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日本海軍400時間の証言 の商品レビュー

4.4

27件のお客様レビュー

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2024/12/10

決定的な契機や責任者の決断もなくヌルっと始まってしまったアメリカとの戦争。 結局声の大きい勇ましい意見が通ってしまって、しかるべき地位にいる人間がそれを押しとどめる責任を果たさなかったということだろう。そしてそれは過激派将兵によるクーデターの可能性がちらついていたことにも原因があ...

決定的な契機や責任者の決断もなくヌルっと始まってしまったアメリカとの戦争。 結局声の大きい勇ましい意見が通ってしまって、しかるべき地位にいる人間がそれを押しとどめる責任を果たさなかったということだろう。そしてそれは過激派将兵によるクーデターの可能性がちらついていたことにも原因がある。さらに前提を遡れば、クーデターをなんとなく容認してしまった国民の態度に根本的な原因があったと言わざるをえない。 要は国民全体が始めてしまった無謀な戦争だったのだ。

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2024/08/16

漠然と考えていた日本人と組織の問題について、本書から明確に得られるものがありました。 それは、プロローグに旧海軍の組織が抱えた問題点として示された 「責任者のリーダーシップ欠如」 「身内を庇う体質」 「組織の無責任体質」 が、様々なエピソードから疑似体験するが如く身に沁みて分か...

漠然と考えていた日本人と組織の問題について、本書から明確に得られるものがありました。 それは、プロローグに旧海軍の組織が抱えた問題点として示された 「責任者のリーダーシップ欠如」 「身内を庇う体質」 「組織の無責任体質」 が、様々なエピソードから疑似体験するが如く身に沁みて分かります。 特に特攻隊については、 第三章 特攻 やましき沈黙 第四章 特攻 それぞれの戦後 で詳しく検証されています。 必死の作戦の特攻が、大西瀧治朗中将が軍令部の懸念を押し切って実行したとされる「特攻神話」が虚構であることを証明していることは発見です。 番組放送当時に断片的に見た記憶がありますが、今回通読して大変感銘しました。 ノンフィクションとして読みやすく、是非一読をおすすめします。 #日本海軍400時間の証言

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2024/08/16

旧日本海軍の幹部クラスだった人たちが戦後何回も集まって戦争時の様々な事を振り返っていた。特に国の運命を左右する「作戦」だったはずの特攻が実行されるまでの経緯、意思決定の在り方を読んだ時は絶句してしまった。国を動かす立場、組織で意思決定に関わる立場にいる人は、是非、教訓にすべき内容...

旧日本海軍の幹部クラスだった人たちが戦後何回も集まって戦争時の様々な事を振り返っていた。特に国の運命を左右する「作戦」だったはずの特攻が実行されるまでの経緯、意思決定の在り方を読んだ時は絶句してしまった。国を動かす立場、組織で意思決定に関わる立場にいる人は、是非、教訓にすべき内容。しかし、当時の「やましき沈黙」は今の組織においても普通にある。何年も前に読んでから、時折見返して間違ってはいけないと言い聞かせている一冊。NHKアーカイブを見ると当時の幹部クラスの意識がより伝わってくる。ただ一点、筆者のプライベート事情は不要かなと…。

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2024/04/26

2024.04.22 失敗の本質、昭和天皇16年夏の敗戦と読み進めるなかで、Xで見かけたツイートで知った。本書は日本海軍に焦点を絞り、開戦に至る経緯から特攻作戦考案の背景や現場の想い、そして戦犯裁判での海軍の隠蔽工作までを将校の証言をもとに紐解く。 開戦の経緯 陸軍の開戦姿勢に...

2024.04.22 失敗の本質、昭和天皇16年夏の敗戦と読み進めるなかで、Xで見かけたツイートで知った。本書は日本海軍に焦点を絞り、開戦に至る経緯から特攻作戦考案の背景や現場の想い、そして戦犯裁判での海軍の隠蔽工作までを将校の証言をもとに紐解く。 開戦の経緯 陸軍の開戦姿勢に反対してしまうと、海軍の予算が減らされてしまうため、石油も減っていく中で粘ってから開戦に賛成するのでなく、早期に開戦に賛成することになる海軍。これは海軍あって国家なしと表現される。多くの将校がアメリカの国力の高さを認識していて、開戦しても負けることを分かっていながら、真珠湾攻撃の奇襲に成功したことで連合艦隊の山本五十六の発言権が強まり、見通しのないまま短期決戦を狙った闘いを行い、結果的に一度の敗戦が綻びとなり崩壊していく。組織でありながら、人脈で動くということの怖さを感じた。 やましき沈黙 特攻隊員の出陣を見送る将校。そんなポジションがあったとは、、そりゃあるだろうけどとても残酷だ。特攻隊員に志願することで残された家族への報酬が多くなるということを初めて知った。人間の優しさに漬け込むインセンティブ設計をした制度設計者はどんな想いだったのだろうか。 その他 大東亜共栄圏、絶対国防圏など、戦時中のワードセンスにはどこか高揚させるものがある。

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2024/03/20

XでLINEヤフーの川邊さんが若手におすすめしたいビジネス書以外の本として取り上げていたので読んでみた。 正直こういうドキュメンタリー系の本は苦手であまり読んでこなかったけど、これは読まないといけなかった本だと感じた。 第三章の”やましい沈黙”がまさに今の日本社会でも起こり続...

XでLINEヤフーの川邊さんが若手におすすめしたいビジネス書以外の本として取り上げていたので読んでみた。 正直こういうドキュメンタリー系の本は苦手であまり読んでこなかったけど、これは読まないといけなかった本だと感じた。 第三章の”やましい沈黙”がまさに今の日本社会でも起こり続けていることだと思う。 自分も社会人になって上がNOと言ったらNOだし、上がGOと言ったらGOというのはひしひしと感じる。 結局自分も”やましい沈黙”をしていると感じたし、たまたま戦後の時代に生まれたというだけで、 当時だったら同じように行動してしまってたかもしれない。 もしまた同じ状況になったら容易に同じような結果を繰り返してしまう可能性は十分にあると思うと他人事じゃないと感じた。 軍令部や海軍の上層部の責任を問う内容だったけど、 当時責任を取らなかった人たちが無責任だったわけではなく、誰でもその立場になったら同じ行動をとってしまう可能性があるという人間の弱さを忘れないでいることが大事なのだと解釈した。 当事者ではないので、感想を書くのも難しかったけど、読み切って良かった。

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2022/08/31

各章取材が始まる際のそれぞれの思いから始まるのが若干くどいが、この反省会に対する取材アプローチは良かったし、本当に今にも通ずることが多すぎました。

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2019/12/07

戦後行われた軍令部等の海軍士官による反省会。400時間の記録。非公開の会合で明かされる回線への道、特攻など。 「やましき沈黙」など日本人の組織論の典型をここに見ることができる。戦争は過去のことだが現代の日本人が同じ過ちを繰り返さないというわけではない。 近年、NHKスペシャル...

戦後行われた軍令部等の海軍士官による反省会。400時間の記録。非公開の会合で明かされる回線への道、特攻など。 「やましき沈黙」など日本人の組織論の典型をここに見ることができる。戦争は過去のことだが現代の日本人が同じ過ちを繰り返さないというわけではない。 近年、NHKスペシャルの番組を元にした良書が多い。ノンフィクションは一人のスーパーマンの作家ではなく組織力で取材していく時代なのかもしれない。

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2019/12/06

秘密裏に海軍関係者によって開かれていた反省会で語られた証言等から、開戦、特攻、戦犯裁判についての海軍の関わり方と、そこに至らしめた組織と個人のあり方を考え、現代の我々はどうかと問いかける内容。 個人としては正しく状況を認識し、正しく判断できていたのに、良き父であったり優秀な軍人で...

秘密裏に海軍関係者によって開かれていた反省会で語られた証言等から、開戦、特攻、戦犯裁判についての海軍の関わり方と、そこに至らしめた組織と個人のあり方を考え、現代の我々はどうかと問いかける内容。 個人としては正しく状況を認識し、正しく判断できていたのに、良き父であったり優秀な軍人であったりする人が、組織のなかではその正しさを貫けず、最後には全てを巻き込む破滅へと至った歴史からの重い教訓。

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2018/12/29

太平洋戦争の作戦立案を担当した大本営の海軍部門ともいえる軍令部。そこに在籍した高級士官らによる400時間以上におよぶ「反省会」とも呼べる研究会の録音テープを取材のきっかけとして、「なぜ開戦に踏み切ったのか」、「航空機による特攻攻撃はなぜ実行されたか」、「回転(人間魚雷)による海上...

太平洋戦争の作戦立案を担当した大本営の海軍部門ともいえる軍令部。そこに在籍した高級士官らによる400時間以上におよぶ「反省会」とも呼べる研究会の録音テープを取材のきっかけとして、「なぜ開戦に踏み切ったのか」、「航空機による特攻攻撃はなぜ実行されたか」、「回転(人間魚雷)による海上特攻はなぜ実行されたか」、「戦後の戦犯裁判における戦争責任回避の工作」という4つのテーマについて切り込んで行きます。 国の存亡よりも陸軍に対する海軍のメンツを優先した結果として開戦へ流される意思決定、上官(軍令部=海軍としての組織)からの命令という形をとらないように計画・実行された特攻、軍令部に在籍した士官への戦犯責任が軽微となるように予め口裏合わせを敷いていた事実、などが明らかにされています。 敗戦が決定的となった時、軍幹部は戦後の戦犯裁判に備えて証拠隠滅を図り大量の資料、公文書の焼却処分を指示し、そのために開戦や特攻の経緯については正確な検証が行われないままとなってきていました。それらについて当事者であった軍幹部幹部の証言をもとに明らかにすることで歴史的事実を追求するだけでなく、「責任の所在が不明瞭な組織」、「空気に流される意思決定」、「良くないとわかっていながら声を上げない”やましき沈黙”」といった現代の企業も陥りがちな誤りへの教訓を導き出そうとしています。 国同士の対立が目立ってきた昨今だからこそ、戦争に向かって走り出してしまった当時の意思決定についてもう一度目を向けるのは非常に重要なことだと思いますし、そのような時に非常に参考になる資料となりうる1冊です。 10年以上前に放送された同タイトルのNHKスペシャルの取材班によるノンフィクションです。番組の再放送があれば良いのにと思います。

Posted byブクログ

2018/08/08

8月6日は広島原爆忌。9日の長崎原爆忌、15日終戦記念日と、蝉しぐれのなか戦争と平和について考えることが増える。この70有余年、日本は幸いにも戦争することがなかった。これからも平和を享受するためには、平和の有難さを噛みしめることが大切だけれど、戦争へ至る道を自覚的に認識することも...

8月6日は広島原爆忌。9日の長崎原爆忌、15日終戦記念日と、蝉しぐれのなか戦争と平和について考えることが増える。この70有余年、日本は幸いにも戦争することがなかった。これからも平和を享受するためには、平和の有難さを噛みしめることが大切だけれど、戦争へ至る道を自覚的に認識することもそれに劣らず必要だと思う。 海軍軍令部に在籍した参謀たちが戦後35年をへて集まり、自らの敗戦について振り返っていた。計131回、延べ400時間にのぼる通称「海軍反省会」。 本書は、この大スクープを3回のNHKスペシャルにまとめたスタッフの取材記録。 太平洋戦争の戦闘に関する分析では野中郁次郎さんらの『失敗の本質』が名著の誉れ高いが、本書はいわば、当事者が語る『失敗の本質』。 対米戦争は必敗とわかっていながら、陸軍との予算獲得競争や組織の対面のため、対米強硬論を主張し、開戦不可避のところまで持っていってしまった「開戦 海軍あって国家なし」。 人命を人類史上最も粗末に扱った特攻作戦。参謀ひとりひとりは、決して命じてはいけない、間違った作戦だとわかっていても口には出せず、そうした空気に個人が呑み込まれていく「特攻 やましき沈黙」。 敗戦後、天皇に戦犯の累が及ばないよう、親補職であった高官たちの極刑回避に動く第二復員省。その陰で現場の指揮者たちがBC級戦犯として命を失っていった「戦犯裁判 第二の戦争」。 現在地点から彼らを批判することは易しいし、非難することも可能だろう。 しかし一方で、彼らはきわめて優秀な組織人であり、よき家庭人だった。一緒に仕事すれば気持ちのいい人たちだったろう。 もし、自分が彼らの立場だったら、どうだったろうか? その場の空気に流されず、合理的な判断、政策立案しただろうか? 職を賭して「その作戦は間違ってます」と言えただろうか? これは、過去の彼らの問題ではない。 現在の私たちの問題だ。

Posted byブクログ