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生命誕生 の商品レビュー

4.3

18件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/03/20

メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1770275061179760743?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

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2022/06/30

「なぜ、生命が発生して、生物には進化という現象があるのか?」この問いに対して、誰もが納得するような解答を示した人は未だかつて存在しません。それは、「生命は自然に発生して、生物は進化するもの」と私たちは、ハナから思い込んでいるからです。 「生命の起源や進化に関する”なぜ?”には、...

「なぜ、生命が発生して、生物には進化という現象があるのか?」この問いに対して、誰もが納得するような解答を示した人は未だかつて存在しません。それは、「生命は自然に発生して、生物は進化するもの」と私たちは、ハナから思い込んでいるからです。 「生命の起源や進化に関する”なぜ?”には、生物学、物理学、化学など個々の専門分野の常識では答えられない謎がある」と著者は言います。さて、この「生命の起源」について科学的な説明を試みた一人にアレキサンドル・I・オパーリンというソビエト連邦の生化学者がいます。彼が著した「生命の起源」は、有機化学の知識や成果を用いて「生命の起源」を探り、それまでの生命観を一新するモデルを作り上げました。 生命は、アミノ酸などの有機分子を含む太古の海で発生したという想定のもと、化学者たちは、タンパク質や核酸が、どのような化学反応を経て、非生物的に合成されたか、水溶液中の化学合成の研究を繰り返してきました。しかし、彼らの研究には生命が進化すること、つまり、「環境の変化と自然選択」という進化論の基本的な視点が抜け落ちていたのです。

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2021/05/01

はぁ、やっと読み終わった。生命が誕生するまでの流れを地球で起きたイベントとリンクさせて解き明かそうとする著者の考えを書いてますが、とにかく読みにくい。一番最後に全体をまとめた章があって、それで繋がりましたが、それまで各論が続くので……。 あと、現在主流の理論とは違う新説だというこ...

はぁ、やっと読み終わった。生命が誕生するまでの流れを地球で起きたイベントとリンクさせて解き明かそうとする著者の考えを書いてますが、とにかく読みにくい。一番最後に全体をまとめた章があって、それで繋がりましたが、それまで各論が続くので……。 あと、現在主流の理論とは違う新説だということを強調したいのか、主流説に対する攻撃が多すぎて。皮肉っぽい言い方の箇所もあるのがどうにも好きになれません。 また、新説とは言っても今は著者のような考えのほうが主流と思うので、そこまで20世紀の説を攻撃しなくてもと思いましたです。

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2020/09/21

著者の主張する第二章(エントロピーと進化の関係の話)が全く受け入れられず、全体的に斜に構えた姿勢で読み込んだ。第二章のツッコミどころが多くてどうする? 本当は化学進化における様々な説を知りたくて最初にこの本を手にしたのだが、この本では自説以外の説はほぼ否定する始末。特に後半は持論...

著者の主張する第二章(エントロピーと進化の関係の話)が全く受け入れられず、全体的に斜に構えた姿勢で読み込んだ。第二章のツッコミどころが多くてどうする? 本当は化学進化における様々な説を知りたくて最初にこの本を手にしたのだが、この本では自説以外の説はほぼ否定する始末。特に後半は持論に沿った仮説の話でお粗末。説を裏付ける物的証拠に触れないまま理屈一辺倒であるため、途中から辟易。 化学進化についていろいろ知りたかったものの、著者の自説に感化されそうになり、中立的な判断ができなくなりそうだ。 内容的に★2つぐらいが妥当であるが、参考文献など含め丁寧に書いている箇所もあるので、おまけで★3つ。

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2020/02/02

約46億年前に誕生した地球において、どのように生命が誕生したかについて考察した本でした。 本書では、一般的には最初の有機物、及び生命は海底の熱水噴出口の付近で誕生したと考えられていますが、それとは異なり、地理学的な視点からの新たな視点から考察されていました。 約40億〜38億...

約46億年前に誕生した地球において、どのように生命が誕生したかについて考察した本でした。 本書では、一般的には最初の有機物、及び生命は海底の熱水噴出口の付近で誕生したと考えられていますが、それとは異なり、地理学的な視点からの新たな視点から考察されていました。 約40億〜38億年前の激しい隕石の衝突である後期重爆撃によって、水が超臨海水から超高温の気体となり、衝撃後蒸気流が発生した。この中で水が水素イオン、酸化物イオンに分解され、酸化物イオンは金属を酸化して吸収されるので、水素イオン過剰の状態となり、大気が還元大気となった。その結果、窒素が還元されアンモニアとなり、海洋中に炭酸水素イオンとアンモニウムイオンが安定して存在するようになり、アミノ酸が生成されたという説が提唱されており、理論的には納得するものでした。 また、その後の生命の発生については、地中の粘土鉱物の中で起こったと考える、地理学的な新しい発想の説であり興味深いものでした。 様々な実験データも記載されており、信頼性のある本であると感じました。

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2016/09/24

宇宙の誕生、太陽系の誕生、地球の誕生、生命の誕生。なぜ、こんな世界が存在しているのかは永遠の謎。生命の誕生と進化は、地球内部の熱の放出に伴うエントロピーの低下という物理の一般法則による必然である、という発想に納得してしまう。いろんな説があるが、確率的に信憑性が高そう。

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2016/06/18

気軽に読み始めたら未知の世界過ぎて面食らった。自分は化学に弱いことを痛感させられたが、非常に興味深い読物だった。特にホモキラルだのラセミだののあたり、物理界の対称性の話題はお馴染みだが、化学にも左右の概念があったとは。ぜひ覚えておきたい。 まず、筆者は「生命は海で生まれた」とい...

気軽に読み始めたら未知の世界過ぎて面食らった。自分は化学に弱いことを痛感させられたが、非常に興味深い読物だった。特にホモキラルだのラセミだののあたり、物理界の対称性の話題はお馴染みだが、化学にも左右の概念があったとは。ぜひ覚えておきたい。 まず、筆者は「生命は海で生まれた」という常識を徹底的に否定する。理由の一つとして、水中では加水分解が進むためむしろ分子進化には適さないことが上げられる。 筆者の説は独自のもので、広く受け入れられた学説とは言い難いようだ。まだまだ推論を重ねただけという部分もある一方、一部は非常に説得力を感じる。 ●「生物はエントロピー増大化法則に反している」 よもやこのパラドックスを説明する論説があったとは。曰く、地球はその誕生以後熱を放出し続けている→全体としてのエントロピーは増大している→地球自体は冷える→地球のエントロピー低下→地球内は秩序化する。つまり地球規模で考えれば生物とは、地球誕生時の軽元素が秩序化した結果である、と。 もっともこれは「そう考えれば説明できる」というだけで、証明されているわけではないし証明できる事柄でもないだろう。どちらかというと概念的な問題に思える。 ●初期の生命は細胞内共生による進化があったため、親から子への遺伝子を辿るだけでは、「最初の生命」には辿り着けない。 ●”有機分子ビッグ・バン説” 前提:”還元的”環境であればアミノ酸など生物有機分子は発生しやすいが、原始大気は”酸化的”だった。 筆者説:隕石の後期重爆撃によって生じた蒸気流は一時的に”還元的”になる。この瞬間に生物有機分子が大量生成された。 ●生物有機分子の地下深部進化仮説 高分子化は海洋堆積物の地下深部での続成作用による。 ●プレートテクトニクスの結果、生命誕生。 ”膜で囲まれた小胞”つまり「個体」の成立→”小胞融合”つまりエントロピー「代謝」→分裂による自己複製つまり「遺伝」 これで「個体」「代謝」「遺伝」という生物条件を満たした、すなわち「生命誕生」である。

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2015/08/09

大変意欲的な作品で、生命誕生だけにとどまらず、そもそも生命誕生の歴史とは地球誕生の歴史であることを痛感させられた。 「生命体はエントロピー平均化の法則に反している?」という謎、「ユーリ・ミラーの実験はほんとうに正しいのか?」という謎、「海が生命誕生の基ではなく、地球内部の圧力と...

大変意欲的な作品で、生命誕生だけにとどまらず、そもそも生命誕生の歴史とは地球誕生の歴史であることを痛感させられた。 「生命体はエントロピー平均化の法則に反している?」という謎、「ユーリ・ミラーの実験はほんとうに正しいのか?」という謎、「海が生命誕生の基ではなく、地球内部の圧力と熱による?」など、その仮説だけではなく実験によっても実証している。 無機物質しかなかった原始地球において、高度な「有機物質結合体である我々がどのように生まれたのか?翌々考えてみると、窒素や酸素、水素、炭素をただ並べても何も起きないのに、高度に組成すると生命体になるのだ。これは地球の大きな営みが隠されている。 骨太で大変読み応えがあるが、多少は化学の前提知識は必要であろうとは思う。 とてもおすすめな本だ。

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2015/05/04

我々が地球の子であることが証明されている。有機分子のビッグバンが起こったことにより、地球で生命が誕生したと説明している。 有機分子のビングバンとは概ね次のようなことらしい。 40〜38億年前に隕石の海洋衝突による”還元的”な衝撃後蒸発気流の中でアンモニアが大量に生成される。そし...

我々が地球の子であることが証明されている。有機分子のビッグバンが起こったことにより、地球で生命が誕生したと説明している。 有機分子のビングバンとは概ね次のようなことらしい。 40〜38億年前に隕石の海洋衝突による”還元的”な衝撃後蒸発気流の中でアンモニアが大量に生成される。そして、”後期重爆撃”の時代には、一度隕石が衝突した付近の海域に再び隕石が衝突し、アンモニアやカルボン酸、あるいは炭酸水素アンモニウム、アミンやアミノ酸などが原料となってより複雑な有機分子が生成された。 また、熱力学第二法則に基づき、「生命の発生と生物進化は、地球のエントロピーの減少に応じた、地球軽元素の秩序化(組織化・複雑化)である」としてる視点も面白い。

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2016/01/24

「生命誕生」という大テーマに挑んだ野心的な書籍。新書形式だが、その内容はかなり重厚である。 生命の誕生から、その進化の探求については、近年ではニック・レーンの2009年の著作『生命の跳躍 - 進化の10大発明』という非常に野心的な良書がある。著者もレーンも、生命の誕生のもとにな...

「生命誕生」という大テーマに挑んだ野心的な書籍。新書形式だが、その内容はかなり重厚である。 生命の誕生から、その進化の探求については、近年ではニック・レーンの2009年の著作『生命の跳躍 - 進化の10大発明』という非常に野心的な良書がある。著者もレーンも、生命の誕生のもとになる有機分子の発生メカニズムについて、雷による化学反応で有機分子が生まれるという有名なミラーの実験を否定している。レーンは、前掲書にて海底での熱水噴出孔説を採ったが、著者は「隕石衝突よる有機分子のビッグバン」および「分子進化の自然選択説」という独自の仮説を採る(熱水噴出孔説を著者は明確に否定している)。著者の説は、約40億年前に、隕石の大量の衝突があり、それが有機分子の大量の生成につながったというものだ。著者は実際に隕石衝突を模擬した実験で、アミノ酸の部品に相当する有機分子が多量にできることを示している。 また、有機分子から生命への進化についても、他の学説とは異なる「生命の地下発生説」を採るのも特徴的だ。 「「生命はどこで誕生したのか?」との御質問が、生命機能を開始した最後の段階を指すとすれば、答えは「海底の地下の、熱水の通る厚い堆積層の中」だと言えます。それら“原始生命体"は、遅くとも34億年前には地下の厚い堆積層の中に「地下生物圏」を造って、次に海洋に出て適応放散する機会を待っていたでしょう」 というのが著者の答えだ。この説を受け入れることで「「生物有機分子がなぜ水溶性で粘土鉱物親和的か?」の謎は、歴史的事実の逆で、「水溶性で粘土鉱物親和的な有機分子だけがサバイバルして生命の素になり得た」」と言うことができるとする。自分はそれが謎であることも知らなかったが、そう言われるとそんな気がする。とにかく著者がそう信じていることによる力強さを感じる。 著者の学説が魅力的に思えるのは、生物の発生と進化を、熱力学と自然選択という基本原則によって説明を試みている点にある。著者によると「分子も生物も、そして固体地球も、すべからく進化は熱力学第二法則に従った現象だ」と言う。そして「進化の物理的必然性はエントロピーの減少をともなう地球の熱放出であり、分子進化の諸反応を整理する"軸"は全地球史だ」と言う。著者の説が正解かどうかは自分には判断する知識はない。著者本人もまだまだ未知領域が拡がっている、と認識している。ただ、生物誕生の必然性を提供してくれる魅力的なフレームワークであると思う。有機分子の発生に隕石の衝突が出てきて、代謝機能やRNA/DNAの出現に際してプレートテクトニクスが出てくるその説は非常にダイナミックだ。 著者は当初、生命の起源というテーマに当たって「ミラーの実験、リボザイム、RNAワールド、タンパク質ワールド、古細菌、生物三界説、セントラル・ドグマ・・・・・・などなどなど、生命の起源をめぐる膨大な知識に溺れていて、研究の手掛かりがつかめなかった」と言っている。そこから思考を巡らせて辿りついたのが、本書で何度か登場する「地球軽元素進化系統樹」である。この図の理解がこの本の理解のポイントではあるだろう(小さくてよく読めないのだけれど...)。 著者の仮説がこの後、主流のパラダイムになるのかどうか、はっきりいうとわからない。あと何年かした後に、その検証とアップデートをぜひお願いしたい。そもそも今でもどのように学会で扱われて評価されているのかもわからないのだが。

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