雪の鉄樹 の商品レビュー
主人公がなぜこのような状況にいるのか、徐々に明かされていくエピソードに引き込まれて一気に読み進めました。途中、読むのが辛くなるほど厳しい状況でしたが、ラストに救われた。
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読み始めから、この主人公の身に何が起こったのか気になって気になって仕方なかった、どんどん読みすすめていって最後はめちゃくちゃ感動しました。いい作品でさした。
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庭師の雅雪を取り巻く人々との不自然な関係が描かれていく。 卑屈と思われるほどに謙虚な雅雪は「俺の責任ですから」の言葉を繰り返し屈辱的な扱いにも耐えている。贖罪のためなのか、過去に何があったのかが気になり先を読み急ぐ。 次第に明らかになる生い立ち。そして全てが明らかになった時、雅雪...
庭師の雅雪を取り巻く人々との不自然な関係が描かれていく。 卑屈と思われるほどに謙虚な雅雪は「俺の責任ですから」の言葉を繰り返し屈辱的な扱いにも耐えている。贖罪のためなのか、過去に何があったのかが気になり先を読み急ぐ。 次第に明らかになる生い立ち。そして全てが明らかになった時、雅雪の哀しみに圧倒された。 その哀しみは雅雪だけではない。 親の愛を感じられずに育った子どもたちの哀しみと愛を求める一途さに胸が塞がる。その一途さが歪んだ形で表れるとき‥‥哀しすぎる。
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7月2日から7日までのたった6日間の話なんですが… 詳しくは語られないまま話は進みます。 中学生の遼平と祖母 庭師の雅雪 遼平の両親は殺された…らしい 雅雪は加害者と関係してた…らしい 雅雪は13年間ひたすら償い続けてる…らしい 全てが らしい なのである(*_*) いつ...
7月2日から7日までのたった6日間の話なんですが… 詳しくは語られないまま話は進みます。 中学生の遼平と祖母 庭師の雅雪 遼平の両親は殺された…らしい 雅雪は加害者と関係してた…らしい 雅雪は13年間ひたすら償い続けてる…らしい 全てが らしい なのである(*_*) いつわかるのか?いったい何があったのか? 13年間の回想はあるけど肝心な事件の事がわからないから気になって読む手が止まらない。 初めて読む作家さんでちょっと重く暗い作品が多い らしい…笑 なぜ図書館でこの本を手にしたのか… 何かしら感じるものがあった…らしい 最後は救いのあるラストでホッとしました(u_u) 遠田潤子さんクセになりそう…
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最初から話が全く見えず、断片的にいくつかのキーワードがあるのみで、何度もやめようかと思った。 が、気になり、また読みすすめる、それを何度か繰り返し、ラスト近くで一気に話がまとまり動き出す。 あの話は遼平にしたのか? 7月7日までには、 この2つが大きなポイントになる。 親に...
最初から話が全く見えず、断片的にいくつかのキーワードがあるのみで、何度もやめようかと思った。 が、気になり、また読みすすめる、それを何度か繰り返し、ラスト近くで一気に話がまとまり動き出す。 あの話は遼平にしたのか? 7月7日までには、 この2つが大きなポイントになる。 親に気にかけてもらえず、何でも自分でしてきた雅雪は、両親がすでに亡く祖母に育てられている、遼平が赤ちゃんの頃から面倒を見てきた。そればかりでなく、借金も背負い、生活費の工面まで。 でも、それを大変なことであるのは事実なのに、遼平を育てることによって自分が、子供の頃経験できなかった数々を、経験させてもらえた、そう捉えるところが、彼の素敵なところだと思う。 言葉は悪いが、クソ真面目のバカ正直の雅雪から目が離せなかった。 最後一気に話が進むところで、ケチをつけるわけではないが、あんなに頑なに拒んでいた舞子が雅雪を受け入れることが、納得できなかった。 けど素直に雅雪が舞子と幸せに暮らしてほしいと切実に思う。
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遠田潤子さんのデビュー4作目だそうです。 つくづく、ストーリーテラーだと思いました。 そしてこの作品は構成と人物造型が特に巧だと思いました。 主人公の雅雪は造園業を営む家に生まれ、その家は男が代々女たらしの「たらしの家」と呼ばれていました。 雅雪は20歳の時から仕事の他にとある...
遠田潤子さんのデビュー4作目だそうです。 つくづく、ストーリーテラーだと思いました。 そしてこの作品は構成と人物造型が特に巧だと思いました。 主人公の雅雪は造園業を営む家に生まれ、その家は男が代々女たらしの「たらしの家」と呼ばれていました。 雅雪は20歳の時から仕事の他にとある事件の償いのために、生まれてすぐ両親を亡くし、祖母の文枝と二人暮らしの遼平の面倒を見ていました。 祖母の文枝の恨みは根深く、何かあるたびに雅雪を土下座させて謝らせ、遼平の前ではいいふりをしていますが、誰もいないところでの罵詈雑言はすさまじいものでした。 文庫解説の北上次郎さんは、この小説には誰も悪い人がいないのに皆不幸であると書かれていますが、私はこの祖母の文枝は雅雪を恨む気持ちはわかりますが、裏表がありすぎて嫌悪感を感じずにはいられませんでした。 遼平は中学生になり、雅雪がとある女性をかばって(雅雪はたらしではありません)自分たちのために尽くしているという真実を知り、ヤケになりますが、雅雪は少しづつ自分の過去の話を遼平にしていきます。 遼平と雅雪の間には12年間に渡る交流と、雅雪の真実の告白によって絆というか、確かに信頼が生まれていました。 雅雪が負ってきた罪の償いは、遼平を一時的に傷つけましたが、結果は奇跡を生んだと思いました。 事件の被害者と加害者のこれ以上ない和睦が生まれました。
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重くて暗くて辛い。雅雪が舞子の代わりに償う長い物語。食べた後のお皿を灰皿替わりにするのはそんなに最低の事なの?喫煙者が周りにいないので知らなかった。ずっと意思疎通できなくても思い続けるって一途なのか重いのか分からなくなった。
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内容(「BOOK」データベースより) 母は失踪。女の出入りが激しい「たらしの家」で祖父と父に育てられた庭師の雅雪は、両親を失った少年、遼平の世話をしてきた。しかし遼平の祖母は雅雪に冷たく当たり続ける。雅雪も、その理不尽な振る舞いに耐える。いったい何故なのか?そして14年前、雅雪が...
内容(「BOOK」データベースより) 母は失踪。女の出入りが激しい「たらしの家」で祖父と父に育てられた庭師の雅雪は、両親を失った少年、遼平の世話をしてきた。しかし遼平の祖母は雅雪に冷たく当たり続ける。雅雪も、その理不尽な振る舞いに耐える。いったい何故なのか?そして14年前、雅雪が巻き込まれた事件の真相は?耐え続ける男と少年の交流を軸に「償いと報い」を正面からとらえたサスペンス。 終始、暗くて重くて 読んでいると気が滅入ってしまいます。 けれど、読み進めていくと少しずつ内容がわかっていくといった感じなので 何がどうなるのか気になって読み進めていました。 けれど 主人公の雅雪には共感も感情移入も出来ないまま 読み終わってしまいました。 育てられ方によっては 人は雅雪のような考え方になってしまうのでしょうか? ラストに舞子となにもかもこれから始められそうなので良かったと思えたのと 遼平がちゃんと育ってくれているのは雅雪にとって救いになっているのではないかと思いました。
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苦しかった。ただひたすら苦しかったが、ページをめくる手が止まらなかった。 なんで雅雪はこんなにも理不尽な仕打ちに耐えなければならないのか。その疑問を早く解決したいとの一心で夢中のになって読んだ。 曽我造園を祖父と2人で営む3代目の雅雪。腕は確かだが、周りからは『たらしの家...
苦しかった。ただひたすら苦しかったが、ページをめくる手が止まらなかった。 なんで雅雪はこんなにも理不尽な仕打ちに耐えなければならないのか。その疑問を早く解決したいとの一心で夢中のになって読んだ。 曽我造園を祖父と2人で営む3代目の雅雪。腕は確かだが、周りからは『たらしの家』と蔑まれていた。祖父も雅雪の父も女をたらし込み、雅雪が小さい頃から女の出入りが激しかった。 雅雪は島本家に理不尽な扱いを受けながらも、金銭面において支援し続け、そこの孫である遼平という少年に対しずっと親代わりとなり面倒をみてきた。遼平だけは雅雪に懐いていた。遼平だけは雅雪の心の拠り所であった。しかし、そんな遼平も同級生から真実を聞き、雅雪に反抗的な態度をとるようになった。それでも雅雪は耐え凌いだ。13年待ち続けた7月7日を心の支えに。13年前に何があったのか。そして遼平とは分かり合える日がくるのだろうか。 読み終えて、全ての謎が解けた時にはここまで雅雪が耐えてきた理由がわかったが、同時に誰が悪いのだろう、誰も悪くなかったのではないかと、やるせなくなった。それでもラストには喜びで打ち震えた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公は曽我雅雪。祖父のやっている曽我造園の三代目だ。彼はいつも自分のせいとすべてを諦めてしまう。父が亡くなったのも、島本遼平の両親が亡くなったのも・・・彼の人生は償いに費やされ、13年という年月、遼平と祖母の文枝のために生きてきた。ただ一人、雅雪の愛した舞子と会える日を待ちつつ・・・ 読みながら、なんでこんなに・・・と何でも自分のせいという雅雪が理解できず、彼の人生って・・・と思っていたが、ラスト、家族の愛情に恵まれず育った雅雪にとって遼平と過ごした13年は決して無意味ではなかったと分かった。
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