太陽は動かない の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
エピローグは大人で秀逸な締めだけどそこに隠された汗臭さがいい 物語の展開は鷹野、田岡、AYAKO、広津陸、五十嵐、丹田、風間、CNOX側の人間、MET側の人間、、、異なる組織の異なる思惑で動く登場人物たちの視点に目まぐるしく移り変わる、疾走感、緊迫感のあるものだった。場面展開はコロコロ変わり、各登場人物は甘い汁を吸う場面もあれば酷い目に遭わされてる場面もあり、それぞれが身を置く状況が二転三転していることが風景として浮かぶからこそ、いい意味で映画を読んでいるような感覚になるストーリーだった。その感覚は劇場感といったら良いのか、上手い言い方がわからないが、下手すれば作られた物語のようになってしまいそうなストーリーだけど、物語の場面場面での描写は読んでいるこっちが体感しているかのような実感を伴うリアルな感覚を伴うものだったので物語に飲み込まれるように読んでしまった。結構グロテスクで酷い描写も多くて、自分は人生で受けたことがないような身体的な苦痛なはずなのに、まるで自分が受けているかのような嫌な気分になってしまうほどだった。そこまでさせる現実的な描き方ができるのがすごいし、ほんわかしたストーリーのイメージがあった横道世之介(まだ読んでないけど)の作者とは思えない。 特にエピローグラストに愚痴っぽくこぼす田岡と諌める鷹野のコンビの短い会話と共に新聞記事の内容をさしこむ終わり方が気に入った。境遇からしても想像を絶する苦の経験を重ね続けているはずの2人がそれを言えちゃうのがかっこいい。同じように苦しい過去をもつ青木が暗躍してたり、逆にそれに比べるとエリート街道を通ってそういった苦労はしてないように思われるMET幹部の河合、その他大勢の大人が、おそらく血の滲む努力を重ねて勝ち取ったであろう新聞記事の内容は、日本という国としての未来を決める重く壮大な内容である。いろんな立場の人間が場面展開も目まぐるしく緊迫するような生活を、命を魂をすり減らしながら実現したことが、記事の読者からすれば目にも留まらない笑えるくらい短い文章で記されている事実は、鷹野の言葉を借りればそれほど短くしかかかれないほどに、全員がうまく自分の使命をやり切ったことが暗に示されていて読者の高揚する締め方だったと思う。 他の方の感想を読んで、「太陽は動かない」っていうのは物語内での移り変わる展開や登場人物たちの活動や思考回路などの動的なイメージや地球の枠をも超えて宇宙に衛生を飛ばしてまで太陽エネルギーを手中に入れようとする人間たちの対の存在として、それらの問題の発端なのに全く動かず宇宙空間に鎮座している「太陽」という存在を強調しているタイトルなんだと思った。 逆にいえば太陽以外は動いているっていう感じで
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なかなかハラハラさせられた。 産業スパイもので、複雑なので少し難しかったけど、映画を見ているような展開の早さ。
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産業スパイ組織「AN通信」の鷹野一彦が活躍するシリーズ第1弾。 今回は大規模油田開発利権に端を発するエネルギー関連事業。日中韓の企業の思惑とそこに関わる政府役人たち、そして資産家と諜報部員たち。登場人物も多く、誰と誰が手を組んで、誰が敵なのか。目まぐるしく状況が変わる中で、そ...
産業スパイ組織「AN通信」の鷹野一彦が活躍するシリーズ第1弾。 今回は大規模油田開発利権に端を発するエネルギー関連事業。日中韓の企業の思惑とそこに関わる政府役人たち、そして資産家と諜報部員たち。登場人物も多く、誰と誰が手を組んで、誰が敵なのか。目まぐるしく状況が変わる中で、その都度手を結ぶ相手も変わってくる。激しい情報戦の末に笑うのは誰か? 情報量も多く、整理するのに大変だが、読み応えがあって面白い。
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なんとなく思ったこと箇条書き ・映画化ありきの小説なんだろうか。 ・前半によく出てくる汗の描写はなんか意味あるんだろうか。 ・100倍効率の太陽パネルがうっかり町工場で完成したり、宇宙から地球にエネルギー転送するとかのテクノロジー系について細かい説明は無い。 ・孤児にスパ...
なんとなく思ったこと箇条書き ・映画化ありきの小説なんだろうか。 ・前半によく出てくる汗の描写はなんか意味あるんだろうか。 ・100倍効率の太陽パネルがうっかり町工場で完成したり、宇宙から地球にエネルギー転送するとかのテクノロジー系について細かい説明は無い。 ・孤児にスパイ教育して胸に爆弾埋めるバカ設定は好き。 ・バカ設定の割に銃撃戦や爆発などのアクション控えめ。
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日本にそんな組織があるはずなかろうと思いつつ ストーリー展開がテンポよく、面白く読めた。 映画があるならチョット見てみたいかも。
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大ヒットドラマ「VIVANT」の別班やこの作品のAN通信のような、存在が公になっていない裏組織の話は都市伝説か実在なのか分からない点が興味を惹起して、ある種の冒険譚のようにワクワクドキドキしながら楽しめる。 それなのにこの作品ではワクワクドキドキがあまりなかった。 大金が動く国...
大ヒットドラマ「VIVANT」の別班やこの作品のAN通信のような、存在が公になっていない裏組織の話は都市伝説か実在なのか分からない点が興味を惹起して、ある種の冒険譚のようにワクワクドキドキしながら楽しめる。 それなのにこの作品ではワクワクドキドキがあまりなかった。 大金が動く国家間の大問題。 絶世の美女と世界を股にかける諜報員。 主人公は捕まり拷問を受け死の寸前にまで追い込まれる。 要素は十分揃っているのに何故か楽しめない。ページをめくる手が止まらないほど入り込めない。何故だろう。 万人向けの答えではないかもしれないが、「推し」キャラクターがいないのがポイントの一つどはないかと思う。「推し」は善玉に限らない。敵役だって構わない。ガッツリ感情移入できるキャラがいないため、せっかく冒険譚の要素が十分揃っていても血湧き肉躍らないのではないかと思った。 本作はシリーズ第一弾なので次回作に期待したい。
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読み終わってすぐに思ったコト どうしてこんなタイトル? 最初に殺されたのは誰だった? 俺はちゃんと読んだのか? 面白かったけど
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宇宙太陽光発電技術をめぐって多彩な登場人物が中国と日本を駆け巡る。話のスケール大きく全て説明されてない感じがあるけどサクッと読めて面白い。
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前半はストリーが頭に入ってこなかったけど、半分以上過ぎた辺りから、やっと理解できるようになった。典型的なスパイものだけど、もう少し舞台が狭い方が読みやすかったかな・・・。
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吉田修一のフィールドの広さを痛感。吉田修一にハズレ無し! 「いったん決まったプロジェクトを白紙に戻せない政治家や企業。どんな手を使ってでも、自分たちの方を推し進めていく。手に入る巨額の金を、国の未来のために放棄できす、二流、三流国となる。」 痛烈な皮肉に痺れる。 最初の設定...
吉田修一のフィールドの広さを痛感。吉田修一にハズレ無し! 「いったん決まったプロジェクトを白紙に戻せない政治家や企業。どんな手を使ってでも、自分たちの方を推し進めていく。手に入る巨額の金を、国の未来のために放棄できす、二流、三流国となる。」 痛烈な皮肉に痺れる。 最初の設定ごややこしくて、覚えるのが大変ではあった。読み終わってみると、そうでもないのだが。 鷹野の生い立ちが次回作で明かされるのは知っているので、たくさんのフラグも納得。次も楽しめそう。 鷹野が藤原竜也なのは納得がいかないが、映画も見てみよっと。
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