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無罪請負人 の商品レビュー

4.3

27件のお客様レビュー

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2024/08/12

本書に取り上げられている事件の概要は記憶にあるものの、登場人物の何人かに対するイメージは、当時の検察やマスコミ報道によって作られた悪役像が残像として脳内に残ってしまっている。 わかりやすい正義、もっともらしいストーリー、マスコミの論調で形成された多数派の雰囲気に流されず、常に冷静...

本書に取り上げられている事件の概要は記憶にあるものの、登場人物の何人かに対するイメージは、当時の検察やマスコミ報道によって作られた悪役像が残像として脳内に残ってしまっている。 わかりやすい正義、もっともらしいストーリー、マスコミの論調で形成された多数派の雰囲気に流されず、常に冷静で論理的に物事を考えたい。

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2024/07/27

一度は聞いた事ある有名な事件に関与されてきた中で、一般には知られない検察の実情や弁護士からの視点など、とてもリアルな話が面白かったです。

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2022/09/19

カルロス・ゴーンの弁護人としてテレビで取り上げられ、 「そんなに有名な人なの?」と気になっていた。 ネットで調べてみると、なんと郵便不正事件や陸山会事件など、テレビで連日報道されていたあの刑事裁判の弁護人ではないか。 無罪請負人なんて、この人は一体どんな弁護活動をする人なのかと、...

カルロス・ゴーンの弁護人としてテレビで取り上げられ、 「そんなに有名な人なの?」と気になっていた。 ネットで調べてみると、なんと郵便不正事件や陸山会事件など、テレビで連日報道されていたあの刑事裁判の弁護人ではないか。 無罪請負人なんて、この人は一体どんな弁護活動をする人なのかと、無知のまま本書を読んでみたけれど、 真実を追い求め複雑な権力構造に立ち向かう姿に なんと気骨がある人なのだろう、と心打たれた。 現場主義を貫き、仮説の実証や証拠集めのため奔走する姿は泥臭く、まるでジャーナリストのようで、 記者会見やニュース番組で流暢に解説する姿からはとても想像つかない。 本書では、弘中さんが担当した事件を基軸に、 事件の背景にある刑事裁判の問題点や国家権力の不正・不当について述べられている。 テレビで刑事裁判の報道を見ても、 「どちらが正しい・悪いのか」という二元論で物事を見がちで、その事件が権力にどう利用されてきたのか、その利用目的は何なのか、なんてことは考えない。 だけど、刑事事件の中には、その時の歴史的背景やなんらかの社会体制の転覆を狙って「刑事事件化」されているものがある。 検察によって作られたストーリー、隠滅させられる証拠、司法の現場は歪められ利用されていることを、 私のような一般人も知っておいた方が良いのだろうと思う。 刑事事件において弁護人が立たされる不利な立場、 さまざまな組織、人間の立場や利益に目を向けることが、情報の受け取り手として最低限必要なことなのだろう。

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2022/09/16

人質司法と日本国憲法は矛盾しているように見えるし、矛盾だらけのように思える。あまりにも危なっかしい制度になっているような気がしてならない。点数稼ぎの公務員は自己を正当化するために嘘をつく。だから、人質司法に対する評価というのは、行政の言葉ではなく、他の誰かの言葉を参考にすべきだと...

人質司法と日本国憲法は矛盾しているように見えるし、矛盾だらけのように思える。あまりにも危なっかしい制度になっているような気がしてならない。点数稼ぎの公務員は自己を正当化するために嘘をつく。だから、人質司法に対する評価というのは、行政の言葉ではなく、他の誰かの言葉を参考にすべきだと思う。

Posted byブクログ

2022/08/30

政治家、官僚のお家芸の記憶にございません。はあれど、手帳に自分の予定を記録しておくのも自分を守るの必要なんですね。

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2022/03/28

筆者の弘中惇一郎氏は弁護士。著名な刑事事件の弁護を多く担当。例えば、ロス疑惑の三浦和義氏、厚生労働省官僚の村木厚子さん、小沢一郎・鈴木宗男といった政治家、薬害エイズ事件の安倍英氏、ライブドア事件の堀江貴文氏、等、枚挙にいとまがない。このうちのいくつかの事件で、無罪を勝ち取ったので...

筆者の弘中惇一郎氏は弁護士。著名な刑事事件の弁護を多く担当。例えば、ロス疑惑の三浦和義氏、厚生労働省官僚の村木厚子さん、小沢一郎・鈴木宗男といった政治家、薬害エイズ事件の安倍英氏、ライブドア事件の堀江貴文氏、等、枚挙にいとまがない。このうちのいくつかの事件で、無罪を勝ち取ったので、「無罪請負人」と呼ばれ、それが本書の題名にもなっている。 本書では、それらの個々の事件の紹介もされており、それはそれでとても面白い物語であるが、一番興味をひかれたのは、日本の刑事司法の後進性について筆者が紹介している部分である。 2013年の話なので、かなり前のことであるが、国連で「日本の刑事司法は中世に近い」との指摘を受けたというエピソードが紹介されている。実際に筆者から見ても、日本の刑事司法の現実は前近代的であり、国際基準に照らしても相当に遅れていることは確かであるらしい。どういったところが前近代的なのかは、個々の事件と関連づけて本書の中で紹介されている。例えば、取り調べに弁護士の立ち合いが許されていない、自白主義、実質的に無制限で検察側の恣意的なコントロールの利く拘留期間、等である。これらの話を読むと、冤罪事件が起こっても全然不思議ではないなと思うし、実際に冤罪が起きるメカニズムも紹介されている。 本書で筆者が問題提起していることは、おそらく、随分と以前から多くの弁護士から指摘されていることだと思うのだが、そういったことが変わらない、あるいは、変わる兆しすら見えないこと自体が「中世的」なのだろうと感じた。

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2022/02/27

多分に筆者の反体制のイデオロギーが反映されているが、 多くは納得できることであり、検察への権力集中という構造的な問題や、人質司法、検察の誘導脅迫による自白を元にした供述調書偏重主義など、日本の司法制度の闇が理解できる。 こういった構造的な歪みを問題視することも重要だし,もっと身...

多分に筆者の反体制のイデオロギーが反映されているが、 多くは納得できることであり、検察への権力集中という構造的な問題や、人質司法、検察の誘導脅迫による自白を元にした供述調書偏重主義など、日本の司法制度の闇が理解できる。 こういった構造的な歪みを問題視することも重要だし,もっと身近な問題に置き換えて理解するのも重要だと思う。 たとえば、検察がマスコミと手を組んで、被疑者の段階である罪を確定的に報道することで、民意をコントロールできる。そしてマスコミの悪意のある報道に飲まれた国民もその人物を叩き始める。 この構造はいじめの構造と同じである。 自分と違う他者を規程し,バッシングをしまくる。 いじめも単純な悪意以外に、自分以外のものに対する嫌悪や、何か嫌なことをされた人を罰するという正義感から始まっていることも多く、構造が同じ。 つまり日本人はいじめをする社会体質個人体質があり、 個人体質だけでいじめ問題を議論しても意味がなく、もっと構造的な根深いことであろうと思う。 それは日本人のリテラシーの低さ、思考力の低さ,問題意識の低さ、それに伴う感情優先の判断が原因となっていると思った。

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2022/01/23

弘中氏の記述をそのままは信じられないけれど 反対側の記述ばかり見てきたから混乱する 両方知っておきたい

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2020/09/17

・村木厚子さんの事件(無罪)。 ・小沢一郎さんの事件(無罪)。 ・鈴木宗男さんの事件(一審有罪→控訴審からの受任、有罪確定)。 ・薬害エイズの安倍医師(無罪→控訴後公判停止)。 ・ロス疑惑の三浦氏(有罪→逆転無罪)。 ・虚偽診断書作成・同行使罪で起訴された医師(無罪→逆転有罪)。...

・村木厚子さんの事件(無罪)。 ・小沢一郎さんの事件(無罪)。 ・鈴木宗男さんの事件(一審有罪→控訴審からの受任、有罪確定)。 ・薬害エイズの安倍医師(無罪→控訴後公判停止)。 ・ロス疑惑の三浦氏(有罪→逆転無罪)。 ・虚偽診断書作成・同行使罪で起訴された医師(無罪→逆転有罪)。 ・麻原彰晃の主任弁護人だった安田氏(有罪)。  これらはすべて弘中弁護士が担当した刑事事件で、この本に出てくる。特に村木厚子さんの弁護の話が面白かった・・・。検察の「悪事」のぼろが次々と剥がれていく様は、こういっちゃなんだけど、爽快。  小沢一郎さんと鈴木宗男さんの事件の国策捜査感。「国策捜査は時代のけじめをつけるために必要。時代を転換するために何か象徴的な事件を作り出してそれを断罪する」「揺さぶれば必ず何か出てくる、そこに引っ掛ける」、「捕まえれば、必ず事件を”仕上げる”自信がある」…そんな観点で狙い撃ちされては、たまらない。おそろしい。  そして、判決は無罪確定でも、逮捕や起訴や、そこに至るマスコミ報道によって社会的地位は不可逆的な大打撃を受ける。そんなのあり?!悔しい。 武富士の社長の代理人をしたり、薬害エイズの安倍氏を弁護したりしたことで団体のバッシングを浴びたりしたそうだ。  強者と弱者はそう簡単に分けられない。お金持ちであっても、医師の世界で権力があっても、刑事事件の被告としてみれば、マスコミと対峙すれば、弱者。このあたりを知って、弘中弁護士の信念がわかった気がした。

Posted byブクログ

2020/04/21

今の人間社会において「法」というものが存在する中、「法学」については、固く陰険で、警察・検察の右向け右・これがルールだ的な秩序思想がどうも苦手で...、目をそらしてました。 そんな中、本書は「法」に堂々と向き合いつつ信念にブレが無いと感じた。検察、すなわち国家権力の不正・不当に...

今の人間社会において「法」というものが存在する中、「法学」については、固く陰険で、警察・検察の右向け右・これがルールだ的な秩序思想がどうも苦手で...、目をそらしてました。 そんな中、本書は「法」に堂々と向き合いつつ信念にブレが無いと感じた。検察、すなわち国家権力の不正・不当に明確な異議を唱えている。 (犯罪者を弁護するわけではないが)刑事立件されたら一般人は勝てる訳がないルールなのが本当によく分かり、腹が立つ。供述での弁護士立ち合いと可視化、こんな当たり前のことが実現されない現実に悲しくなってくる...。 しかし何といってもやるべきことは目を背けず知っていく努力をすることだろう。「次は我が身」の可能性は”ある”のだから...。

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