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迎え猫 の商品レビュー

3.9

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

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2023/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ4作目だが,1~3では全体の話の軸となるレギュラー以外の登場人物が皆塵堂に居候する展開だったのだが,今作ではそれが不在。強いて言えば,猫が居候役を務めていると言える。今作の各話の中で,成り行きで皆塵堂に子猫が集まってきてしまい,最大9匹。その猫たちの引き取り手を探すというのが縦軸になっている。 「次に死ぬのは」 魚屋の巳之助のお得意先の息子は経師屋だった亡き父のあとを継ぐべく修行を済ませ,現在お礼奉公中。それが済んだら再び自分の家の店を開くと思われていたが,最近塞ぎ込んでいて仕事も休みがちだという。母親に頼まれて巳之助が話を聞いてみると,同じ店で同じ時期に修行していた仲間がこのところ立て続けに自殺しているという。それで次は自分の番では?と怖がっていたようだ。 「肝試しの後に」 巳之助が気紛れに入ったいつもと違う蕎麦屋では注文を受けた店の息子がぼんやりしていて注文を忘れてしまっていていつまで経っても蕎麦が出てこない。怒って店を飛び出し,近くのいつもの蕎麦屋に行くと,その店の看板娘が相談を持ちかける。先程の蕎麦屋のぼんやり息子はこの娘の許嫁だそうで,最近様子がおかしいので心配しているという。しかし何があったのか話してくれないので,巳之助に聞き出してほしいというのだ。 「観音像に呪われた男」 巳之助の弟分となった茂蔵は益次郎の大黒屋で真面目に働いているが,そのための引っ越しの時に元々持っていたものを一切合財皆塵堂に売り払っていたが,ある日皆塵堂に駆け込んできて観音像はまだ売られてしまっていないかという。その観音像は子供の頃近所の爺さんにもらったものだが,何故か頻繁に夢に登場してきて,夢に現れた翌日には必ず悪いことが起こるのだという。その日も棚から落ちてきた大黒様が額にあたって瘤を作ったという。 「煙草の味」 伊平次が引き取ってきたさも高級そうな煙草道具の付いた根付はどうも曰く品らしい。珍しい根付を集めているという主人のために庄三郎が一旦持ち帰るが,すぐに返しに来た。これでタバコを吸うとタバコの味が変になるというのだ。伊平次は根付に彫られた「甲斐」という刻印を何処かで見た記憶があるのだが思い出せない。 「三途の川で釣り三昧」 巳之助は子猫たちの引き取り手を見つけるためにさんざん根回しをし最後のひと押しという所まで来て,ある人物の説得のため皆塵堂で清左衛門にひと肌脱いでもらう計画となっていた。 一方,庄三郎は以前信濃屋で一緒に働いていた喜八に突然声を掛けられる。喜八は信濃屋をやめて家業を継ぐことになっていたはずだが...。

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2020/08/31

2020.08.31読了 ねこづくしの巻 巳之助のネコ好きもすごいが 太一郎のネコ嫌いもすごい しかも、ネコ嫌いの太一郎をネコが好きなのもおかしい

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2020/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回は全て、猫がらみの逸話。 猫をいじめていた男たちが、次々と首を括る。 猫好きな名人の大工が作った欄間や、根付を持っている人に、老人の幽霊が見えたり、タバコの味が変わったり。 いくつかの事件が、すべて猫が絡むことに気付く太一。 さて解決に向かうは? 皆塵堂全員出動!

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2018/03/28

これまで1冊に一人ずつ使用人が入っては辞めていった皆塵堂だが、このペースで登場人物を増やすと人間関係が複雑になりすぎると作者が考えたのかどうかはわからないが、今回は、使用人ではなく巳之助が中心の話。無類の猫好きで、行く先々で猫を構う。拾ってくる。長屋で飼えずに皆塵堂に預ける。預け...

これまで1冊に一人ずつ使用人が入っては辞めていった皆塵堂だが、このペースで登場人物を増やすと人間関係が複雑になりすぎると作者が考えたのかどうかはわからないが、今回は、使用人ではなく巳之助が中心の話。無類の猫好きで、行く先々で猫を構う。拾ってくる。長屋で飼えずに皆塵堂に預ける。預けた猫に会いにくる。彼を中心に、これまでの登場人物も活躍して、人間関係もどんどん面白くなってきている。

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2017/06/24

皆塵堂4 次に死ぬのは 肝試しの後に 観音像に呪われた男 煙草の味 三途の川で釣り三昧  皆塵堂に、子猫が次々やってきて、最終的に巳之助が、長屋で猫を飼えるようになった話。  

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2017/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経師屋の仕事を休み、引きこもる幸七の恐れているものとは。 蕎麦屋の仕事が手につかない竹次郎の悩み。 茂蔵の足を引っ張る呪いの観音像。 煙草の味が変わる煙管が伝えることとは。 庄三郎に会いに来た喜八の頼みごと。 読んで行くうちにどんどん皆塵堂に猫が増えていく。いったいどこまで増えるのか。 猫まで個性的でその描写が楽しい。 「目の前の煩い事から逃げ出したところで、それで苦しみが終わる訳じゃないらしい。もし、あの世があるとするならば、それはこの世の続きでしかないようだ。」

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2022/07/21

久しぶりの再読。 幽霊や怪現象付きの『曰く品』も構わず扱う古道具屋《皆塵堂》の物語第四作。 これまでは様々な事情を抱えた男たちが《皆塵堂》に居候するうちに再生していく展開だったが、今回居候するのは猫たち。 一つ事件が片付く度に《皆塵堂》に残るのは猫、猫、猫。沢山の猫たちの行く末は...

久しぶりの再読。 幽霊や怪現象付きの『曰く品』も構わず扱う古道具屋《皆塵堂》の物語第四作。 これまでは様々な事情を抱えた男たちが《皆塵堂》に居候するうちに再生していく展開だったが、今回居候するのは猫たち。 一つ事件が片付く度に《皆塵堂》に残るのは猫、猫、猫。沢山の猫たちの行く末は? それにしても《皆塵堂》が片付いているだけで自分は実は死んでいるのでは?と清右衛門が勘違いするとは、どれだけ普段が汚いのかと笑ってしまう。 どんなに大変な状況でもマイペースな伊平次や勢いの巳之助やいざという時は頼りになる太一郎や、超現実主義な峰吉らがいれば、今日も大丈夫と思える。 幽霊が出てこようが、猫だらけになろうが、店の中はゴミ溜めみたいだろうが、気にするなという、そういうユルさが楽しい。

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2017/02/25

何だかドンドン登場人物、名前が増えてくなぁ 人か猫かどっちだっけ、となる笑 今回主役は猫 皆塵堂に集って巣立っていくのね、やっぱり

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2016/11/22

シリーズ4作目。1話目、自殺しなければならないほどの不幸に追いやった者たちに、遺髪を介して呪い殺す、ガツンとくる話からスタートするが、今回は、全話通して豪快な巳之助を中心とした話で、スカッと読み終えた。さらに各話、猫を絡めた不思議もあり、出るわ出るわ、猫・猫・猫と猫だらけ!鮪助の...

シリーズ4作目。1話目、自殺しなければならないほどの不幸に追いやった者たちに、遺髪を介して呪い殺す、ガツンとくる話からスタートするが、今回は、全話通して豪快な巳之助を中心とした話で、スカッと読み終えた。さらに各話、猫を絡めた不思議もあり、出るわ出るわ、猫・猫・猫と猫だらけ!鮪助のお手柄もあり、とても楽しい巻でした!

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2016/09/06

シリーズ第4弾。 一つ一つのお話がちょっと消化不良か…?なんて思いましたが、さすが輪渡さん!最後にマルっと全部回収してスッキリ! この巻から一気に猫小説らしさがUPしました(笑) 正直ホラー<猫小説と化してます… 猫が絡んだときの太一郎の扱いのひどさに、思わず笑ってしまいました...

シリーズ第4弾。 一つ一つのお話がちょっと消化不良か…?なんて思いましたが、さすが輪渡さん!最後にマルっと全部回収してスッキリ! この巻から一気に猫小説らしさがUPしました(笑) 正直ホラー<猫小説と化してます… 猫が絡んだときの太一郎の扱いのひどさに、思わず笑ってしまいました…!

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