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昭和陸軍全史(1) の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2021/11/04

先ほど気づいたのだが、私はずっと川田を川北稔と同一人物だと思い込んでいた。おかしいなと思ったんだ。文体の違いよりも漢字の多さが気になった。とにかく漢字が多すぎて読みにくい。川田と編集者はもっと「読んでもらう」ための努力が必要だろう。特に軍事関係は肩書が長くてウンザリさせられる。ル...

先ほど気づいたのだが、私はずっと川田を川北稔と同一人物だと思い込んでいた。おかしいなと思ったんだ。文体の違いよりも漢字の多さが気になった。とにかく漢字が多すぎて読みにくい。川田と編集者はもっと「読んでもらう」ための努力が必要だろう。特に軍事関係は肩書が長くてウンザリさせられる。ルビも聖教新聞並みに振るべきだ。 https://sessendo.blogspot.com/2021/11/1.html

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2020/03/18

 当時日本で最も優秀な頭脳集団の一つだった旧日本陸軍。なぜあの太平洋戦争に至り、その後完全解体という悲劇に至ったのだろうか?本書は全3部作の第1部で、満州事変とその背景について論じている。そしてその原因を、陸軍内部に誕生した一夕会とその他の派閥抗争に端を発するとしている。一夕会が...

 当時日本で最も優秀な頭脳集団の一つだった旧日本陸軍。なぜあの太平洋戦争に至り、その後完全解体という悲劇に至ったのだろうか?本書は全3部作の第1部で、満州事変とその背景について論じている。そしてその原因を、陸軍内部に誕生した一夕会とその他の派閥抗争に端を発するとしている。一夕会が考える陸軍が取るべき方針は、第一次世界大戦を鑑みた国内体制の変革の必要性と満蒙親日傀儡政権樹立の必要性、そして内部にはびこる長州閥の打破と考えていた。そして、陸軍内部で人事介入工作を始め、満州事変に至る。  分からないことがある。一つは、結果的にみれば独断専行した関東軍の狙い通りと言える。しかし、当時は元老西園寺公望も健在で、政党政治が機能していた。陸軍内部でも一夕会は少数派だったようだ。一夕会自体もクーデターまでは想定していなかったようである。当時の実際の天皇の影響力がどの程度だったのかは分からないが、一歩間違えれば賊軍として扱われ、粛清されるリスクも十分にあっただろう。どこにその勝算があったのだろう?

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2016/02/26

素晴らしいの一言に尽きる。 なぜ日本はかくも無謀な戦争に突き進んでいったのか。 この素朴であるが難解なテーマに対するひとつの見識として、 新書とはいえ、昨今の雑誌のような新書とは異なり、 とても濃厚で読み応えのある内容になっていると思う。 まさに陸軍、いや昭和陸軍の端緒が何...

素晴らしいの一言に尽きる。 なぜ日本はかくも無謀な戦争に突き進んでいったのか。 この素朴であるが難解なテーマに対するひとつの見識として、 新書とはいえ、昨今の雑誌のような新書とは異なり、 とても濃厚で読み応えのある内容になっていると思う。 まさに陸軍、いや昭和陸軍の端緒が何なのか、 そして政党政治の終焉というものが、 どのような意味合いを持つことになったのか、 そういった経緯がとても丹念に洗われており、 目から鱗なことばかりであった。

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2015/10/04

一夕会による陸軍内権力の把握経緯という視点を主軸に、満州事変の経過について詳細に記述。 幣原内閣に対しては、国際協調路線を維持するため陸軍へのコントロールに腐心し、総辞職までコントロールを完全には失ってはいなかったと肯定的に評価。 国際連盟脱退について、熱河作戦を理由とする除名を...

一夕会による陸軍内権力の把握経緯という視点を主軸に、満州事変の経過について詳細に記述。 幣原内閣に対しては、国際協調路線を維持するため陸軍へのコントロールに腐心し、総辞職までコントロールを完全には失ってはいなかったと肯定的に評価。 国際連盟脱退について、熱河作戦を理由とする除名を避けるため機先を制したとの説を否定。

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2015/07/17

様々に論争されている対象。その対象を、この本では丁寧に描いています。あの時代を振り返るにあたって、賛否の是非はあるでしょう。その判断をする前に、一読する価値はあります。

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2015/06/03

 全7章のうち、5章を「満州事変」の通史、2章を永田鉄山と石原莞爾の戦略構想の比較分析に充てている。  本書の日本陸軍観・「満州事変」観の特色としては、第1に、宇垣一成を中心とする世代と永田ら「一夕会」グループの世代の対立抗争を重視し、前者から後者に主導権が移る犬養内閣成立(「...

 全7章のうち、5章を「満州事変」の通史、2章を永田鉄山と石原莞爾の戦略構想の比較分析に充てている。  本書の日本陸軍観・「満州事変」観の特色としては、第1に、宇垣一成を中心とする世代と永田ら「一夕会」グループの世代の対立抗争を重視し、前者から後者に主導権が移る犬養内閣成立(「一夕会」が推す荒木貞夫の陸軍大臣就任)をもって陸軍の体質に「断絶」を認めている点、第2に、「満州事変」を通俗的な「関東軍の独走」というよりも、永田が主導する陸軍中央の中堅幕僚クラスの「下剋上」に重きをおいて説明している点が挙げられる。いずれも従来の通説に比して、永田鉄山(柳条湖事件時は陸軍省軍事課長)の主導性を重視しており、いわば「永田史観」と言っても過言ではないような叙述になっている。  第1の点に関しては、いわゆる「軍部」の成立時期に関する研究史上の対立点(日露戦後か「満州事変」期か)と関わり、対外政策や総力戦構想に、本書が強調するほど宇垣派と永田らの間に構造的な「断絶」があるのか疑問がある。第2の点に関しては、陸軍中央の関与を強調するあまり、逆に石原莞爾らの「独走」が相対的に希薄になっており、この点には異論が出よう。ほかにも細かい問題や疑問はあるが、「満州事変」期単独の一般向けの通史が少ない中で、最新の研究成果を通観できる点に本書の価値はあろう。

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2015/02/22

読んでいて思うのは破綻した論理的展開。戦略家達が、歴史と現状を分析して、国がどう振る舞うべきかを考える。 そこには覇権を争う欧米列強に対する生き残りをかけた論理がある一方で、愛国心(?)からなのか、アジア諸国を低く見て、日本を救済者、指導者とする傲慢さが垣間見える。そこで論理は大...

読んでいて思うのは破綻した論理的展開。戦略家達が、歴史と現状を分析して、国がどう振る舞うべきかを考える。 そこには覇権を争う欧米列強に対する生き残りをかけた論理がある一方で、愛国心(?)からなのか、アジア諸国を低く見て、日本を救済者、指導者とする傲慢さが垣間見える。そこで論理は大きく破綻しているが、彼らにはそこからしか先を見る視点がない。 それを狂気というのは容易い事だと思うが、当時の世界情勢では破綻した論理でしか未来を語れなかったのかもしれない。もっとも、これは後知恵で言ってることで、当事者になればその破綻に気づく事なんてできないかもしれない。

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2015/02/06

著者は「昭和陸軍」が満州事変を契機に形成され、日中戦争から太平洋戦争へと続く道を作っていったと考えている。 第1巻はその満州事変がなぜ引き起こされたのか、「昭和陸軍」とはどのような組織だったのか、について永田鉄山、石原莞爾ら陸軍中堅幕僚によって組織された一夕会などと陸軍中枢(長...

著者は「昭和陸軍」が満州事変を契機に形成され、日中戦争から太平洋戦争へと続く道を作っていったと考えている。 第1巻はその満州事変がなぜ引き起こされたのか、「昭和陸軍」とはどのような組織だったのか、について永田鉄山、石原莞爾ら陸軍中堅幕僚によって組織された一夕会などと陸軍中枢(長州閥や宇垣派)などの力関係、その思想と行動を中心に叙述されている。 「一般には知られていないことだが」と前置きされて述べられている部分がちょっと鼻につく感じがするが、実際、勉強になる。 戦後70年の今年、元日に天皇陛下が「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくこと が、今、極めて大切なことだと思っています」とおっしゃられた。もしかするとこの本もお読みになっていたのかも……。

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2015/01/31

満州事変期の陸軍内部の動向について、永田鉄山と石原莞爾ら、昭和陸軍の構想をリードした人物を中心に論じています。 特に永田の構想は本書で初めてその内容を知りましたが、非常に理路整然とした説得力のあるもので、その後の陸軍の方向を決定づけたというのも頷けます。 およそ370ページと...

満州事変期の陸軍内部の動向について、永田鉄山と石原莞爾ら、昭和陸軍の構想をリードした人物を中心に論じています。 特に永田の構想は本書で初めてその内容を知りましたが、非常に理路整然とした説得力のあるもので、その後の陸軍の方向を決定づけたというのも頷けます。 およそ370ページと、新書にしては厚いこともあり、非常に読み応えのある良書でした。

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2014/12/21

日本を滅亡させた最大の要因といえる、昭和の陸軍を紐解く一冊。 1は満州事変と、石原莞爾、永田鉄山2人の構想と異同の紹介が中心。 まぁ陸軍が暴走したことは間違いないのだが、それを止められなかった当時の政治制度に対して、どうしても「何だかなぁ」と思ってしまう。帝国憲法下の日本って、国...

日本を滅亡させた最大の要因といえる、昭和の陸軍を紐解く一冊。 1は満州事変と、石原莞爾、永田鉄山2人の構想と異同の紹介が中心。 まぁ陸軍が暴走したことは間違いないのだが、それを止められなかった当時の政治制度に対して、どうしても「何だかなぁ」と思ってしまう。帝国憲法下の日本って、国民国家ではなかったんだね。どこまでも天皇が大切で、天皇や宮中の体面を慮るばかりに、とんでもない決定をしていたんだと分かる。

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