャレで明るい雰囲気にしようとしても今一つあか抜けないのは、70年前にここで死んでいった人々の浮かばれない魂が残っているからかなぁ、などと邪推。

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2015/05/17

戦後70年、知らないことがたくさんある。 戦争を生き延びた人々の高齢化、急がなくては…。 日本という国の礎、それは、たくさんの人の犠牲のもとに作られている。何もできなくても、知ることは大切

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2015/05/09

(上野の)浮浪児というと、東京(周辺)で空襲に遭い、親を亡くした戦災孤児をイメージしていた(確かに終戦直後まではその通りだったようだが)、数年すると、”地方に暮す不良少年たちはニュースを通して、「闇黒街・上野」に憧憬を抱くようになった。(略)彼らは「ノガミに行って一旗揚げよう」と...

(上野の)浮浪児というと、東京(周辺)で空襲に遭い、親を亡くした戦災孤児をイメージしていた(確かに終戦直後まではその通りだったようだが)、数年すると、”地方に暮す不良少年たちはニュースを通して、「闇黒街・上野」に憧憬を抱くようになった。(略)彼らは「ノガミに行って一旗揚げよう」と故郷を離れて続々と上野にやってきたのである。” 以下引用 ●不良少年たちは親に代わって自分を必要としてくれる大人を求めていた。その心の隙間をヤクザが埋めたということなのだろう。 ●「子供たちは、ボスに頭をなでられて、『上手になったな』なんて褒められるのが嬉しかったんじゃないかな。みんな親の愛情をろくに知らない子供たちだろ。家庭内暴力を受けて逃げてきたり、戦争で親が死んでしまっていたり。そんな子供たちにとっては自分を褒めてくれる親代わりの大人が必要だったんだと思う。ボスも子供を利用するだけの極悪人というわけではなく、スリをやらせる一方で、小学校や中学校で習うはずの勉強も教えていたんだ。(略)子供たちも親のように慕っているボスにそう言われれば勉強するだろ。そこで基本的な教養を身に着けた子供たちも多かったはずだよ。そういう点では、まさに『学校』だったんだ。」 ●だが、当時の日本社会は元浮浪児に対する偏見に満ち溢れていた。前にも述べたが、多くの一般の人々にとって浮浪児は黒澤明の映画「野良犬」に出てくるような暴力や窃盗を平気で繰り返すイメージだった。子供たちがいくら過去を隠そうとしても、家族がいないとか、身元引受人が養護施設になっていれば、簡単に露見してしまう。雇い主は何か悪いことが起きればすべて彼らのせいにしたり、どれだけ頑張っても信用せずに昇進を認めなかったりした。子どもたちはその都度自らの境遇を恨み、落胆しなければならなかった。

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2015/05/05

戦争が終わって70年くらい。 戦後すぐは東京は焼け野はらで上野駅には戦争孤児や傷痍軍人や娼婦らで溢れていたという。今では実感として感じることはとてもできない惨状がつい70年前にあり、その頃生きてた人もわずかだけど今もまだ生きている。 飛行機で海外を飛び回ったり、スマホやタブ...

戦争が終わって70年くらい。 戦後すぐは東京は焼け野はらで上野駅には戦争孤児や傷痍軍人や娼婦らで溢れていたという。今では実感として感じることはとてもできない惨状がつい70年前にあり、その頃生きてた人もわずかだけど今もまだ生きている。 飛行機で海外を飛び回ったり、スマホやタブレットでクールにビジネスをこなし、英語を話すのも多いに結構だし自分もかくありたいとは思うが、日本がついこの間経験したことをなかったようにはしたくないと思える一冊でした。

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2015/05/02

東京大空襲で家族を失い、浮浪児となった子供たちの生き様を綴ったノンフィクション。平和となった現代では信じられないが、子供たちが一人で生き抜くためヤクザの手先となり闇市で荒稼ぎするなど、生き抜くために手段を選ばない逞しさに心を打たれました。 うちの子供にももう少しがむしゃらな逞しさ...

東京大空襲で家族を失い、浮浪児となった子供たちの生き様を綴ったノンフィクション。平和となった現代では信じられないが、子供たちが一人で生き抜くためヤクザの手先となり闇市で荒稼ぎするなど、生き抜くために手段を選ばない逞しさに心を打たれました。 うちの子供にももう少しがむしゃらな逞しさが欲しいと願ってしまいます。

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2015/04/04

何もしなければリアルに死んでしまう時代と状況。余計なことを考える余地はなく、比喩ではなく「生きるために努力する」ことを余儀なくされた子どもたち。闇市や、ヤクザや、テキ屋といった混沌の中でも息づいていた思いやり。 みんながそうなのかわからないが、人生のはじめに浮浪児という過酷な経験...

何もしなければリアルに死んでしまう時代と状況。余計なことを考える余地はなく、比喩ではなく「生きるために努力する」ことを余儀なくされた子どもたち。闇市や、ヤクザや、テキ屋といった混沌の中でも息づいていた思いやり。 みんながそうなのかわからないが、人生のはじめに浮浪児という過酷な経験をした人々が、人生の黄昏に差し掛かって、幸せとは言いがたい老境を過ごしているのが気になる。生きるのも大変な仕事だな。 とってつけたように、浮浪児のがむしゃらさや、当時の人の絆に学べ、という文脈が出てくるけれど、無理にそういう起承転結をつける必要はないだろうと思う。人生に起承転結を付ける必要がないのと同じように。

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2015/03/19

 終戦直後、上野駅周辺は空襲で焼け出されて身寄りがなくなった「浮浪児」が溢れていた。全国では12万人以上の戦災孤児が生まれたらしい。  いつの間にか彼らはいなくなり、そして「居なかったこと」になっていないか? 人々の記憶にも、歴史の記録としても残っていないのではないか。 戦後70...

 終戦直後、上野駅周辺は空襲で焼け出されて身寄りがなくなった「浮浪児」が溢れていた。全国では12万人以上の戦災孤児が生まれたらしい。  いつの間にか彼らはいなくなり、そして「居なかったこと」になっていないか? 人々の記憶にも、歴史の記録としても残っていないのではないか。 戦後70年が経ち、当時の浮浪児の多くが鬼籍に入ろうとしている現在、いま記録しておかなければ永遠に「居なかったことになる」との危機感を持った著者は5年の歳月をかけ、元浮浪児や彼らを「保護」した施設の関係者などに取材を重ねる。  彼らは悲惨で、一方で逞しかった。しかし、戦争さえなかったら、せめてもっと早く終わっていたら、彼らはもっと別の人生、多分少しはマシな人生があったんたろうと思うと、切なすぎる。  世界を眺めると、今でも子供たちが戦争や紛争のもっとも悲惨な犠牲者になっている。

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2015/02/15

ぼくは、上野は比較的よく歩いている。この本に出てくる場所が現在のどのあたりのことなのか知りたくて、何度かGoogleMapを開いた。 上野駅周辺もずいぶんきれいになったのだと思うけど、地下道はやはりいまいちだし、上野広小路、松坂屋の地下あたりから京成上野までの地下道は、相変わら...

ぼくは、上野は比較的よく歩いている。この本に出てくる場所が現在のどのあたりのことなのか知りたくて、何度かGoogleMapを開いた。 上野駅周辺もずいぶんきれいになったのだと思うけど、地下道はやはりいまいちだし、上野広小路、松坂屋の地下あたりから京成上野までの地下道は、相変わらず浮浪者が多い。 このあたりの、ルノアールやベローチェでお茶を飲んでいると、いい年したおじいさんが2、3人で話しているのを見かけることが多い。ほかの町ではあまりない光景だ。 話している内容は、意外に仕事的なのことが多い。近くの中小企業の社長さん、またはご隠居さんなんだろう。 この本を読んで、そういうことが腑に落ちた気がする。 この本を読んで、その理由が少しわかったような気がした。

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2015/02/11

栗原図書館。 海外に出かける際に必ずと言っていいほど通りがかる、京成上野駅近くの路上。この場所を思い出しながら本書を読んだ。 著者が書いていたように、「今」書かなければ、「今」耳を傾けなければ、そして、人によっては「今」知らなければならない、そんな内容だと思った。 生きていく...

栗原図書館。 海外に出かける際に必ずと言っていいほど通りがかる、京成上野駅近くの路上。この場所を思い出しながら本書を読んだ。 著者が書いていたように、「今」書かなければ、「今」耳を傾けなければ、そして、人によっては「今」知らなければならない、そんな内容だと思った。 生きていくために「がむしゃら」になること。

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