史料としての猫絵 の商品レビュー

藤原重雄(著者)

2019/08/27

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB15666000

2017/11/14

国芳の「鼠よけの猫」。
この愛嬌のある一枚の絵から広がる世界。
史料として観ることで、歴史の水脈を辿ることができる。
中国の猫絵。
鼠除けのまじない。
内裏清涼殿の寛政復古。
何故国芳は猫の絵を描いたのか。
綱で繋ぎ止められる愛玩の猫。
放たれる鼠獲りの猫･･･等々。
多くの史料に辿りつける楽しさを教えてくれる。

2014/11/04

この歌川国芳による猫絵が、どういう文脈性をもっていたのかということを明らかにしていく著作。美術鑑賞において、「さかしらな知識はいいから、見て感じろ」というスタンスだけがまかり通っている現状に疑問を呈し、その絵の置かれた歴史的文脈を見ることで、立体的で奥深い解釈を可能にする道を示してくれる。（べつに筆者は「感じろ」式の観賞態度を否定しるわけではないが）、絵だけじゃなくて、いろいろな分野の作品解釈に通じると思った。

2014/09/25

予備知識なしで体験することも一つの方法だけれど、様々な情報の蓄積があっての体験は、得るもの、感じることをさらに深くすることを、国芳の「鼠よけの猫」の絵から説き起こしていく。確かに、初めてこの絵を見た時と、本を読み終えて再び見た時と、感じるものが違っていて、さらにここから、知りたい欲も湧いてくる。