キス・キス 新訳版 の商品レビュー
とってもとっても意地悪な話ばかりの短篇集。夫婦物がまたシビアで特に「ウィリアムとメアリー」「天国への道」がうわぁと思わず声が出そうになる。「牧師の愉しみ」「ミセス・ビクスビーと大佐のコート」はちょっと痛快。「ジョージー・ポージー」や「豚」のように弱さを克服出来ない者や無知な者にも...
とってもとっても意地悪な話ばかりの短篇集。夫婦物がまたシビアで特に「ウィリアムとメアリー」「天国への道」がうわぁと思わず声が出そうになる。「牧師の愉しみ」「ミセス・ビクスビーと大佐のコート」はちょっと痛快。「ジョージー・ポージー」や「豚」のように弱さを克服出来ない者や無知な者にもシビアで独特の世界であった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと読みたいと思ってたロアルド・ダール。 本当は『あなたに似た人』を読みたいと思ってたんだけど、本屋でちょうど発売したてだったのか平積みされてて、その帯に『喪黒福造ものけぞるような妖しい魅力』と書かれてたのが目に入ってすぐさま購入してしまった。 別に喪黒福造が好きなわけではないんだけど、あぁいう話は好きなので。 結果ブラックユーモアがきいててとても面白かった。 最後にゾッとする感じ。 『ロイヤルゼリー』みたいに現代に読むと違和感を感じてしまうところはあるにしても、文章の巧さでそれをあまり気にさせない。 『ウィリアムとメアリー』『天国への道』を妻の方に思いっきり感情移入しながら読んだら最後がスカッとして面白かったんだけど、夫の立場で読んでみるとすんごい厭だし恐ろしい。 『ジョージー・ポージー』『豚』は途中まではふんふんと何気なく読みながらもなんだか嫌な予感…と思ってると最後ゾッとする。 最初読んだ時は「えっ?」となっただけだったが思い返してみると怖い。 『始まりと大惨事』も途中までは両親が可愛そうだなくらいなんだけど、生まれた子が誰かがわかると…。 確かに解説にあったようにこれはイヤミスだなぁ。 もっとダールの作品が読みたくなった。
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