仮想通貨革命 の商品レビュー
会社でブロックチェーンについて調査しておいてほしいという依頼を受けて、手に取った本。 社会的な影響についての切り口を主に期待していたが、ブロックチェーンの仕組みについても記載があり、暗号化や電子署名と、思っていた以上に情報が多く、勉強になりました。 ブロックチェーンのテクノロジー...
会社でブロックチェーンについて調査しておいてほしいという依頼を受けて、手に取った本。 社会的な影響についての切り口を主に期待していたが、ブロックチェーンの仕組みについても記載があり、暗号化や電子署名と、思っていた以上に情報が多く、勉強になりました。 ブロックチェーンのテクノロジーそのものについては、Webで検索をするといろいろと出てくるのですが、一冊にまとまったものとして有益でした。 仮想通貨革命という題名ですが、主になっているのは、なぜビットコインなのか?という点とその基盤テクノロジーのブロックチェーンの解説、世界中の金融機関がどう見ているか、社会的影響についてです。 ビットコインについては、「通貨史上の大きな革命であり、全く新しい形の社会を形成する可能性を示した」とまで言っていて、ブロックチェーンという分散的に取引記録を保持することができるテクノロジーを使用し、偽造貨幣や二重取引を排除した正しい取引の記録ができ、改ざんも事実上できない。そして、このブロックチェーンの維持は、ボランティア活動ではなく、報酬を受け取れる仕組みがある点がビットコインの特徴となっていると。 当初、仮想通貨を作ったとして、その運営は主体者や経過時間とともに脆弱になるだろうし、資金としての裏付けとなるものもない(仮想だけに)だろうと思っていたので、主体となる運営者がいないこと、ブロックチェーンの維持によって報酬が得られる仕組み、裏付けとなるアルゴリズムがわかったときは、なるほどなと。 社会的な影響としては、安全性と送金コストの安さが注目されており、現状では現金の送金コストが2~3%となるケースや、固定額で高額になるケースへの適用で、これがほぼタダになる点、デジタルコンテンツの販売での直接収入、等。 eコマースについては、2012年で個人家計消費300兆円のうち、3%程度しかない理由の一つは、カード決済にかかる店舗側コストが原因と分析しているが、この領域も仮想通貨によって、広がるとみている。ビットコインに限定すると、決済までにブロックチェーンの制約から決済まで約10分待つことが課題。 国際送金では、貿易決済通貨としての利用をあげ、信用状決済の手数料、銀行送金の送金手数料、為替スプレッドなどがほぼゼロになるが、現実通貨との変動比率などに課題はある。ここの市場は、全世界貿易量が約1500兆円あり、銀行手数料が4%と考えると60兆円、この一割がビットコインに移行されると銀行の収入は6兆円失われることになる等のインパクトがあると。 ブロックチェーンについては、取引の履歴をまとめてブロックを生成する仕組みとそれらがP2Pで行われるうえで、課題となるビザンチン将軍問題についての解説がある。 当初、ブロックを生成する仕組みがよくわからず、ビザンチン将軍問題?という感じであったが、要は、P2Pに参加している全ノードで同じ処理している(ブロックを作っている)はずの状況で、誰を信じていいのかの確証が得られるようにするため(不正を防ぐための仕組みとして)、ある特定のノードだけがブロックを作れないようにするために、キーとなるナンスを特定するための膨大な計算(ナンス自体はランダムに生成するところから宝くじに似てる)を全部のノードに課すことがこの仕組みの特徴ということがわかった。ナンスがわかったら他のノードに同報して、検算をしてもらい、正しければブロックを確定。 ブロック間はハッシュ値でつないでいくため、改ざんするとブロックがチェーンにならない。ブロック生成の際の計算時にナンスはただ一つとは限らないため複数のナンス値が出た場合ブロックが同時に生成され枝分かれするが、その枝は次やその次のブロックが生成され、長い枝が採用され、短い枝は捨てられる等、理解が進んだ。 ただ、仕組みを理解してみると、本書の中でのビザンチン将軍問題の解決策としてこの仕組み社会問題まで広げて展開するのは大胆な気もする。 ビットコインに続くものとしては、リップルが紹介されているが、これは、ビットコインのP2P特有の不特定多数参加、プルーフオブワークが要らないという点で、既存金融機関になじみそう。コインの代わりにIOU(借用書)を使いながらも、手数料の仕組みとしてリップルズという物も用意されているようだ。 とにかく、本書は、ブロックチェーンが流行りだした今、何度も読み返して、理解が進むとさらに理解が深まる情報が提供されている。2016年も何度か読み返すことになると思う。
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昨年6月に出された本ですが、ビットコインの理論的仕組みから社会的インプリケーションまで(後者に力点が置かれてますが)日本語では最も包括的に議論されているのはではないでしょうか。 ビットコインを仮想通貨と捉えると、経済学では、ハイエクの貨幣自由化論の実現、と位置付けられます。 しかし、野口先生によると、ビットコインが革命的だったは、「プルーフ・オブ・ワーク」による「ブロックチェーン」の改ざん防止のアイデアであり、「ビザンチン将軍問題」が解決され、管理主体の無いPtoPのシステムが可能となったことだそうです。 その適用範囲は膨大で、仮想通貨、海外送金に留まらず、「スマート・コントラクト」(ブロックチェーンを用いた取引を金融資産一般に拡張)、「第三者のいないエスクロー」、「スマート・プロパティ」(耐久消費財や不動産の所有権移転)、DAC(分権化された企業)等が紹介されています。「ビットコインは通貨ではない。プラットフォームだ」(P.180) 経済学者は、IT革命についても当初否定的だった様に(未だに長期停滞論隆盛ですねw)、ビットコインも過小評価しているのではないか、と。野口先生は、「これまでのIT革命と同様の、或はそれ以上の影響を産業構造に与えるだろう。」(P.203)とされ、「最も積極的な対応は、関連事業をベンチャー企業で始めることだ。」(P.200) お金があるなら「関連企業に投資したらよい。」(P.201)と、思いっきり煽られてますw 1年経過の現在、Nasdaqが今年中にブロックチェーンを使った未公開株式市場向けの分散型取引プラットフォームを構築しつつあり、仮想通貨以外への適用が現実化しつつあります。「ビットコイン革命」来るか? http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-07-23/nasdaq-expects-to-be-first-exchange-to-use-bitcoin-technology http://btcnews.jp/nasdaq-enter-in-partnership-with-chaincom/
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・非循環型電子マネーはない ・貨幣は本来価値の交換を証明するもの ・ビットコインは金融をイノベーションする
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ビットコインはもう終わりだ、と思っていたら大間違いであることに気づいた。 僕は1990年代にネット上の電子ワレットのシステムに関わっていたことがあるので、公開暗号キーなどはわかっていたが、管理主体がないP2Pの集合体で信頼できる形お金が管理されていることに驚き。 たしかに、10年したら金融取引が大きく変わっている可能性がある。 超整理学で有名な野口さんだが、本領の経済学で、日本ではあまり注目されていないところを啓蒙した功績は大きい。 僕もこの動きに注目して、自分との関わり(ネットやアプリでのアプリの販売手段)でどう準備すべきか考えていきたい。 メモ:巻末の参照Webサイト紹介と同じ内容: ダイヤモンドオンライン「野口悠紀雄の使える!経済データへの道案内」: http://diamond.jp/list/noguchi_data
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仮想通貨ビットコインに関するお話です。 ビットコインというのはどんな物で、 どんなメリットでメリットが有り、 なぜ今注目されているのかわかりやすく書いた本です。 ビットコインを知るにはおすすめの一冊です。 ビットコインには凄い可能性が秘められていますね。
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情報が少ない中で、怪しげに思われていたビットコインは、マウントゴックス破綻後も、以前と変わりなく使われている。ブロックチェーンに取引を記載し共有するという仕組みの中では不正は起きない。読んでいくと、よくできたシステムであり、これまでの商取引や通貨の概念を根底から覆す力をもっている...
情報が少ない中で、怪しげに思われていたビットコインは、マウントゴックス破綻後も、以前と変わりなく使われている。ブロックチェーンに取引を記載し共有するという仕組みの中では不正は起きない。読んでいくと、よくできたシステムであり、これまでの商取引や通貨の概念を根底から覆す力をもっていることがわかる。
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仮想通貨は、進化したITを使った、より優れた通貨の仕組みであり、利用は拡大していく。マイクロペイメントや国際送金コストの劇的な低下は、社会に革命的な変化をもたらす。 計算機パワーが至る所にあり、そのネットワークが価値を保証する仕組み。時代の必然かも。
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仮想通貨は決済手段としては送金コストがゼロになるなど明らかに優れた価値を持っているがまだまだ問題点だらけ。特に投資先としてビットコインを考えている人は、リスクの面からも向かないというのが筆者の判断です。 セキュリティ面、ビットコインが仮想通貨の主役になるか分からない現状では投資...
仮想通貨は決済手段としては送金コストがゼロになるなど明らかに優れた価値を持っているがまだまだ問題点だらけ。特に投資先としてビットコインを考えている人は、リスクの面からも向かないというのが筆者の判断です。 セキュリティ面、ビットコインが仮想通貨の主役になるか分からない現状では投資先としては却ってリスクが高いと筆者は判断されているようです。 ただ当時の発達した電信網の元で初期の電話が、電信の代わりになるとは思わず玩具にすぎない、インタ-ネットも初期にその価値を認められていなかった過去の事例からも、決済コスト等で圧倒的な優位性を持つ仮想通貨がこれからの世の中の主役となるのは間違いなく、某国の首脳のように一時的なブ-ムとの判断はしない方がよい点は強調されている内容でした。 ビットコインをはじめとした仮想通貨のことが全く分からない人には参考になる内容と思います。
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仮想通貨革命がこれからの社会にどのような変化をもたらすのか考えされた。 ・マウントゴックスの崩壊は、両替所の崩壊であり、ビットコインの崩壊ではない。 ・ビットコインは電子マネーとまったく違う ・ビットコインは税制度の極めて大きな問題を提起する・仮想通貨革命によってIT革命以上の影...
仮想通貨革命がこれからの社会にどのような変化をもたらすのか考えされた。 ・マウントゴックスの崩壊は、両替所の崩壊であり、ビットコインの崩壊ではない。 ・ビットコインは電子マネーとまったく違う ・ビットコインは税制度の極めて大きな問題を提起する・仮想通貨革命によってIT革命以上の影響を産業構造を与えるだろう。 それにしても著書の野口氏は1940年生まれの74歳になるのに発想が実に豊かだなとつぐつぐ思う。
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仮想通貨について学びたいと考えている人。投資を考えている人。この本は絶対に読むべき1冊です!!必読です。
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