銀座Hanako物語 の商品レビュー
青鞜の平塚らいてうの宣言「元始、女性は太陽であった」に負けないくらい時代を変えたのがHanakoのキャッチコピー「キャリアとケッコンだけじゃ、いや」だと思ってきました。80年代の終わりから90年代にかけて東京リージョナルの女性の消費の欲望の蓋を開け、酒と薔薇の日々ならぬバッグとス...
青鞜の平塚らいてうの宣言「元始、女性は太陽であった」に負けないくらい時代を変えたのがHanakoのキャッチコピー「キャリアとケッコンだけじゃ、いや」だと思ってきました。80年代の終わりから90年代にかけて東京リージョナルの女性の消費の欲望の蓋を開け、酒と薔薇の日々ならぬバッグとスイーツの日々(バブル)をもたらし、さらにはブランド旗艦店が立ち並んでいる今に至る銀座のランドスケープを変えた雑誌を舞台に自分の欲望に徹底的に忠実な女神たちが仕事しまくる(そして買いまくり食べまくる)物語。「働き方改革」なんてことが大テーマになるなんて想像もしてなかった時代があって、消費そのものがクリエイティブと無邪気に信じることができた時代があって、それは東京と地方を徹底的に分断させる時代であって、そして日本は国内総需要がうんともすんとも動かない国になったのでありました。「わがまま」が否定じゃなくて肯定のニュアンスを持ち始めたあの頃の感じ、思い出すなあ…
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『Hanako』!懐かしい!!今は手に取ることもなくなったけれど、かつては本当にお世話になったもんだった。有楽町の飲み屋で、様子が分からなければ若いOLには入りづらそうなお店なんだけどHanakoで紹介されてたからと行ってみたら、お店の人に「最近はあなたのようなお客さんが増えた」...
『Hanako』!懐かしい!!今は手に取ることもなくなったけれど、かつては本当にお世話になったもんだった。有楽町の飲み屋で、様子が分からなければ若いOLには入りづらそうなお店なんだけどHanakoで紹介されてたからと行ってみたら、お店の人に「最近はあなたのようなお客さんが増えた」と言われたっけ。あと掲載された広告で一番驚いたのはドバイ観光局で、私は仕事がこの辺りと関係があったのでよく聞く地名だったけれど、当時は「ドバイ?それどこ?」って人が多かった。ドバイから帰ってきたら、成田の税関で「ドバイ?まさか観光で行ってたんじゃないでしょうね?」と言われたもんだった(そのまさかの観光だよ!)。そのドバイが観光局?しかもHanakoに?と驚いたんだけど、今や・・・だもんね。いやはや。巻末に主要目次が掲載されているけれど、せっかくだから表紙とか中身とかカラー図版があったら良かったのにな。
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「雑誌が時代を作る」というのは、もはやほとんど望むべくもない。 ただし過去にはそういう雑誌がいくつか存在していて、『Hanako』は間違いなくその1つであっただろう。 1988年創刊、高級ブランドやレストランの特集を中心にバブルの盛り上がりに一役も二役も買ったであろうこの雑誌の、...
「雑誌が時代を作る」というのは、もはやほとんど望むべくもない。 ただし過去にはそういう雑誌がいくつか存在していて、『Hanako』は間違いなくその1つであっただろう。 1988年創刊、高級ブランドやレストランの特集を中心にバブルの盛り上がりに一役も二役も買ったであろうこの雑誌の、創刊時の編集長が当時を振り返る一冊である。 自分が入社して某誌編集部に所属してから先輩にさんざん聞かされた「バブル期の雑誌の作り方」が、ここには詰まっている。とにかく、お金の使い方が今から考えれば尋常じゃない! そして、編集部内もブランドの広報も(途中から「プレス」に呼び名が変わっていくのもHanakoの功績だろう)、女性が元気すぎる! 88年~93年ごろの東京がいきいきと綴られている、資料集のようでもある。 最後に、僕の18歳の誕生日(90・4・12)に発売された号の「いかにもHanako」な特集見出しを引用しておく。 『イタリアンデザートの新しい女王、ティラミスの緊急大情報――いま、都会的な女性は、おいしいティラミスを食べさせる店すべてを知らなければならない』
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同時代にハナコを読んでいないため、文化史のような意味合いで面白かったです。編集部はリゲインの24時間戦えますかCMのような毎日です。ちょっと前に三省堂の辞書の本を読んだので、同じ編集の仕事でも、所変われば登場人物のキャラクタが異なりますが、仕事に対する熱し方は同じに思いました。今...
同時代にハナコを読んでいないため、文化史のような意味合いで面白かったです。編集部はリゲインの24時間戦えますかCMのような毎日です。ちょっと前に三省堂の辞書の本を読んだので、同じ編集の仕事でも、所変われば登場人物のキャラクタが異なりますが、仕事に対する熱し方は同じに思いました。今や広報は雑誌以上に、WEBサイトや口コミの登場回数に影響を受けているように思われ、購入する方法も店頭に加えネット利用の手段が加わりましたが、当時の雑誌掲載の影響力と、百貨店等の対面販売の売り上げはこうも密接に関係しあっていたのかと驚くばかりでした。自分の稼ぎの分は、銀座でお買い物して、良い食事をして、さらに旅行してそこでも買い物して、消費したいよねという空気を濃厚に感じました。
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私の青春と共に過ごした雑誌ハナコ。 バブル期だからできた事と、読者層が時代と共に替わるので、その辺のギャップをどう対応しているか?気になるところだが、それは現編集長の力量で、著者はいい時代の編集長。 ちょっとウチ(ハナコ)が一番に目をつけた的な自慢が鼻につくか。 14/05/...
私の青春と共に過ごした雑誌ハナコ。 バブル期だからできた事と、読者層が時代と共に替わるので、その辺のギャップをどう対応しているか?気になるところだが、それは現編集長の力量で、著者はいい時代の編集長。 ちょっとウチ(ハナコ)が一番に目をつけた的な自慢が鼻につくか。 14/05/03-23
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「キャリアとケッコンだけじゃ、いや。」このコピーは現代ではどう解釈されるんだろう?バブル時代の単なる自慢話にも取れるし、こんな事書いて大丈夫か?という暴露話も多くてバブル時代を揶揄しているようにも取れる。 こうして1冊の本で振り返ると、均等法とバブルで女が持ち上げられた異常な時代...
「キャリアとケッコンだけじゃ、いや。」このコピーは現代ではどう解釈されるんだろう?バブル時代の単なる自慢話にも取れるし、こんな事書いて大丈夫か?という暴露話も多くてバブル時代を揶揄しているようにも取れる。 こうして1冊の本で振り返ると、均等法とバブルで女が持ち上げられた異常な時代だっただけというのは、その時代に生きた人にはわかるはずもなく、後になってわかる事であり、その点ではバブル時代の消費文化の歴史の本としても読める。 著者が自分を3人称で語るという形式にはちょっと違和感があり、最後まで慣れなかった。三島由紀夫がブランド好きだったというのがちょっとイガイ。
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