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霊長類ヒト科動物図鑑 新装版 の商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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2016/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短いエッセイがたくさん。ふふふと笑ったりしんみりしたりしながら、スルスル読み進む。あんまり読みやすいから、私にも書けるかもとか思ってしまう(冷静に考えると無理だけど)。 「父の詫び状」は子供の頃の思い出が中心だったけど、この本はわりと大人になってからの向田さん自身が多く描かれている。 ヒトってこんなだよなあと、肩肘張らず読める本です。 あと、やっぱりお父様がおもしろい。家族みんながヤレヤレという風に我儘に付き合ってあげている様子とか。

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2016/02/19

向田邦子のエッセイの読後感はサザエさんを見たあとの感覚に似ている、と思う。そこに在るのは純然たる昭和であり、なぜだかホッとするような生活感が広がっている。ただ一つ違うのは、サザエさんは明るさがあとに残るが、向田邦子のエッセイを読んだあとに残るのは、うっすらとした人間の悲哀だ。特に...

向田邦子のエッセイの読後感はサザエさんを見たあとの感覚に似ている、と思う。そこに在るのは純然たる昭和であり、なぜだかホッとするような生活感が広がっている。ただ一つ違うのは、サザエさんは明るさがあとに残るが、向田邦子のエッセイを読んだあとに残るのは、うっすらとした人間の悲哀だ。特に本書は殊更悲しい。何故なら「ヒコーキ」というエッセイに、向田邦子の飛行機に対する不安感が綴られているからだ。飛行機事故で亡くなっただけに、リアリティのある悲しさがそこにある。面白いが物悲しい、なんともややこしい読後感になる本。

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2015/10/07

読書録「霊長類ヒト科動物図鑑」3 著者 向田邦子 出版 文藝春秋 p191より引用 “大分前のーーつまり銀座通りに都電が走っ ている頃のことだが、安全地帯に立っていた 人が、単車にはねられるのを見たことがあ る。” 目次から抜粋引用 “豆腐  助け合い運動  新聞紙  小判...

読書録「霊長類ヒト科動物図鑑」3 著者 向田邦子 出版 文藝春秋 p191より引用 “大分前のーーつまり銀座通りに都電が走っ ている頃のことだが、安全地帯に立っていた 人が、単車にはねられるのを見たことがあ る。” 目次から抜粋引用 “豆腐  助け合い運動  新聞紙  小判イタダキ  お手本”  放送作家である著者による、著者が出会っ た人々について記したエッセイ集。  年の瀬のカレンダーの付け替えから交差点 での信号待ちについてまで、物語の登場人物 を語るように書かれています。  上記の引用は、安全について書かれた話で の一節。 どれ程安全とうたっていたとしても、いつ何 が起こるかなんて、誰にもわからないものな のでしょうね。安全や安心などというものは、 本当はどこにもありはしないものかも知れま せん。  テレビ全盛期に数多くのドラマを書かれた 著者だからでしょうか、出会ったあらゆる人 が物語の題材になるくらい、観察されている ようです。  単行本が昭和56年と、かなり昔の出版なの で、年月を感じるところも多数あるので、若 い方にはギャップを感じるところもあるかも しれません。 ーーーーー

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2015/01/15

向田邦子のエッセイ『霊長類ヒト科動物図鑑』完読。 夏頃いただいた本で、一章一章が短いのをいいことに進んだり戻ったり止まったりしながらのんびり読んでました。 初版単行本が昭和56年9月、新装版第1刷が、平成26年7月。 古き良き時代の、回りくどくて理不尽、でも陽気...

向田邦子のエッセイ『霊長類ヒト科動物図鑑』完読。 夏頃いただいた本で、一章一章が短いのをいいことに進んだり戻ったり止まったりしながらのんびり読んでました。 初版単行本が昭和56年9月、新装版第1刷が、平成26年7月。 古き良き時代の、回りくどくて理不尽、でも陽気でのんきな人間模様が見て取れます。

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2014/12/18

向田さんのお父様が亡くなってるのに お父様の好物のこのわたをうっかり珍味屋さんに頼んで 馬鹿だなあって笑った後 泣いたという話が好きです。

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2014/11/29

向田さんの本を読むと、私は私でいいんだなって思える。 人は、どんなにかっこつけても、かっこ悪い。 弱くて、醜い感情をたくさん持ってて、後ろめたさを抱えて生きてる。 向田さんの本は、人のそんな部分をちゃんと書いてくれる。 向田さんの本の中には、かっこつけてない、そのまんまの人間が...

向田さんの本を読むと、私は私でいいんだなって思える。 人は、どんなにかっこつけても、かっこ悪い。 弱くて、醜い感情をたくさん持ってて、後ろめたさを抱えて生きてる。 向田さんの本は、人のそんな部分をちゃんと書いてくれる。 向田さんの本の中には、かっこつけてない、そのまんまの人間がつまってる。 私はかっこつけだ。 ても、どんなに澄まして歩いても、こける。ガムやうんこを踏む。 分かったようなことを言ってみせるけど、心の中は汚い感情でぐちゃぐちゃだ。後ろめたさをたくさん持ってる。 たまにおしゃれをしてみても、歯にゴマがついてることだってある。 かっこつけても、様にならない。 それが、私。 向田さんと同じ、11月生まれの私。 それだけで、私にも何か書けそうな気がしてしまう。 私は、単純すぎる。 嫉妬するほどの観察力と文才を持つ向田さんに、憧れる。 でも、どんなに憧れても妬んでも、私は彼女にはなれない。 悔しいけど。 かっこがつかない私でも、私は私でいいんだよ。

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2014/09/12

向田邦子さんの本は2冊目。 前に読んだ本より向田さんのことを身近に感じることが出来たような気がする。 くすりと笑ってしまう話が多い。 とても可愛い人だという印象。心が和む。 「霊長類ヒト科」というざっくりした分類が素敵だ。 「人間」よりも「霊長類ヒト科」という呼び方の方が同じ種...

向田邦子さんの本は2冊目。 前に読んだ本より向田さんのことを身近に感じることが出来たような気がする。 くすりと笑ってしまう話が多い。 とても可愛い人だという印象。心が和む。 「霊長類ヒト科」というざっくりした分類が素敵だ。 「人間」よりも「霊長類ヒト科」という呼び方の方が同じ種族感が増すような気がする。 「霊長類ヒト科」には得意なことも苦手なこともあるのだ。 善意もあれば悪意もある。計算もある。誠意もある。 飾らず力まず、自然な自分でいられたらどんなにいいだろうと思うような時、誰かを羨ましく思ってしまう時、この本をまた開きたいと思う。 そうすればいろいろと考えて空回ってしまう自分を肯定出来る気がするから。 笑って泣いて、怒って、決してきれいじゃない感情にまみれて生きることを受け入れられる気がする。 「霊長類ヒト科」はそういう生き物なのだろうから。

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2014/09/10

【これぞエッセイ! 達人の筆が冴える傑作ぞろい】すぐれた人間観察を筆にのせ、人々の素顔を捉えて絶賛を博した著者が、最も脂ののりきった時期に遺した傑作揃いのエッセイ集。

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2014/08/17

私がまだ幼かったので生きている向田邦子さんを知りませんが、ご本人の人柄が想像できる、読み甲斐のあるエッセイでした。

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2014/08/13

そういえば昔母が読んでいたなと思って、買った新装版の文庫。古い人間だからと言ってしまったら終いだが、妙に懐かしく、頷ける話ばかり。何十年も前に読むチャンスがあったと思うと惜しかったなという気持ちにも…。

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