ええ、政治ですが、それが何か? の商品レビュー
政治学には本当に疎いのだが,べらんめぇ調で楽しく読めた。著者のPTA会長経験を書いた本を注文したのでその予習として積読を手にしたのだが,この人がPTAにどうコミットしたのか読むのが楽しみになった。 政治とは「この世の解釈を巡る選択を,あくまで言葉を通じて不特定多数の他者に示すこ...
政治学には本当に疎いのだが,べらんめぇ調で楽しく読めた。著者のPTA会長経験を書いた本を注文したのでその予習として積読を手にしたのだが,この人がPTAにどうコミットしたのか読むのが楽しみになった。 政治とは「この世の解釈を巡る選択を,あくまで言葉を通じて不特定多数の他者に示すこと」が著者の定義。これは,サイードの「自分の書いたものが社会の中で活字になった瞬間,人は,政治的生活に参加したことになる。したがって,政治的になるのを好まないのなら,文章を書いたり,意見を述べたりしてはならないのである。」と同じことを言っているように思う。我々は既に政治に投げ込まれている。 「どういう理由で人は自分が言うことをきくことを納得するのか」 自治=「支配者=被支配者」 オーウェルの『1984年』から「言葉がないと人間はものを考えることができないのです」 「沈黙の調達」
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講義を再現したかのように平易な語り口で執筆された政治学の入門書。「自分のアタマで考える政治学入門」というサブチタイトルから分かるように、日常生活で使うような言葉を使用しつつ、しかし同時に社会・政治現象をはっきりと把握するために言葉を豊かにすることを目標として掲げ、日常的な言葉遣い...
講義を再現したかのように平易な語り口で執筆された政治学の入門書。「自分のアタマで考える政治学入門」というサブチタイトルから分かるように、日常生活で使うような言葉を使用しつつ、しかし同時に社会・政治現象をはっきりと把握するために言葉を豊かにすることを目標として掲げ、日常的な言葉遣いから政治についてのイメージを膨らませていく。とはいえ、内容自体はかなりオーソドックスな日本の政治学入門である。後半部では政治学や政治思想では有名な事例を用いながら、政治的思考とはどのようなものなのかを具体的に示してくれる。
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・政治とは、「この世の解釈をめぐる選択を、あくまで言葉を通じて不特定複数の他者に示すこと」(34) ・公権力を担う政治家の評価基準(63) -「最終的に人々と公共利益を守るという目的」から逆算して考え、そのためにできることを自分自身の運命など二の次にして決断し、実行し、結果を残すことがどれだけできるか? ・自己肯定と他者への信頼がリアリズムを支える(161) ・言うことのきかせ方-広義の権力:政治とは、決めるための判断の材料である基本認識を、多彩なやり方で「これが現実だということにさせてしまうこと」(205) ・「収まりのいい解釈」:言葉が現実を造形させる(e.g. メタボと恰幅)言葉がないと人間はものを考えることができない(212-3)
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政治の中身と定義を腑分けし、欧米と日本の歴史も遡りつつ、政治を考えるための材料を、率直な言い方で提供してくれる。 右でも左でもなく、まっすぐな視点。逃げない視点。説得力がある。 マキャベリの記述、原発の議論が良かった。
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政治なんか、我々庶民は関係ないし、どうせ選挙へいってもなにも変わらないという人達は、それが現政府の政策に文句は一切ない、無条件で従ういう意思表示をしているわけで、政治に無関心で無視しているようで、最も政治的である。というのは本当に納得。著者が30年前の学生の頃、街角でビラを配って...
政治なんか、我々庶民は関係ないし、どうせ選挙へいってもなにも変わらないという人達は、それが現政府の政策に文句は一切ない、無条件で従ういう意思表示をしているわけで、政治に無関心で無視しているようで、最も政治的である。というのは本当に納得。著者が30年前の学生の頃、街角でビラを配っているときに、「そんなこと(政治的なこと)に、関わるとろくなことないから、勉強しなさい」とご婦人に諭されたというが、まさに政治的なことは、危険で、悪いことになっている日本の世の中が市民を政治から遠ざけ、その空気は今も残ってる。生きているだけで政治的なのに。何にも自分は関係ない、しない。というのが多数の民衆になってしまうと国の暴走を後押し怖いなと切に感じる。
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とかく政治がややこしい。無関係でいるわけにもいかないが、どこから、どう捉えたらいいのかが難しい。 友人のレビューを読み、頭を整理したくて読んでみた。 政治学者の目線で、難しい話でありつつも、わかりやすい語り掛け口調で描かれているので、読みやすい。 また、事例が多いので飽きなかっ...
とかく政治がややこしい。無関係でいるわけにもいかないが、どこから、どう捉えたらいいのかが難しい。 友人のレビューを読み、頭を整理したくて読んでみた。 政治学者の目線で、難しい話でありつつも、わかりやすい語り掛け口調で描かれているので、読みやすい。 また、事例が多いので飽きなかった。 ただ、副題にもある通り、政治なんて「自分の頭で考え」なければ意味がない。判断をするのは、最終的には自分でしかない。 結論から言えば、ともかく一度読んでみて、今後、自分で考える足がかり(ヒント)にするのが良いのではないかと思う。
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政治に対する思い込みや政治とは何であると捉えらているかを複眼的に説明して、政治に対する近寄りがたいイメージを一つ一つ剥いでいく。「政治にかかわるのは特殊な人たちで、普通に生活していれば、そんな偏った人間にはならない。だから政治とは距離を置く」という立ち位置に一石を投じ、もっと肩の力を抜いて普段の生活の延長線上で自分にできる政治を引き受けようと説いている。政治と自分の生活は地続きであることを簡明な文章で説明している良書。 政治とは、「値観に基づいて現実を解釈し世界はこうあるべきだという気持ちを根拠に言葉を発すること」というのは分かりやすい。
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政治において「カネにものを言わせる」ことがよろしくない最大の理由は、「カネにものを言わせる」ことで、「ヒトに」ものを言わせる契機、動機、技能、技法、期待、希望、慎重さ、勇気、責任、自由を失わせてしまうからです。(p.76 l.1) 巷間溢れる「政治とカネ」というテンプレート(思...
政治において「カネにものを言わせる」ことがよろしくない最大の理由は、「カネにものを言わせる」ことで、「ヒトに」ものを言わせる契機、動機、技能、技法、期待、希望、慎重さ、勇気、責任、自由を失わせてしまうからです。(p.76 l.1) 巷間溢れる「政治とカネ」というテンプレート(思考停止)への違和感に対する処方箋。
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深い知識と見識を持った政治学者が、政治を面倒くさいと考えずに、きちんと取り組んでみようと平易に解説する本。 なのだと思うが、どうも私には読みにくい。 書いてあることは、理解できるのだが、どうも読み進めたくならないのはなぜ?
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