青木昌彦の経済学入門 の商品レビュー
制度経済学の世界的権威である青木雅彦氏が記した、経済学入門。非常に洗練された歴史観が制度という概念を基に描かれている。人の人生観にさえ影響を与えるような名著。
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日本を代表する経済学者の一人である青木昌彦氏による、”青木昌彦流の経済学"入門書である。従って、本書を経済学の典型的な入門書として読むことはお勧めできない。しかしながら、青木昌彦氏にとっての経済学はどのようなものかを知るには十分すぎるくらいに内容の濃い一冊であると言える...
日本を代表する経済学者の一人である青木昌彦氏による、”青木昌彦流の経済学"入門書である。従って、本書を経済学の典型的な入門書として読むことはお勧めできない。しかしながら、青木昌彦氏にとっての経済学はどのようなものかを知るには十分すぎるくらいに内容の濃い一冊であると言える。 この本を読むことによって得られるのは、主に制度経済学の概要である。経済学で言う「制度」とは、一般に使用される意味よりも幅広く、社会的な規範やルールなどを指している。その「制度」に関して、ゲーム理論的な観点から社会構造を解明しようと言うのがこの制度経済学であると言える。本書では、この制度経済学について分かりやすく説明しており、制度経済学がどのようなものか、その輪郭を理解することができる。 個人的には、この制度経済学というものが近年のトレンドである行動経済学や神経経済学と密接に関連している分野であり、なおかつアカロフらが提唱する「アイデンティティ経済学」とも非常に密接に関連していると感じ、非常に興味が湧いた。もちろん、制度経済学に対する批判も存在するであろうが、このようなアプローチによってひいては社会科学を横断的に統合できる可能性も秘めていることから、今後ますます重要となっていくテーマに違いないと思った。
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