キス・キス 新訳版 の商品レビュー

ロアルド・ダール(著者),田口俊樹(訳者)

2017/04/24

英国が誇る、ブラックなショートショートがお得意のダールの短編集。読んでいて気付いたが、彼の作品は夫婦が出てくることが非常に多い。且つ、どちらかがどちらかを出し抜こうとするor男女の考え方の違いに焦点を当てることが多いので、表題が「キス・キス」というのと皮肉が効いていて良い。

可愛らしいタイトルと、ピンクがベース、黒一色でポップな自体と、同じく黒一色で収録話の関連イラストがシックな絵柄で散りばめられており、思わず手に取ってしまう表紙が個人的にはかなり好き。

「天国への道」
「ロイヤルゼリー」
が後味の悪さも含めて強烈。
でも読んじゃう、悔しい。

2016/10/23

異色作家短編集で何十年も前に読んで、今度は田口俊樹の新訳で読む。クスと笑うブラックユーモアでなく結構刺激的な作品は魅力的

2021/01/20

こんなガーリーな表紙で人をだまして、ダールのイヤな気持ちになる世界へと引きずり込もうというのか。いいね！
すべての物語に小噺っぽいオチがついた短編集。
「本っておもしろい！」と思わせてくれるという意味では、読書の入り口になり得る一冊といえるが、その後の方向性はゆがむと思う。
それもアリだ。

2015/05/08

『狂信的な養蜂家、浮気を隠蔽する妻、骨董品をだまし取ろうとする偽神父などなど、一癖ある登場人物に訪れる皮肉で残酷な結末！　ブラックユーモアたっぷりで贈る、傑作短編集』

ロアルド・ダールと言えば代表作の「チョコレート工場の秘密」の他、「マチルダは小さな大天才」や「おばけ桃の冒険」など、映画の原作にもなった名作を多数生み出した、いわば児童文学の巨匠とも言える存在です。彼の描く作品は、勇気と知恵を持った子供たちが生き生きと描かれており、頭の固い大人たちへの痛烈な皮肉が魅力でした。
本書はその皮肉を全面に出した、"黒"ダールを存分に味わえる作品集です。ゾッとする悲劇や、ニヤニヤ笑える喜劇など、児童文学では味わえなかったブラックな笑いがてんこ盛りです。

2015/04/04

阿刀田高のミステリーのおきて102条で読んで、手にとってみた。
どの短編も読後感はややドロっと読者の胸の内を濁らせるものがある。
個人的には「豚」が衝撃的だった。

2014/12/01

どれもこれも最後の最後でマジか！と笑ながら驚くみたいな結末の短編集。中でも大佐のコートが最高。大人の短編。「あなたに似た人」も読む。程よくブラックなコント。

2014/08/23

新訳版が出たというので、ずいぶん久しぶりにダールを。やはり不思議な品がある。バッドエンドのものが多いのに、どういうわけかいやーな気持ちにならない。とくにこれがいい！というのではなくて、全編に漂う雰囲気を楽しみました。

2014/07/16

いわゆる「奇妙な味」の名手として必ず名が挙がる、ロアルド・ダールの短編集。全11編を収録。
ダールの短編集として最も有名な「あなたに似た人」収録作よりやや毒は控えめ―というか、黒いユーモアというより、シニカル味がかっているような。

11編中6編は夫婦を描いたものだが、仲睦まじい夫婦なぞ登場しやしない。どれもこれもどうしてこう……。

詳しくはこちらに。
http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2014-06-17

2014/07/06

小学生のころはまったロアルド・ダールの本を見かけたので読んでみました。

ぶっとんだ設定とブラックなオチに懐かしさを感じました。訳者のあとがきにもあるように、「度しがたい無垢や無知にも容赦がない」ところがいい。
訳がかたくて読みづらいとこが多かったので残念。

「天国への道」「牧師の愉しみ」「ロイヤルゼリー」が好き。「始まりと大惨事―実話―」は、なんともいえないもやもや感。

2014/06/29

ロアルド・ダール初挑戦。
新訳とはいえさすがにちょっと時代を感じるかな。（特に夫婦の描かれ方）でも、巧い。子供の頃に読みたかった。