築土構木の思想 の商品レビュー
タイトルにオッと思ったので読んでみた。 「技術の王様」とも呼ばれる土木の、Civil Engineeringたるところが述べられた対談集である。著者は「国土強靭化」の立案に携わった方の様で、土木は技術の一分野にとどまるのではなく「まつりごと」であることを改めて確認した。「築土...
タイトルにオッと思ったので読んでみた。 「技術の王様」とも呼ばれる土木の、Civil Engineeringたるところが述べられた対談集である。著者は「国土強靭化」の立案に携わった方の様で、土木は技術の一分野にとどまるのではなく「まつりごと」であることを改めて確認した。「築土構木」と見てこの書を手に取ったのは、伊尹の差配する版築の故事を思い出したから。内容はそこからの想像とは大きく異なったが、治水にはじまる土木はまつりごとそのものでもある。 出版は民主党政権が倒れてアベノミクスがはじまったころで、業界の鬱憤晴らしが対談のそこかしこに顔を出すのがノンポリにはくどく思える面もある。対談より、著者が論述した方が良かったのではないかとも思うが、それは他書に当たれ、ということだろう。とはいえ、「コンクリートから人へ」は維持継続を図るMBA的な発想であり、「まつりごととしての土木」は新規事業創出を目指すMOT的に発想していることを認識できたのは収穫だ。ビジョンの提示とそこに至るスキームのデザインというのは、日常とは切り離して考えないと理解がむつかしいものであることは、市民の工学でもかわらないことのようだ。
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