1,800円以上の注文で送料無料

「女子」の誕生 の商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/02/16

女性向けファッション誌を分析しつつ、女性でも無く女の子でも無い「女子」という存在が如何にいつ誕生し変化してきたかを、女子向けファッション誌の変遷を読み解きながらそのプロセスを説き起こす。 女子大生ブームも女子高生ブームもOLブームも見事に外された世代である第二次ベビーブーマー世代...

女性向けファッション誌を分析しつつ、女性でも無く女の子でも無い「女子」という存在が如何にいつ誕生し変化してきたかを、女子向けファッション誌の変遷を読み解きながらそのプロセスを説き起こす。 女子大生ブームも女子高生ブームもOLブームも見事に外された世代である第二次ベビーブーマー世代の同世代「女子」達だが、Sweetが「28歳、一生女の子宣言」をしたときは25歳か。 25歳になると数年間のブームの違いは誤差になってくるな。本論とは違うけど。

Posted byブクログ

2020/08/16

ポップな表紙とは裏腹な学術書。序章でまず先行研究について延べ、本書の独自性を強調し、章ごとに膨大な注釈を入れるという、ゴリゴリの論文スタイルで書かれている。 しかし文章はかなり軽妙洒脱。とりわけ、女性ファッション誌からの引用句は、ものすごく軽い。「『やめられない、とまらない♥コン...

ポップな表紙とは裏腹な学術書。序章でまず先行研究について延べ、本書の独自性を強調し、章ごとに膨大な注釈を入れるという、ゴリゴリの論文スタイルで書かれている。 しかし文章はかなり軽妙洒脱。とりわけ、女性ファッション誌からの引用句は、ものすごく軽い。「『やめられない、とまらない♥コンフォートの誘惑だ』。コンフォートって……なんだろう」 読んでいるこっちもうなずかざるを得ないこの軽さ。もっとも本書はこのような女性ファッション誌の言葉を読み解く言説研究ではないので、この軽さには深くつっこまれてはいない。ただ全編このような調子で、ファッション誌からの引用が随所に登場する。 研究対象が大衆文化であるが故の軽薄さと、学術研究としての格調高さのギャップが大変面白かった。美魔女を論じる過程で経済学者ヴェルナー・ゾンバルトに言及されようとは。 惜しむらくは、女性ファッション誌の歴史に通じていないと、何を言っているのかさっぱりわからんところ。何よりファッション論でありながら写真・図版が全くないところ。 ファッション誌の特徴を頑張って言語で説明しようと試みてはいるものの、ファッション誌の表紙の画像があれば一発でわかるのに……と残念になる箇所がたくさんあった。自分が見かけたことのある雑誌はどんなものか思い浮かぶものの、見たこともない雑誌はどんな雰囲気か全く想像が付かない。

Posted byブクログ

2015/01/03

女性向け雑誌に氾濫する「女子力」の使われ方から『女子』という日本の現象を探る一冊だけど、著者が「女子」を擁護する側にあるため、「女子って、いいよね。」というゆるふわな結論に。結局”「女子力」ってなんだろう”という疑問は解決されず。日本女性が望むあり方が各雑誌ごとに細かく分析されて...

女性向け雑誌に氾濫する「女子力」の使われ方から『女子』という日本の現象を探る一冊だけど、著者が「女子」を擁護する側にあるため、「女子って、いいよね。」というゆるふわな結論に。結局”「女子力」ってなんだろう”という疑問は解決されず。日本女性が望むあり方が各雑誌ごとに細かく分析されているところは読み入ってしまった。

Posted byブクログ

2022/06/01

決して120%ではなく、80%の微笑みを見せるファッション誌の女子。その奥に隠されているものは何か。 こじらせ女子、文化系女子は扱わずに、正統派、ストレートなファッション女子を扱うと宣言する。本書でも取り上げられている「女子会2.0」は、女子のことをそっち方向からしかみ...

決して120%ではなく、80%の微笑みを見せるファッション誌の女子。その奥に隠されているものは何か。 こじらせ女子、文化系女子は扱わずに、正統派、ストレートなファッション女子を扱うと宣言する。本書でも取り上げられている「女子会2.0」は、女子のことをそっち方向からしかみていない、という。僕はかの本を読んで女子の恐ろしさに怯えたが、結局のところ真の正統派女子を知らなかったことに気づく。そうか、ファッション女子とは、モノサシが「かわいい」で出来ている方々のことだな、きっと…。そちらの方々とはどうも相性が悪い。ページをめくるのが怖い。 女子を生み出した雑誌ひとつひとつを解剖していく。女子でない身としては身もだえするような、あるいは寒気がするような言葉が並ぶ。だが女子は本気だ、多分。 女子という言葉に包まれた強烈な自己肯定。何人にでもなれるという自由さ。恋愛という言葉が出てくるのに、なぜかリアルな男の雰囲気がまったく感じられない。女子が女子であるために、男は必須栄養素ではないようだ(栄養でいったら、炭水化物のようなもんか)。 女子でありつづけるのは大変だが、女子からのリタイアを許さない空気をあの手この手で作り出してくる雑誌の皆さん。作り手も読者もお疲れ様です。

Posted byブクログ