オルタナティブロックの社会学 の商品レビュー
社会学の観点からグランジ以降のオルタナティブロックを論じた本。 なんとも堅そうな印象を受けるかもしれないが、著者は社会学者である前にロックが大好きなようで、それが文面から伝わってくるところがとても好ましいと思った。 47歳くらいの人のようですが、90年代以降のロック、テクノ、...
社会学の観点からグランジ以降のオルタナティブロックを論じた本。 なんとも堅そうな印象を受けるかもしれないが、著者は社会学者である前にロックが大好きなようで、それが文面から伝わってくるところがとても好ましいと思った。 47歳くらいの人のようですが、90年代以降のロック、テクノ、ヒップポップなんかについての知識も素晴らしいです。 オルタナティブロックがどのようにメインストリームになったのが、その受け皿が白人であるという事実、などとても興味深く読めました。 すごく読みやすい文章だし、マイブラを絶賛からエフェクターについてやPAについてまでと、とても勉強になりました。 僕にとって最も大切なものであるロックについて、改めて違って視点から考察出来る素晴らしい本でした。
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カート・コバーンの死とグランジの終了でロックが変質したそうだ。 しかし、ニルヴァーナがDCパンクをルーツにしている点が全く抜けているのが残念だった。まるでカート・コバーンがエルビスから続く伝統的なロックの終焉と供に死んだような仮説は大雑把すぎると思ったが社会学的な観点だとそうなる...
カート・コバーンの死とグランジの終了でロックが変質したそうだ。 しかし、ニルヴァーナがDCパンクをルーツにしている点が全く抜けているのが残念だった。まるでカート・コバーンがエルビスから続く伝統的なロックの終焉と供に死んだような仮説は大雑把すぎると思ったが社会学的な観点だとそうなるのだろう。
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ここ半世紀程度の音楽史や、音楽そのものの変遷、を世界的あるいは国内という視点で社会文化事情から考察したものであるが、何となく感じていたことがある程度確からしい(社会学という学問の性質上断定は難しそうだ)レベルで記されており良著だと感じた。 僕たち社会内存在がこの情報化社会の中で自...
ここ半世紀程度の音楽史や、音楽そのものの変遷、を世界的あるいは国内という視点で社会文化事情から考察したものであるが、何となく感じていたことがある程度確からしい(社会学という学問の性質上断定は難しそうだ)レベルで記されており良著だと感じた。 僕たち社会内存在がこの情報化社会の中で自己を確立するにあたって、ロックとやらと、はたまた音楽とどう付き合っていくのか、それを考え直す上でのエートスとでもなるのではないか。音楽にハマり始めている人にはそれくらい読む価値があるものだと思う。 十分に詳しい人は逆に面白くないかもしれないし、全く音楽に興味がない人は知らない言葉や名前が多すぎてつまらないかなと。 何にしても読むのにとても疲れた。
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カートが自殺した年を時代の終わりと始まりと捉えている。 まずオルタナティブロックとは何かを歴史から読み解いていく。オルタナティブロックにより、それまでロックは波の音楽だったが、リフの繰り返しや爆音ギターや音響の波形から、渦の音楽に変わった。そして、より白人的な音楽に変わっていった...
カートが自殺した年を時代の終わりと始まりと捉えている。 まずオルタナティブロックとは何かを歴史から読み解いていく。オルタナティブロックにより、それまでロックは波の音楽だったが、リフの繰り返しや爆音ギターや音響の波形から、渦の音楽に変わった。そして、より白人的な音楽に変わっていった。 また、作者はロックとスポーツの関連性を指摘する。その身体性という観点はもちろん、メロコアとスケーターの接近、音響技術の発展に伴うフェスによる体感の音楽へ。 ここで話題は日本に。ロスジェネの76世代によって洋楽におもねらない日本のオルタナティブロックが誕生した。 最後に、現代社会の情報化がアーティストや音楽の歴史や物語を奪い取り、触覚による音楽の取捨選択、フェスによる体感、みんなで盛り上がるという遊びの体感に移行していることを指摘する。
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