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JR上野駅公園口 の商品レビュー

3.4

140件のお客様レビュー

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2024/09/08

実際のホームレスの方たちにインタビューし、そのインタビューを元に書かれた小説。 街に出ればどこかで見かける事のある方達にも、過去があり。家族があり。なりたくてなったわけでもなく。 様々な人生を歩んでいる中で行き着く先の1つなのかもしれない。

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2024/08/07

劇団・青春五月党主宰 でもある柳さんの2014年作品、彼女の取材力と筆致に感銘。シリーズを読んでいきたい。

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2024/02/14

一人のホームレスの男の生涯。切なかった……こんなに報われない運のない人生があるのか…一生懸命家族を養ってきたことには嘘は無いのに。私が年長者の男つかまえて、報われないなどと失礼は承知だが、こんな寂しい人生もあるのだなぁ。 「どんな仕事にだって慣れることができたが、人生にだけは慣...

一人のホームレスの男の生涯。切なかった……こんなに報われない運のない人生があるのか…一生懸命家族を養ってきたことには嘘は無いのに。私が年長者の男つかまえて、報われないなどと失礼は承知だが、こんな寂しい人生もあるのだなぁ。 「どんな仕事にだって慣れることができたが、人生にだけは慣れることができなかった。人生の苦しみにも、悲しみにも、喜びにも」 自分の人生の総評がこんななんて、胸が詰まる。 そうか、最期は山手線に飛び込んだのか。 それでいいよ。きっとそれでいい。おつかれさま。

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2023/11/20

視点の設定が斬新で、興味を惹き付けられた。救いのない物語てあり、決して幸せな気分にはなれない物語である。けれど、人の数だけあるはずのそれぞれの人生の、そのうちのひとつを、実に丁寧になぞっていて、真面目に生きてきたのに報われることのなかった男の回想を情感たっぷりに感じることができる...

視点の設定が斬新で、興味を惹き付けられた。救いのない物語てあり、決して幸せな気分にはなれない物語である。けれど、人の数だけあるはずのそれぞれの人生の、そのうちのひとつを、実に丁寧になぞっていて、真面目に生きてきたのに報われることのなかった男の回想を情感たっぷりに感じることができる。象徴たる天皇家とのつながり、象徴たる東京オリンピック、象徴たる震災津波、象徴たる西郷さんの銅像、混沌とした世の中で、また混沌とした場所で、彼の人生は幕を閉じた。そこにあるのは、分かりやすい絶望などではなくて、そこまで生きてきたからこそ訪れる疲労感と諦念であった。 福島浜通りの地名がたくさん出てきて懐かしい。 ホームレスは比較的新しい言葉であり、以前は浮浪者と呼ばれていたものだが、その語感の違いもまた、混沌とした世の中のひとつのかけらであるように思える

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2023/05/31

なんの予備知識もなく読み始めたが、ホームレス、東京オリンピック誘致、東日本大震災の話がリンクしていた。 淡々とした語り口であるものの、切なさと悲しさが伝わる。目を逸らされたり、目線を合わせたりすることがないこそ、聴覚に重きを置いていたのかなと思う。

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2023/04/18
  • ネタバレ

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ホームレスと震災 時系列がわからなくなりそうで途中退屈もしたが、頑張って読んだ。 わかりやすく例えるなら『火垂るの墓』みたいな始まりで、死んだ主人公が見ている現代みたいなかんじか。 昭和と平成の悲劇がコラボ、ってかんじの悲しい話。

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2023/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天皇とホームレス、東北大震災とキャッチーなテーマでベストセラーを狙ったあざとい感じは否めません。 ホームレスさんの自殺と孫娘が東北大震災で波にさらわれたことがリンクするはずないのに因果関係にあるかのごとく描写されているのは納得いきません。

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2023/03/05

ホームレスの実情がありありとわかる内容でした。とても考えさせられる内容で、人生いろいろでどうなるかわからないなと思いました。一寸先は闇ですね。その逆もあり。 一昔前の日本がどういう状況だったのか、現代史の歴史も学べた感じで良い本でした。

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2023/02/05

一人の人間の長い人生の追体験。ホームレスになることは特別なことではなく、いつ誰にでも起こりうること。身につまされる。

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2022/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホームレスになった男性の物語。 戦後に何もかもなくなり借金だけが残り父親と働き、下の子のために大学まで仕送り、家族のために働く。唯一わがままを言ったヘリコプターに乗りたいと言った息子に何もできなかった罪悪感。定年まで家族と一緒に過ごす時間がほぼなく、8年夫婦水入らずでやっと過ごせたと思ったら妻の死。 一人暮らしは危ないからと孫が来てくれるが心苦しくなる。 淡々と語る文章が走馬灯のようでホームレスの辛い体験より、家族を持っていた時代の方が辛い体験をしている気になっていく。こんなホームレスもいるんだよと教えてくれた一冊。

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