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「サル化」する人間社会 の商品レビュー

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26件のお客様レビュー

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2015/01/03

岩本さん推薦の本 ゴリラの勝ち負けを作らない、という社会の紹介が大半。 支配関係を明確にするサルと対比しつつ、人間社会がゴリラ型ではなくサル型の社会に、という指摘をしている。

Posted byブクログ

2014/11/27

タイトルからもっと社会学的な本をイメージしていたのだが、良い意味で裏切られた。著者はアフリカでのゴリラ研究のフィールドワーク経験が豊富で(あのダイアン・フォッシーとも関わりがあったらしい)、それを元にした比較行動学的内容が9割を占め、より一層私好みの本であった。 著者の研究に基...

タイトルからもっと社会学的な本をイメージしていたのだが、良い意味で裏切られた。著者はアフリカでのゴリラ研究のフィールドワーク経験が豊富で(あのダイアン・フォッシーとも関わりがあったらしい)、それを元にした比較行動学的内容が9割を占め、より一層私好みの本であった。 著者の研究に基づいたゴリラの生態について詳しく述べ、また超序列社会のサルを引き合いに出しながら両者の違いを比較、そこから、最終章では、人間社会を優劣のない平和主義のゴリラとサル社会との中間くらいと位置づけ、サル化している、と警鐘を鳴らして締めくくられている。 ははあ、だからこのタイトルなのかと納得できたものの、個人的には、著者の研究によるゴリラ考察が単純に面白く、最終章はなくてもよかったのでは、と思ってしまった。 霊長類の生態に興味があればとても楽しめる一冊。

Posted byブクログ

2014/11/19

睾丸の大きさは身体の大きさと比べてチンパンジーが大きく、ゴリラは小さい。ヒトはその間に入る。理由はチンパンジーの群れはオスメス入り乱れている。ゴリラはオス1匹に対しメスが多数。自分の遺伝子を残すために必要な精子の数が違うからのようだ。ヒトは普通一夫一妻で両者の間に入る。ゴリラの社...

睾丸の大きさは身体の大きさと比べてチンパンジーが大きく、ゴリラは小さい。ヒトはその間に入る。理由はチンパンジーの群れはオスメス入り乱れている。ゴリラはオス1匹に対しメスが多数。自分の遺伝子を残すために必要な精子の数が違うからのようだ。ヒトは普通一夫一妻で両者の間に入る。ゴリラの社会は上下の差が厳しくない。ボスと呼ばれるオス(シルバーバック)はいるが、絶対的な権力を持っているわけではない。たとえば、ボスが持っているエサを子どもがねだると、しぶしぶではあっても与えることがある。チンパンジーやその他のサルではありえないそうだ。サルの仲間は普通目と目を合わせるとけんかになる。だからなるべく目を合わさないようにする。ところが、ゴリラは相手の目をじっとのぞきこむ。そして、相手の真意をつかもうとする。著者も調査していたゴリラにじっと見つめられた経験があるそうだ。また、著者は洞穴で野生のゴリラの子どもと一緒に寝た経験もあるそうだ。現在京大総長をされている著者ですが、ゴリラの研究で長くアフリカにも滞在されています。その経験から、人間も争いをやめてゴリラのような平和な社会になればいいと考えていらっしゃるようです。ゴリラは力が強くてこわい印象があるのだけれど、そうでもないのかもしれない。

Posted byブクログ

2014/11/11

ゴリラ研究の第一人者がゴリラの家族社会から人間の本来の姿を示唆しようとする。 ゴリラは多くて10頭程度の雄を中心とする集団を作るがサルと異なり、集団内の序列はない。お互いに食べ物を分け合い、遊び、状況によっては同性愛などもある。コミュニケーションもサルのような上下関係の確認ではな...

ゴリラ研究の第一人者がゴリラの家族社会から人間の本来の姿を示唆しようとする。 ゴリラは多くて10頭程度の雄を中心とする集団を作るがサルと異なり、集団内の序列はない。お互いに食べ物を分け合い、遊び、状況によっては同性愛などもある。コミュニケーションもサルのような上下関係の確認ではなく、お互いの目を見て、歌を歌うことでとっている。ここに著者は人間の言葉を獲得する以前の家族生活の原型を見ており、現在の人類の個人志向はおかしいとしている(これは、こじつけに思えてゴリラの話だけにすれば良かった)。

Posted byブクログ

2014/11/09

久々に自分の認識がどこかズレているのではと思った。題名からすると、現代社会はろくでもないといった内容を想像するが、中身の大半はそうではない。ゴリラやサルチンパンジーなどと、人間を比較対象しながら、人間の行動、コミュニティなどに迫っている。家族と地域社会を共存させている人間がいかに...

久々に自分の認識がどこかズレているのではと思った。題名からすると、現代社会はろくでもないといった内容を想像するが、中身の大半はそうではない。ゴリラやサルチンパンジーなどと、人間を比較対象しながら、人間の行動、コミュニティなどに迫っている。家族と地域社会を共存させている人間がいかに複雑なことをやっているかなど、全く知らないこと意外なことが多くあった。この世のことはだいたい知ってるつもりになってる自分が改めて見直される作品だと思った。

Posted byブクログ

2014/10/25

ヒト社会は、闘争と階級のサル型か、それとも雄も養育に参加する争いなきゴリラ型か。 ゴリラの生活にヒト社会の原点を見る!(となれば良いのだが、著者はサル化していると憂いている)。

Posted byブクログ