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霊長類ヒト科動物図鑑 新装版 の商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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2022/11/25

図書館で借りた本なので、発行所:文藝春秋、昭和57年第11刷。 声を上げて笑いながら読了。観察眼が羨ましいです。でも、どう転んでも向田さんにはなれないか。 今まで、全く向田邦子さんの作品は読んでこなかった。これから全作品を読破します。

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2022/02/16

向田さんと言えば飛行機事故が思い出されるが、このエッセイ集の中でも、「ヒコウキ」というエッセイがあり色々思い返されてしまう。 最終の「1番病」というのの最後に、本当に怖いのは2番の人ではないかとある。1番は、軍旗を持って格好よく飛び出すが、タマに当たって壮烈な戦死を遂げる率が高そ...

向田さんと言えば飛行機事故が思い出されるが、このエッセイ集の中でも、「ヒコウキ」というエッセイがあり色々思い返されてしまう。 最終の「1番病」というのの最後に、本当に怖いのは2番の人ではないかとある。1番は、軍旗を持って格好よく飛び出すが、タマに当たって壮烈な戦死を遂げる率が高そうだ。競輪でも、先頭切る選手は風圧でバテてしまう。最後に笑うのは、二番手につえておいて、土壇場で追い抜く人ではないだろうか。というのが面白い。

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2021/08/24

. 歳月は、思い出の中に、記憶をパッチワークみたいにはめこんでしまうのである。 . « Le temps ajuste la réminiscence dans la mémoire comme un patchwork. » . 向田邦子の『霊長類ヒト科動物図鑑』を読んだ。 そ...

. 歳月は、思い出の中に、記憶をパッチワークみたいにはめこんでしまうのである。 . « Le temps ajuste la réminiscence dans la mémoire comme un patchwork. » . 向田邦子の『霊長類ヒト科動物図鑑』を読んだ。 その前に、柴田元幸さんの本を読んで、翻訳って面白そうと思ったので、『霊長類』のなんでもいいから一文を仏文訳してみた。

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2020/10/18
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向田邦子の本はこれが初めて 事象を観察して、的確な言葉で表現し、 ユーモアと鋭さを兼ね備えた文章に ぐいぐい引き込まれた 「西洋火事」の、“「火事だろ」か「火事じゃねえかな」”のくだりは笑いが止まらなかったし 「少年」の、使用人の少年が、自分が引き受ける現実の理不尽さへの怒りをあらわに木を蹴る描写は、だった1週間の滞在でここまで少年の人生を立体的に捉えてすごいなと思う 面白かった

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2020/08/11

「それを言える人柄、言って似合う個性というものなのだろう。誰でも彼でも出来る芸当ではなさそうである。」(18ページ) 幼少期から今に至るまで、 この作者の人柄と個性を作り上げた数々小さなエピソード。 人は、散りばめられた小さな記憶と思い出の集結で作られる。

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2020/03/23
  • ネタバレ

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再読。エッセイ集。身の回りの些細なことを豊かな表現力で手渡してくれる。向田さんという人間に迫れそうで、でも真ん中の芯は上手に隠されているような、上手さがある。あとがきにもあるけれど、飛行機の描写が出てくると、本当に悲しくなる。

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2023/05/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 20ドルが4000円位の時代に書かれた向田邦子さんのエッセイ52編が収録されています。「霊長類ヒト科動物図鑑」、2014.7発行。①初暦知らぬ月日は美しく(吉屋信子の句)②老眼鏡のゆるんだねじを治すには、もうひとつ老眼鏡がいる ③シンブン、シンブンシ、シンブンガミのそれぞれの役割 ④よその犬猫をひどく可愛がったあとは、出迎えるうちの猫にちょっと済まない気持ちになり、好物の煮干しをいつもよりニ、三匹多くやったりしてしまう。(人生至るところ浮気あり)  向田邦子 著「霊長類ヒト科動物図鑑」、2014.7発行。52のエッセイ集です。私のお気に入りは次の六つです。「助け合い運動」「浮気」「丁半」「知った顔」「味噌カツ」「脱いだ」。  小学生の頃、薙刀を習ったそうです。向田邦子さん。足も速いし泳ぎも達者。目黒高女ではバレー部だったとか。「霊長類ヒト科動物図鑑」、1981.9発行、2014.7文庫新装版。観察力と遊び心に膝を叩きます。52編のエッセイ集。読むたびにお気に入りが変化w。今回は: 寸劇、傷だらけの茄子、浮気、小判イタダキ、なかんずく、う が面白かったです。「箸とらば 天地御代(あめつちみよ)のおん恵み」→今は、「いただきます」ですね!  歳月は思い出の中に、記憶をパッチワークみたいにはめこんでしまう。歳を重ねて、まさにそんな思いを感じています。向田邦子さん、早口で急ぎ足だったそうです。エッセイの語り口はあたたかです。切り口は鋭いですが(^-^)「霊長類ヒト科動物図鑑」、1981.9刊行、2014.7新装文庫。今は五分五分かも知れないが、昔の女は肩をならべる男次第で、女の一生が定まっていた。毎日が小さな博奕。子供を生むも、まさに丁半、男か女か、出来は、いいのか悪いのか。「よろしゅうござんすか。よろしゅうござんすね」

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2018/11/25

〈天声人語〉とか、あの辺りの感じの型、スタイルの文章、エッセイ。特に目的は持たず、ふらふらと興味の対象を探す時に読みたい。その快楽は、「特に計画のない、ふらっと一人旅」のようなものか。

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2016/12/08

向田邦子さんのショートエッセイ集。 敢えて「随筆」と呼びたい雰囲気の、おかしみもありぐっと考えさせられる一面もあり、それでいて軽妙で読みやすい一冊。 普段は口には出さないちょっぴり黒い考えとか、無意識ながら他人を観察していて気づくこと、自分のおかしな失敗談など“ヒト科”の面白味...

向田邦子さんのショートエッセイ集。 敢えて「随筆」と呼びたい雰囲気の、おかしみもありぐっと考えさせられる一面もあり、それでいて軽妙で読みやすい一冊。 普段は口には出さないちょっぴり黒い考えとか、無意識ながら他人を観察していて気づくこと、自分のおかしな失敗談など“ヒト科”の面白味がシニカルに書かれている。 客人が持参してきたお土産らしきものの大きさや箱の様子を見て中を予想してその客人に出す飲み物を選ぶくだりとか、その客人によってお土産を寄越すタイミングが違うと観察しているところとか、口に出すのは憚られることだからこそ読んでいて面白い。 そして印象に残ったのは、向田さんが飛行機嫌いだということを書き残している点。験担ぎではないけれど、飛行機で出掛ける前は家の中を片付けすぎないようにしていたとか。(綺麗にしすぎるとその後死ぬフラグが立つようだから) そんな彼女が最後飛行機事故で亡くなってしまったということにも、無意識の予感みたいなものがあったのかもしれない。 「Aを見に出掛けてなぜかBを見て帰って来てしまう」というたまにあるなぁと思えることとか、「安全ピンや安全カミソリで怪我をすることもある」という“安全”という言葉に対して胡座をかいてしまう人間の甘さだとか。 そんな中「郵便ポストだけは透明にならない方がいい」と考えていた向田さんが、今のネット社会の、SNSやなんかでの人と人のやりとりが誰にでも透けて見えてしまう現象を目にしたらどんな風に感じるのだろう、と考えたりした。 想像力と奥ゆかしさ、人間の少し秘めたる部分は失いたくないと、そういう短い一文を読んではっとさせられた。

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2016/06/24

様々なことが積み重なって、その中から1本通っているという印象を受けました。 とても読みやすいのに、軽すぎず重すぎず、気持ちよく読めます。 「電気どじょう」には原稿が書けない理由がいくつか紹介されており、あまりの面白さに家族中に言いふらしました。

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