薔薇忌 の商品レビュー
ひとり身って気軽だわねえ。恋をすれば、鳥のようにすいと、翔んで、巣を変えられる。 暗くて重いものが読みたいと思って選んだくせに、読んでいるうちに暗くて重くて嫌になる。ことがたまにある。 何度も読み返す作家さんは、どこか軽やかさのある人たちばかりで、それは薄っぺらいのとは違くて、...
ひとり身って気軽だわねえ。恋をすれば、鳥のようにすいと、翔んで、巣を変えられる。 暗くて重いものが読みたいと思って選んだくせに、読んでいるうちに暗くて重くて嫌になる。ことがたまにある。 何度も読み返す作家さんは、どこか軽やかさのある人たちばかりで、それは薄っぺらいのとは違くて、谷崎のような軽やかさ。 文芸誌に載っていた、風配図で名前を知って一冊読んでみよう、と思ったけど、今の私では良さがあんまり受け取れませんでした。残念。 あと、幻想とかミステリとか銘打っているのに1から100まで説明していいのか?とも思いました。それは作者じゃない人が勝手に書いているので仕方のないことだけれど。読んでみないとわからないですね。それでも新しい本を手にとることで新しい出会いもあるわけで。とりあえずヴィアン全集が気になって仕方ない。
Posted by
日本の舞台・伝統芸能と怪しい幻想譚を絡めた短編集。 意図的にデザインされた作品群の為、ハッとする描写や展開に欠け所々強引さを感じた。 作者にはもう少し捻られた凄惨な作品を期待してしまうが、『桔梗合戦』はウットリする出来栄え。
Posted by
初めて読みました皆川博子さん作品。 舞台で働く人たちの会話をのぞき見しているような感覚になる7話の短編集。 どれも妖しい魅力を放っていて、今の話と昔の話が境目なくスンナリとつながっていって、しまいには現実の話なのか幻想の話なのかわからなくなってくる。 話の内容よりも話相手が気にな...
初めて読みました皆川博子さん作品。 舞台で働く人たちの会話をのぞき見しているような感覚になる7話の短編集。 どれも妖しい魅力を放っていて、今の話と昔の話が境目なくスンナリとつながっていって、しまいには現実の話なのか幻想の話なのかわからなくなってくる。 話の内容よりも話相手が気になる「祷鬼」、生首道具職人が出てくる「紅地獄」、ヒスイとカワセミはどちらも翡翠と書けるらしい「翡翠忌」など、面白話だらけ。
Posted by
どの話も、最後に突き放される哀しさがある。美しく残酷な秘密。決して癒されない哀しさ。 薔薇忌と桔梗合戦が特に好きだった。
Posted by
面白かったです。 きらびやかですがその分影も多い、舞台芸能の世界。暗く、愛憎入り交じる濃密なお話たちでした。 特に「桔梗合戦」「化鳥」が好きでした。 「化鳥」はバンギャ心が疼きます…この気持ち、わかる。。嘗て心酔していた人の凋落を目の当たりにしたら……。 裏方さんに光が当たってい...
面白かったです。 きらびやかですがその分影も多い、舞台芸能の世界。暗く、愛憎入り交じる濃密なお話たちでした。 特に「桔梗合戦」「化鳥」が好きでした。 「化鳥」はバンギャ心が疼きます…この気持ち、わかる。。嘗て心酔していた人の凋落を目の当たりにしたら……。 裏方さんに光が当たっている作品が多いのも面白かったです。こんなお仕事があったのだな。 舞台と幻想。堪能しました。
Posted by
初めて読んだ皆川作品。衝撃を受けたが、著者の他作品を読んでいくうち、かなりライトなほうだと知った。皆川博子入門にいいかも。過激さは抑え目でただただ美しく、幻想的。
Posted by
舞台にまつわる幻想短編集。全編通じて感じるのは、ぞわぞわと這い上がる恐怖といじらしいほどの美しさ。ラストに幻想小説ならではの強烈な結末が待っていたりするのも魂を揺さぶられます。一話ごとにどっぷりつかって、一編読み終わるごとに読み返したりして、読了まで何日もかけてしまいました。好み...
舞台にまつわる幻想短編集。全編通じて感じるのは、ぞわぞわと這い上がる恐怖といじらしいほどの美しさ。ラストに幻想小説ならではの強烈な結末が待っていたりするのも魂を揺さぶられます。一話ごとにどっぷりつかって、一編読み終わるごとに読み返したりして、読了まで何日もかけてしまいました。好みは「紅地獄」。紅の剥げがあんなにエロチックとは!「化粧坂」「化鳥」も後を引きます。自分が自分でないものになる舞台の世界は別の世界と重なっていてもおかしくないのかもしれません。皆川さんの耽美な世界を堪能しました。
Posted by
舞台にまつわる人々の短編エピソード。死人が出てきて普通に会話していることが、舞台という特殊な空間とも相まって、現実離れした世界観の演出にもなっている。 舞台に魅入られて、いつまでもそこに留まり続けている人々の魂を眺めているのは、演劇や映画を観終わった後もしばらくその場から離れたく...
舞台にまつわる人々の短編エピソード。死人が出てきて普通に会話していることが、舞台という特殊な空間とも相まって、現実離れした世界観の演出にもなっている。 舞台に魅入られて、いつまでもそこに留まり続けている人々の魂を眺めているのは、演劇や映画を観終わった後もしばらくその場から離れたくないような感覚に似ていて妙な放心感に包まれる。 いつしか自分も舞台の上で繰り広げられる物語に心を奪われて、そのまま永遠に引き摺り込まれてしまいそうな、そんな恐ろしさを秘めた作品。
Posted by
舞台に秘められた男女の謎-妖しく華やかな幻想ミステリー。 舞台に関わる人々を描いた7つの短編集です。 ん・・・悪くないけど、良さもよくわからず。 服部まゆみ先生の作品が好きで、その帯などでよく目にするので、似ている世界観を期待して読んでみたのですが、似ていなくもないんだけど、...
舞台に秘められた男女の謎-妖しく華やかな幻想ミステリー。 舞台に関わる人々を描いた7つの短編集です。 ん・・・悪くないけど、良さもよくわからず。 服部まゆみ先生の作品が好きで、その帯などでよく目にするので、似ている世界観を期待して読んでみたのですが、似ていなくもないんだけど、ん・・・。よくわからない。 という曖昧な感想になってしまった。 つまらにってこともないのですが・・・どこか煮え切れない感じで、そこが良いのかな? 他の作品も読んでみようかと思います。
Posted by
七つの短編を収録した短編集。共通するのは舞台芸能。生と死の境が曖昧で、読んでいると地に足が着かないような、心許なくもあり、心地好くもある、まさに皆川作品といった感じ。情念を感じるのも好きです。楽しく読みました。
Posted by
- 1
- 2