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真夜中の相棒(新装版) の商品レビュー

4.3

27件のお客様レビュー

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2024/08/31
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共依存の関係は見ていて苦しくて、でもお互いの存在に救われているのは事実なので愛おしさも感じた。 ヴェトナム戦争で傷ついたのはジョニーだけじゃなく、マックもだったんだろう。明らかにギャンブル依存症だし。同性愛的な雰囲気がありながら、登場人物がそれを嫌悪していたりするところも含めて時代性を感じる物語だった。ジョニーは生い立ちの影響もあるとはいえ、現代ならAsexualとして描かれたんじゃないか。それを含め、マックがジョニーのあり方をいっさい否定しないのがとてもよかった。 クライマックスでマックはジョニーを抱きたいのかもしれないと気づいて動揺する。きっとあの結末にならなければ、いくつか仕事をしたあとでそういうことも試しただろう。ジョニーは怖いだけだとしても、マックがしたいことは拒まない。でも、それでは「愛している」と伝え合った2人の関係はきっと壊れてしまう。一番美しいところで途切れたから心に残る。 美しいとかさんざん書いといてなんですが、読み終わった瞬間の感想は「壮大なハードボイルドNTRだった…」でした。サイモンさぁ…!! 主人公の3人とも、あすけんに記録したら未来さんに泣かれそうな食生活しかしてないのもアメリカっぽくて好き。

Posted byブクログ

2024/03/17
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『辛くて二度と読めない本』で紹介されていて気になったので借りてきた。犯罪者の相棒と警察官の相棒がそれぞれ登場するが、私の好みの関係性ではなかったためハマらず…。また相棒は固定ではないのがこの小説の特徴だと思う。サイモンとジョニーが相棒(?)になる結末は想像がつかない展開で驚いたと同時に、最後の最後でキャラクターへの理解が深まって不思議な気持ちになった。ストーリーが面白くないわけではなかったが、読む前の期待が大きすぎたせいか感動や衝撃は少なかった。

Posted byブクログ

2024/01/16
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ついに読み終わった。"愛"とは書かない関係性の複雑さがなんとも言えず、ラストは唸ってしまった。原題がtriangleだと知って、なるほどなとなりました。終始漂う孤独感がとてもよい…。

Posted byブクログ

2023/10/24
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海外翻訳モノだから、読みにくいかと思ったら予想以上に読みやすくて驚いた。面白かった。 部の分け方が良い。 プロローグで歯車が狂ったところ。1部でジョニーとマックのなれそめ、2部で、サイモンの話。サイモンの話はマックがジョニーを失った場合の話としても読み取れるなと思った。そして、3部で3人が絡み、エピローグ。 ジョニーは決してサイモンに懐かないだろうな。なにかきっかけがあればわからないけど、サイモンはメキシコにやってきても孤独を感じてるのが良い。メキシコの青空のなかで感じる絶望とやりきれなさが良い。 マックとジョニーの共依存がめちゃめちゃ良かった。ジョニーの賢さとぼんやりさのバランスが絶妙。ていうかジョニーが美青年なのはわかるが、マックもサイモンも顔が良いらしいのが面白い。 マックがポーカーやめてさっさとメキシコ行ってればなあ。 サイモンがマイクからジョニーに対象が移るのが面白い。 悲しい結末すぎる。 ジョニーがマックを必要とし、時々マックも自身らを省みて、結局自分もジョニーを必要としていることを確認していくのが良い。 ジョニーはどうしてサイモンを殺さなかったのか。一人ぼっちが嫌だから殺さなかった。 面倒を見てくれるならサイモンでも良かったのか。でも、一緒にいながらサイモンは孤独を感じている。ならばこれがジョニーの復讐でもあるのかなと思った。

Posted byブクログ

2023/07/31

この本には私の求めるものが詰まっていたと同時に、私の趣味の悪さが浮き彫りになってしまい苦笑が止まらない。2組の相棒の話。何が2組の2人を相棒にしたのだろうか。それを議論するには真夜中だけでは足りないと思う。

Posted byブクログ

2023/04/15
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原題が『TRIANGLE』なのに首を傾げながら読んでいたら、第3部でやられた…! それでいいのかよサイモン! いわゆるメリーバッドエンドってやつなのかなあ… 純真無垢なジョニー、不器用でギャンブル狂いのマック、孤独なふたりのいびつに安定した関係がずっと続いてほしいと願いながらはらはらして読み進めた。 マックは自分がセックスしたい相手がジョニーだとさっさと認めてしまえてればよかったのに… サイモン側だと、マイクの奥さんのもとを訪ねて、マイクから自分への想いと自分からマイクへの想いの質の違いに気づいてしまう場面が特に好き。

Posted byブクログ

2023/01/11

読み終わり数日経った今でも引き摺っているほどつらいラストでしたが、素晴らしいと言わざるを得ない作品でした。出会えて良かったです。

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2022/11/18

1984年に刊行された作品の30年振りとなる復刊だそうだ。84年といえば翻訳物のハードボイルドやエスピオナージ、SFにどっぷり浸かっていた頃だが、なぜか本作の記憶がない。 これは殺し屋ジョニーと相棒のマックの物語だ。ゲイかと思ってしまうが、2人の関係は性的なものではなく共依存だ。...

1984年に刊行された作品の30年振りとなる復刊だそうだ。84年といえば翻訳物のハードボイルドやエスピオナージ、SFにどっぷり浸かっていた頃だが、なぜか本作の記憶がない。 これは殺し屋ジョニーと相棒のマックの物語だ。ゲイかと思ってしまうが、2人の関係は性的なものではなく共依存だ。 ベトナム戦争に従軍していた時に出会い、その時には既に壊れていたジョニーと、彼の庇護者として立ち回ったマック。除隊後も離れ難く、紆余曲折を経て殺し屋となるまでの過程が読ませる。 もう1組、こちらは刑事のペアが登場するものの、相棒を失ったサイモンが彼らを追うことになる。 ジャンルとしてはミステリーだが、運命に翻弄された男たちの物語として出色だった。

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2022/09/06

ベトナム帰還兵であるマックとジョニーの共依存的な関係を描き、ゲイ文学の名作と評されているようだが、酷く歪なブロマンスでもあり、ハードボイルドの要素も香るノワールでもある。二人が殺し屋稼業に足を突っ込む過程を描く第一部に始まり、刑事・サイモンが二人を執拗に追跡する第二部を経て、物語...

ベトナム帰還兵であるマックとジョニーの共依存的な関係を描き、ゲイ文学の名作と評されているようだが、酷く歪なブロマンスでもあり、ハードボイルドの要素も香るノワールでもある。二人が殺し屋稼業に足を突っ込む過程を描く第一部に始まり、刑事・サイモンが二人を執拗に追跡する第二部を経て、物語は両者が相まみえる最終第三部へ。上述の通り、実にシンプルな筋立てだが、退廃的で情感に富んだ文章と女性作家らしい繊細な心情描写が読者を作品世界へと誘う。原題「Triangle」を表した皮肉的で遣る瀬無いラストシーンも一読の価値あり。

Posted byブクログ

2022/08/19

堪らなく切なかった。物語は殺し屋2人のエピソードから始まる。ベトナム戦争を通じて近寄った2人。庇護者と被庇護者。片やバディを組んでいた相棒を殺された警官が異常な執念追う犯人。それぞれが自分に都合良く相手を見てるのが歯痒い。BLと言う人もいるけど私には2人の孤独感が哀しかった。

Posted byブクログ