不毛な憲法論議 の商品レビュー
本書は改憲派も護憲派も自らの政策の手段としてしか憲法をとらえていないことを批判する。ともすればすぐに96条とそれに続く9条の改正だけが焦点となることを。 あとがきでは、今行われている憲法論議に足りない重要な事柄として倫理や道徳などの思想的側面が挙げられている。 本来の憲法の在り...
本書は改憲派も護憲派も自らの政策の手段としてしか憲法をとらえていないことを批判する。ともすればすぐに96条とそれに続く9条の改正だけが焦点となることを。 あとがきでは、今行われている憲法論議に足りない重要な事柄として倫理や道徳などの思想的側面が挙げられている。 本来の憲法の在り方とは何だろうと考えたとき、本書は様々な手がかりを提示する。戦後憲法の成立過程、ノモス論、和辻の日本倫理思想史、象徴天皇制… どの切り口にしても、日本の来歴やアイデンティティなど思想的な内容を憲法論議に盛り込むことは相当なる議論を呼ぶんだろうと思う。 しかしこれから真の意味で憲法を考えるならば大切な議論である。
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