サヴァイヴ の商品レビュー
p26 大丈夫でないものは脱落していくだけで、残れた人間だけが勝利に手を伸ばすことができるのだ。 p28 彼はもう走れない。だから、走れるぼくが恐怖に駆られているわけにはいかないのだ。 p100 選ばれたからこそ、妬み設ける。だが、選ばれなかったもののつらさはそんなものではな...
p26 大丈夫でないものは脱落していくだけで、残れた人間だけが勝利に手を伸ばすことができるのだ。 p28 彼はもう走れない。だから、走れるぼくが恐怖に駆られているわけにはいかないのだ。 p100 選ばれたからこそ、妬み設ける。だが、選ばれなかったもののつらさはそんなものではない。 p152 「おまえにはわかるのか?一生ゴールを目指さずに走り続ける選手の気持ちが」 石尾ははっとした顔になった。
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私は、好き。 これまで読んだシリーズの中で一番好きな「サクリファイス」に出てきた石尾さんの若かりし時代が知れたことが嬉しい。 赤城さんとの知られざる友情、石尾さんがエースとしての自覚に目覚めた瞬間は、サクリファイスファンとしては嬉しかった。
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興奮度No.1自転車小説『サクリファイス』シリーズで明かされなかった、彼らの過去と未来――。感涙必至のストーリー全6編。 団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に...
興奮度No.1自転車小説『サクリファイス』シリーズで明かされなかった、彼らの過去と未来――。感涙必至のストーリー全6編。 団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。
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こちらの作品は、サクリファイスシリーズの一つになる。 このシリーズ、順番に書くと、次のようになる。 ・サクリファイス ・エデン ・サヴァイヴ ・キアズマ ・スティグマータ 今回読んだ、『サヴァイヴ』には、全6編が収められている。 それは、次の6つ。 ・老ビプネンの腹の中 ...
こちらの作品は、サクリファイスシリーズの一つになる。 このシリーズ、順番に書くと、次のようになる。 ・サクリファイス ・エデン ・サヴァイヴ ・キアズマ ・スティグマータ 今回読んだ、『サヴァイヴ』には、全6編が収められている。 それは、次の6つ。 ・老ビプネンの腹の中 ・スピードの果て ・プロトンの中の孤独 ・レミング ・ゴールよりももっと遠く ・トウラーダ 98ページまで読んで、終了。
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サクリファイスとエデンの番外編という位置付けの本で短編集。このシリーズの続き書いてくれないだろうか…
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「サクリファイス」シリーズ第3部。 タイトルはサヴァイヴ(生き残る)。 本作は「サクリファイス」シリーズの主人公である白石誓が主人公の物語ではなく、ロードレースの選手として白石の近くにいた選手たちの視点で描かれた6編の短編集。 「サクリファイス」から始まり、「エデン」、「スティグマータ」へと繋がるロードレースを舞台にした白石の物語にどハマりした私には、斬新な視点の物語であったが、やはりどこか物足りなさを感じてしまった。 本作では白石以外の多くの違った個性を持つ主人公が登場するが、近藤先生の心理描写には驚かされる。 それぞれの心理を描ききるのみならず、自転車の上で感じる風や音、雨の描写等といった自然の描き方の旨さにも毎度のことながら感心させられる。 夢を追う男とそこに集うライバルや友の存在。 そして自然の素晴らしさを改めて感じさせてくれる一冊でした。 説明 内容紹介 団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。 内容(「BOOK」データベースより) 団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは―(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全六編。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 近藤/史恵 1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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サヴァイヴ、即ち「生存」。今回は白石誓、伊庭、石尾が命と人生を賭けてロードレースに臨んだ内容だった。時速70キロで一気に駆け降りる下り、まさしく命懸けで、何人も怪我をし死亡している。これを恐怖と思った瞬間、真のロードレーサーではなくなる。この恐怖への回避がロードレーサーに付きまとうドラッグになるが、日本人の真面目な大和魂は本当に嬉しいし、誇りに思う。ロードレースはチーム戦であり、サポート役に徹することでサヴァイヴする者もいるが、そこで生じる葛藤や妬みをチーム内で消化しなくてはならない。本当に奥が深い。
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シリーズ三作目。 相変わらず、選手の倫理描写は巧みだ。 数十キロの速度でかっ飛ばし、落車すれば命を落とすこともある自転車レース。 団体競技でありながら、レコードに残るのはエースの一人のみ名前。その他のアシストはエースを勝たせるために、ひたすらに支え続ける。 秀逸な作品ではあ...
シリーズ三作目。 相変わらず、選手の倫理描写は巧みだ。 数十キロの速度でかっ飛ばし、落車すれば命を落とすこともある自転車レース。 団体競技でありながら、レコードに残るのはエースの一人のみ名前。その他のアシストはエースを勝たせるために、ひたすらに支え続ける。 秀逸な作品ではあると思うものの、多少マンネリ化してきた感は否めない。 やはり、シリーズものにするのは楽な芸当ではないな。スポーツネタでシリーズ物って、そういや、あんまり読んだことないな。
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ロードレースの短編集。サクリファイスシリーズの登場人物のエピソードが描かれています。相変わらず面白いです。ロードバイクが欲しくなります。
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「老ビプネンの腹の中」 白石を取材する傲慢な日本人ライターの描写が秀逸。ハリー・ポッターシリーズのリータ・スキーターを思い出すほどでした(笑) ラストが爽快で素晴らしい。パリ・ルーベ、見てみよう。 「スピードの果て」 煽り運転ダメ、ゼッタイ。 「プロトンの中の孤独」 『俺をツ...
「老ビプネンの腹の中」 白石を取材する傲慢な日本人ライターの描写が秀逸。ハリー・ポッターシリーズのリータ・スキーターを思い出すほどでした(笑) ラストが爽快で素晴らしい。パリ・ルーベ、見てみよう。 「スピードの果て」 煽り運転ダメ、ゼッタイ。 「プロトンの中の孤独」 『俺をツール・ド・フランスに連れてけ』 この言葉の布石具合と言ったら、もう。。 弱ペダの浦久保と庭妻のエピソードはこの話の換骨奪胎だと思っても良いのかも。 「レミング」 石尾と赤城のコンビの魅力が凄いです。 「ゴールよりももっと遠く」 魅力がさらに凄いです。 一人レースに同行した記者の抱く葛藤(八百長による繫栄か衰退か)を想像するとたまらんものがありますが、そこを快刀乱麻に断つ石尾さん凄い。 「トウラーダ」 一読したとき、え、こんなダウナーな話で締めるの?この前の「ゴールよりももっと遠く」で締めておけば気持ち良く終われて良かったんじゃないの?と思ったが、銛だらけになった血まみれの牛と己を重ね合わせるアスリートたちの生半可では無い、宿命というかサガのようなものを眼前に突き出さされたようで、やはりこの話がラストで良かったと思いなおしたのでした。 結論:傑作!
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