人間にとってスイカとは何か の商品レビュー
スイカといえば花火と並ぶ日本の夏の風物詩。だが原産地は遠く離れたアフリカだった。 アフリカでは驚くほど多様なスイカを見ることが出来るらしい。 スイカは人間や家畜の食用となり、また水がめ替わりともなっている。 顔や体をスイカの水で洗うこともあるらしい。 著者は家族を連れて長期間現地...
スイカといえば花火と並ぶ日本の夏の風物詩。だが原産地は遠く離れたアフリカだった。 アフリカでは驚くほど多様なスイカを見ることが出来るらしい。 スイカは人間や家畜の食用となり、また水がめ替わりともなっている。 顔や体をスイカの水で洗うこともあるらしい。 著者は家族を連れて長期間現地で暮らし、スイカとその利用の実態を見つめ、現地の社会や人間の関係も探究する。 よく耳にする「フィールドワーク」とはこのように行うものなのか、ということも少し知ることが出来る。
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「たったそれだけのこと」を主張するために、 どれだけ丁寧な向き合い方が必要かを 伝えてくる一冊。 人類の、 井戸や灌漑に依らない 水の確保の可能性を辿るフィールドワーク。 その鍵はスイカにあるのではないか。 おそらく人類が登場したとされるアフリカは おそらくスイカ発祥の地で...
「たったそれだけのこと」を主張するために、 どれだけ丁寧な向き合い方が必要かを 伝えてくる一冊。 人類の、 井戸や灌漑に依らない 水の確保の可能性を辿るフィールドワーク。 その鍵はスイカにあるのではないか。 おそらく人類が登場したとされるアフリカは おそらくスイカ発祥の地でもあるのではないか。 採集だけ、狩猟だけ、牧畜だけ、農耕だけ、 ではなく、 それらをゆるく組み合わせることで むしろ公平に争いもなく暮らす人々。 そんな生き方を示してくれた フィールドワーク先の人々には これからも変わってほしくない… という筆者の ちょっと傲慢なセンチメンタリズムも読み取れるのが面白くもあり。 なんというか、 単にアフリカのいち地域の記録であることを超えて、 そこで長らくフィールドワークを続けられたということは 日本や世界が良くも悪くも無邪気で余裕があったってことだよなあ、 という記録にも感じられて 感傷的になってしまった。
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調べたいことがあり手にした本。そこで読み終わっての感想は近代化と言う手法により様々な人間の生き方を壊していく行為とそれにより失われる選択肢のあり方。実は気がつくと自身も家畜化されていると言う事態に気づいていないかも。と覚醒を起こしてくれる本書でした。
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これはもうタイトルでやられましたわ。このタイトルで、面白くないわけがない。 いやほんと、内容も興味深いし、文章もうまくてスイスイと読める。こういったフィールドワークの入門書として優れていると思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カラハリ砂漠で一年のうち8ヶ月は地表水の利用ができないところに住むサンの人々。 彼らの生活は決して甘くないスイカに大きく依存する生活だった。 文化人類学の調査のため その地を長年おとずれてきた 著者による一般向けの 民族レポート。 辺境の地といえども政策やよの流れの影響を受け 決して 波風がたたないのではない。 ライオンが来れば引越しする生活、蓄財の概念の希薄さ、 昼間は喉がかわくといけないから できるだけごろごろしているだけの生活。 人間というのは恐ろしく適応力が高い生物だ。 スイカ鍋もたべてみたいですね。 この本に踊ることで治療をする呪術についてふれられているが ブッシュマンシャーマンを読みたくなった。 どうもコスモスライブラリーから(今春2015.3)でるようだ。
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カラハリ砂漠でスイカをテーマに長くフィールドワークを行った記録。 たいへん面白く読んだ。 http://tamatebako100.seesaa.net/article/408550816.html
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野生の作物であり、農産物でもある。保存食であり、水瓶であり、家畜の飼料であり、石けんであったりもする。一年の8割が乾季である厳しい環境で、これを頼りに暮らす人々。一度政府に追われ、環境の整った住宅地に引っ越すも、また元の環境に戻るサンの人々の逞しさ。もうブッシュマンとは言わないの...
野生の作物であり、農産物でもある。保存食であり、水瓶であり、家畜の飼料であり、石けんであったりもする。一年の8割が乾季である厳しい環境で、これを頼りに暮らす人々。一度政府に追われ、環境の整った住宅地に引っ越すも、また元の環境に戻るサンの人々の逞しさ。もうブッシュマンとは言わないのですね。スイカのあるところを転々として暮らすというのは、山岳地方の遊牧民とはまた違って、新鮮でした。だんだんと現代社会に淘汰されつつある伝統の生活様式を、幼い乳飲み子や奥さんまで連れ込んで研究した著者には頭が下がります。
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