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北京から来た男(上) の商品レビュー

3.4

10件のお客様レビュー

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2023/04/19

2006年1月、スウェーデンの寒村で村民が全員虐殺された。一体何のために? 140年あまりの時と空間を超え、アメリカ、中国、スウェーデンとつながる壮大な物語。19世紀の先祖の転変の物語、手に汗握る大河小説の趣もありとてもおもしろかった。 スウェーデンの裁判官ビルギッタ。貧苦から...

2006年1月、スウェーデンの寒村で村民が全員虐殺された。一体何のために? 140年あまりの時と空間を超え、アメリカ、中国、スウェーデンとつながる壮大な物語。19世紀の先祖の転変の物語、手に汗握る大河小説の趣もありとてもおもしろかった。 スウェーデンの裁判官ビルギッタ。貧苦から今や企業を興し富豪となった広東のヤ・ルー。この二人の先祖の物語が、19世紀後半のアメリカ移民史ともなっている。アメリカ横断鉄道の工事現場に、スウェーデンからの移民、騙されて工夫にされた中国人としてクロスしているのだ。その工事現場には、アイルランド人、スウェーデン人、中国人、黒人などの工夫たちがいた。イギリスを頂点とするアメリカの人種間ピラミッドの悲惨な現実をマンケルは描き出している。 また中国にキリスト教を布教する宣教師もクロスするのだが、中国の邪宗を正しいキリスト教徒に改宗させるのだ、という言葉を吐かせ、白人(この時はスウェーデン人)の対アジア人感、埋めようのない蔑視意識も描いている。 ビルギッタは50代の女性裁判官で、新聞報道された寒村の家を、母の形見の写真の中に見つける。上巻の途中で虐殺の意図はこれか? と想像はつくのだが、ここまでやるか? とも思うのだが・・ ビルギッタは虐殺の村とのつながりから、一人行動を起こすのだが、後半ではあまりの無防備さに、読んでいいらいらしてしまった。でも読み手は俯瞰して読んでるから危ないのが分かるんだろうな。でも最後には、ぼんやりわかっていてもつながりを認めたくなかった、という言葉も言わせている。 2008発表 2014.7.25初版

Posted byブクログ

2022/10/13

地域的にも時間的にも壮大な物語、この内容をバラバラにならず、中だるみもせずに一気に読ませるのはさすがです。事件は非常に陰惨で、その背景となった出来事が語られるくだりでもこれでもかというほど死人が出て、読むのが少ししんどかったです。てっきり警察小説と思い込んで読み出したので女性刑事...

地域的にも時間的にも壮大な物語、この内容をバラバラにならず、中だるみもせずに一気に読ませるのはさすがです。事件は非常に陰惨で、その背景となった出来事が語られるくだりでもこれでもかというほど死人が出て、読むのが少ししんどかったです。てっきり警察小説と思い込んで読み出したので女性刑事が主人公と思って読んでいたら違っていて、被害者の遺族と関係のある女性裁判官が主人公でした。職業柄、法律や証拠や証言の扱い、それに事件関係者の振る舞いなどに詳しいことが利点となって難事件がぐいぐい動いていくのですが、反面そういう知識が豊富なのにそんな無鉄砲で衝動的な行動を取るだろうか?!というような場面もちらほら、最初に主人公を取り違えてつまづいたせいもあり、そんな風に違和感を覚えながらでしたが面白かったです。題名の通り中国が大きい鍵なのですが、その部分は自分の中に判断材料が足りず、いかにもありそうではあるものの、正直なところはどうなんだろう、と良くわかりませんでした。読み終わってみると、ミステリー作品という形式ではありますが、この作品は拉致され連れ去られて、アメリカ先住民や黒人やアイルランド人に混ざり強制労働をさせられた中国の人々のことを書きたかったのかな、と思ったりしました。

Posted byブクログ

2020/05/11

息子の本棚に眠っていた本を拝借。 たぶん自分だと絶対に選択しない本だと思いながらも、読んでみる。(コロナで図書館休館延期、ネットで購入した本は未だ届かず、読む本がなくなってしまった!) スウェーデンの作家、スウェーデンを舞台にしながらいろいろな国や歴史が交差するミステリー。 奴...

息子の本棚に眠っていた本を拝借。 たぶん自分だと絶対に選択しない本だと思いながらも、読んでみる。(コロナで図書館休館延期、ネットで購入した本は未だ届かず、読む本がなくなってしまった!) スウェーデンの作家、スウェーデンを舞台にしながらいろいろな国や歴史が交差するミステリー。 奴隷時代の話が長くて挫折しそうになったけれど、どうしても謎解きをしたいので、この部分は耐えて読む。 そして、2006年に戻って、下巻へ進む。

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2016/09/27

ヴァランダー警部シリーズのヘニング・マンケルの作品。相変わらずもの悲しい、沈んだ雰囲気のなか物語が進行していく。下巻に期待。

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2015/02/14

スウェーデンその他北欧諸国は高福祉国家、学力も高く、男女差別もない、日本では先進国のお手本のように取られているが、中から見てみると、どんな国にも闇はあるのだな。判事のビルギッタが少年犯罪に対する絶望感に驚いた。スウェーデンでそんなことがあるなんて。

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2015/01/30
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上巻を読んだ限りでは事件の前半部分がワクワクさせられて期待。後半部分はちょっと長すぎる。 下巻に期待。

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2015/02/08

私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...

私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2014.1.27読了 大作でした。シリーズの作品たちとは違い、なかなか読むのが大変でしたが、読みづらいものとは違い、読み進めるのは楽しみでした。 ただ、時間と距離も大きく離れた壮大な物語なので、その中に入り込むのは難しかったです。 中国のこと、それに対する作者の考えが良く出ていて面白い小説ですが、ミステリーとしてはヴァランダー物の方が面白いかな。 その壮大な物語とミステリーになるその事件との繋がりが、いまひとつピンと来ないのが残念です。

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2014/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 壮大な物語。ミステリというより、歴史物を読んだよう。中国ものだからか、『大地』とか『蒼穹の昴』とか思い出した。

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2014/10/05

「北京から来た男(上下)」 ある村で起きた大量殺人事件の謎。書評は上下巻。 舞台はスウェーデン。季節は冬。そこに一匹のオオカミがある村に迷い込む。オオカミは餌に食らいつく。その餌は人間だが、叫び声は聞こえない。彼はもちろん、村人な大半が既に死んでいたからだ。 これは、過疎...

「北京から来た男(上下)」 ある村で起きた大量殺人事件の謎。書評は上下巻。 舞台はスウェーデン。季節は冬。そこに一匹のオオカミがある村に迷い込む。オオカミは餌に食らいつく。その餌は人間だが、叫び声は聞こえない。彼はもちろん、村人な大半が既に死んでいたからだ。 これは、過疎の村で起きた大量殺戮の謎を追うミステリーである。久々のヘニング・マンケル作品としては、なかなか悲惨な事件で少し疲れてしまった。 オオカミが死体に食らいつき、村の悲惨な姿を見た目撃者が発作で死んでしまう(何も死ななくて良いと思ったのだが)事から始まる事件に挑むのは、亡き母の里親が村の出身だと知った女性裁判官ビルギッタである。 ビルギッタが活躍すると思いきや、舞台がスウェーデンから中国へと飛ぶ。中国編の主人公は、サン三兄弟だ。彼らの人生が中心に描かれるのだが、それが読むに絶えない。 両親が、借金取りからの取り立てを苦に自殺してしまう。サン三兄弟は、両親が焼かれている内に村を逃げ出す。行き先は、バオ老人に言われた通り、海岸に向かった。そこには仕事があると言われて。 途中、いつの間にかついてきた犬にダーヤンと名付ける。彼らは、広東に辿り着く。仕事が見つかると言われたが、誰もが仕事を求めている状態で、幼い三兄弟には仕事は見つからない。 ある日、遂に仕事が見つかる。しかし、それは辛い生活の始まりだった。アメリカへの強制労働の始まりである。 スウェーデンと中国、そしてアメリカを結びつけるのは、J・Aと言う男。ビルギッタはある人物が所有していた日記の中にその名を見つけ、サンが全ての憎悪をぶつける相手。それがJ・Aである。 更に、舞台の展開は続く。ビルギッタが中国に行くのだ。アフリカも舞台となるが、この中国が外せない。後の主人公の1人となるホンクィが出て来るからだ。 サン三兄弟、J・A、ビルギッタ、ホンクィ、そしてヤ・ルー。スウェーデンの悲惨な事件の真相が、複数の国と時代を跨いで見えてくる。 ボリュームはあるけど一気読み出来るミステリーだ。

Posted byブクログ

2014/10/01

面白い! 先が楽しみ。 ではあるんだけど、登場人物紹介を見た時点で感じたがっかりはやはりそのままであった。 いや、まだ何かあるのかも…。 と思いつつ下巻へ。

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