雪の鉄樹 の商品レビュー
ラストでは「よかったな雅雪!」と思わず声に出していた。 「アンチェルの蝶」で心を鷲掴みにされた、しかし近著の「泣いて血を吐く」では見事にスベったのも確かでその際次作に期待と感想を述べた。 そんなこともあってサスペンスの趣旨とは別のところで(とっちらけないかと…)手に汗握るスリリン...
ラストでは「よかったな雅雪!」と思わず声に出していた。 「アンチェルの蝶」で心を鷲掴みにされた、しかし近著の「泣いて血を吐く」では見事にスベったのも確かでその際次作に期待と感想を述べた。 そんなこともあってサスペンスの趣旨とは別のところで(とっちらけないかと…)手に汗握るスリリングさを味わえたがどうやら杞憂に終わったようで先ずは一安心。 なぜそこまでこだわるか?それは荒削りながら正統派ロマンノワールを継承しそこに女流のエッセンスを添えられる、遠田さんはそんな稀有な作家であるからだ。 寡作でよい、いいものをじっくりと描いて欲しいと思う
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『アンチェルの蝶』に続く遠田潤子の作品。相変わらず昏く、救いようのない登場人物たちの話。全編に立ち込めるやりようのなさがあるぶん、最後の最後に救われた思いになった。大きな物語ではない。ささやかな物語に微かな光明がみえた。読了後、立派な蘇鉄の樹を見てみたくなった。
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【ネタバレ】とにもかくにも主人公の態度が腑に落ちないんですよね。そこまでせなあかんのか?と。うじうじした子供にもイライラさせられるし。結末直前まで陰々滅々してるくせに、取って付けたようなハッピーエンドがまた納得できませぬ。
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初めて読む作家さんでした。 最後まで分からない事だらけで、 はやく先を読みたいと思わせる作品でした。 この作家さんの他の話も読みたくなりました。
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結構、重い作品で読み進めるのに苦労をしたが読了後は心が晴れやかになった。前作の『鳴いて血を吐く』も重かったが同じくらいこの作品も重い。人間の怨念はすごく怖い。人ってこんなに冷酷になるんだとすら思ったりもした。雅雪の行動は偽善かもしれないがそれをする事により少しでも罪滅ぼしになればと思ったのだろう。そういう事を考えると余計につらい。雅雪・遼平、そして舞子も幸せになってほしい。これ以上、苦しむ事が無い事を願う。
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