ゆずこの形見 の商品レビュー
「夢見」という非現実がベースなんだけど 心理描写が上手いからなのか、共感できた。 心の乾布摩擦 明日につながるセックス なるほどと思う言葉も。
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妻が出張先で突然亡くなったけれど、浮気相手との不倫旅行の末の病死だった。 あれから1年経っていまだに妻の不貞を許すこともできず、 同時に何気なく初めて夢見の修行をしながら 冷凍庫に残った彼女が作っていた作りおきのおかずを 毎晩息子と一緒に食べていく日々。 唯一食べることを躊躇した不倫先で買ったとされる冷凍のカニを、ゆずこの不倫相手に食べさせるまで。 就職せずに小説を書いていくことを決めた大学生が 同棲する彼女との温和な別れをするために 性行為をすると頭痛がする悩みを夢見で解決しようとする様子。 2つの話とも、夢見の話。 どれもなんだか切ない。
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けっこう好きかも。 夢見入門、すごい発想。 覚え書き ゆずこの形見 ゆずこ、間男、毛蟹、作り置き、新井さんの死、原さんとのキス 夢見入門 本棚、再現レシピ、好きなものと好きなもの、原さん、正しく終える 人生のいろんな区切り、特に別れにおいて、正しく終われたらよいけど、 多...
けっこう好きかも。 夢見入門、すごい発想。 覚え書き ゆずこの形見 ゆずこ、間男、毛蟹、作り置き、新井さんの死、原さんとのキス 夢見入門 本棚、再現レシピ、好きなものと好きなもの、原さん、正しく終える 人生のいろんな区切り、特に別れにおいて、正しく終われたらよいけど、 多くは正しく終われない。 そこをなんとか正しく終わろうとする植尾くん。
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なんか…こんな物語よく思いつくなあ、そしてよくこんなにたくさん正しく?表現出来るなあ、ってしみじみ思った。図書館じゃなきゃ出合わなかったと思う。
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【不倫旅行中に死んだ妻が残した毛ガニを、不倫相手に食べさせる】。それが、残された夫の不倫相手への報復であり、彼の中に今尚生き続ける妻への野辺送りでもあった。 っていうのが、表題作の梗概なんですが。 男女のポジションが逆転すれば違和感なく読めたと思うんですが、主人公である夫の【...
【不倫旅行中に死んだ妻が残した毛ガニを、不倫相手に食べさせる】。それが、残された夫の不倫相手への報復であり、彼の中に今尚生き続ける妻への野辺送りでもあった。 っていうのが、表題作の梗概なんですが。 男女のポジションが逆転すれば違和感なく読めたと思うんですが、主人公である夫の【妻が残した食材にこだわる】姿だったり、【夢をコントロールする】技術習得に勤しんだりする姿が、ものすごーーく女々しく感じられてしまって、終始違和感を感じてしまったんですよね………(汗 機微の移ろい方とか語り口なんかもすごく女性的な印象を受けたし。うーん。
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後半の『夢見入門』の主人公が書いた小説が表題作というようなかんじ。 それだけ、後半の方が無理していない、作家らしいと思わせる早稲田大学っぽさ(?)
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妻が死んだ。突然、知らない男性と一緒に行った旅行先で。冷蔵庫の中には、たくさんの作り置きのおかずと毛ガニが1杯残されている。 妻ゆずこの残したおかずを消費していくことで、妻とのことを自分なりに片付けていこうとする夫の気持ちが切ない。 残されたカニの中に、不倫をしながらしっかり家...
妻が死んだ。突然、知らない男性と一緒に行った旅行先で。冷蔵庫の中には、たくさんの作り置きのおかずと毛ガニが1杯残されている。 妻ゆずこの残したおかずを消費していくことで、妻とのことを自分なりに片付けていこうとする夫の気持ちが切ない。 残されたカニの中に、不倫をしながらしっかり家計簿をつけるゆずこという不条理な女が、カニミソとして住みついている、と言うフレーズが著者っぽく、そのカニを間男に食べさせるという仕返しを成し遂げ、晴れて踏ん切りがついた太一が嫌いになれなかった。 もうひとつの短編『夢見入門』も、大学生カップルの、彼女とのことを自分たちなりに終わらせようとする彼氏の話で、根っこは表題作と同じかなと思いました。 伊藤たかみさん、やっぱりすごく好きです。
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2015.06 市立図書館 雑誌の本の紹介に載ってって、興味をそそられて借りてみた。お初の作家さん。 表題作の「ゆずこの形見」は、おもしろかったけど、「夢見入門」の方は、うーん??
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*妻が出張先のホテルで死んだ。実は男との浮気旅行だった。残された太一と幼い息子は、冷凍庫に残されたゆずこの作った惣菜を食べていくことで、ゆずこの死を受け入れていく。一方、妻の本心を探るため、ある「復讐」をするため不倫相手に会いにいく。各紙で絶賛された、芥川賞作家の最高傑作! * 伊藤たかみさんらしい、美しく繊細で優しい文章。 「やはり苦しみは、間男とシェアするべきである。文字通り彼女の残したものを食べて、自分の身にするべきなのだー」てことで、冷凍カニをすり身にして間男に食べさせる太一。「婚外恋愛の代償として、ゆずこのことを一生忘れないで欲しい」と完食を要求し、「ゆずこの中にいつまでも残っていた女の部分を、ようやく嫁がせたような気がして、花嫁の父親よろしく、ぐっと涙をこらえたのだった」。 独特の世界観。一度目はさらっと読んで、二度目は一文ずつじっくり味わい、それが身体に染み込んでいく感じが楽しめた。
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あらすじだけを読むと暗い感じですがゆずこの描写が少ない為か不思議とゆずこを嫌な女だとは思えないんです。 ゆずこを許すことも憎むこともできない太一がカニを始末することで彼女への宙ぶらりんな気持ちを落ち着けてゆく。 前に進もうとする太一を応援したくなる本でした。
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