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教育心理学概論 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/07/10

繰り返し読み。 アジャイル開発のカンファレンスで紹介されていたことと、自身が OJT トレーナーになったこともあり、読み込んでみた。 この本は「学習過程」についての本である。学習過程とは、人の経験則が原理原則にまで磨き上げられ、到達するまでのプロセスのことだ。 構成としては ...

繰り返し読み。 アジャイル開発のカンファレンスで紹介されていたことと、自身が OJT トレーナーになったこともあり、読み込んでみた。 この本は「学習過程」についての本である。学習過程とは、人の経験則が原理原則にまで磨き上げられ、到達するまでのプロセスのことだ。 構成としては 4 部立てとなっており、1 部は人が生まれながらに学ぶ仕組みを持っていること、2 部は人がうまく育つ「場」では何が起きているのかについて、3 部はそれまでの内容が授業でいかに実践されているか、4 部は教育心理学の展望について語られている。 学習過程を前に進めるための方法として「言葉にすること」が挙げられており、なかでも対話がクローズアップされている。 ここでいう対話というのは対面での発話によるコミュニケーションのことだが、個人的には文章でもよさそうだなと感じた。もっというと、日記を書いたり、本に書き込みを入れたり、生成 AI で壁打ちをするのでもいいと思う。形式はどうあれ、とにかく考えていることを自身の外に出すのが重要なはずだ。 また、特に 3 部など、子供の学習過程が取り上げられていることが多いが、大人に対しても適用できる内容かなと思った。 とにかく、発言の生まれる場や仕組みづくりの参考になることは間違いない。 ちなみに、1 部で例として出されているミシンの仕組みを理解するプロセスについては、問題解決のバイブルとされている(?)ワインバーグ『ライト、ついてますか』でも取り上げられているらしいが、まだ確認していない。

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2021/02/21

ある対象の知識を得るための学びではなく、「学び方」自体を学ぶというメタ・アプローチの重要性は日々高まっている。 その「学び方を学ぶ」方法論や実践例がわかりやすく纏められている本書は、「教育」という分野に明示的に関わっておらずとも一読の価値ありだ。 私はソフトウェア開発の業界に...

ある対象の知識を得るための学びではなく、「学び方」自体を学ぶというメタ・アプローチの重要性は日々高まっている。 その「学び方を学ぶ」方法論や実践例がわかりやすく纏められている本書は、「教育」という分野に明示的に関わっておらずとも一読の価値ありだ。 私はソフトウェア開発の業界に身を置いているが、本書で語られる内容はまさに経験主義であり、ペアプログラミングであり、モブプログラミングであると感じた。 おそらく、他の分野でも「これって、あれだよね」と当てはめられる場面があるだろう。(そしてそういった営み自体が、主体的で多角的な学びにつながるのだ)

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2019/01/24

放送大学教養学部心理と教育コースへ入学して一番最初に履修した科目である。選択した理由は、三宅芳雄先生を直接存じ上げているのと、シラバスに書かれてある言葉に惹かれたからである。 シラバスには「この講義を履修して理論的研究者のものの考え方や、実践的研究者の目の付けどころそれぞれの強み...

放送大学教養学部心理と教育コースへ入学して一番最初に履修した科目である。選択した理由は、三宅芳雄先生を直接存じ上げているのと、シラバスに書かれてある言葉に惹かれたからである。 シラバスには「この講義を履修して理論的研究者のものの考え方や、実践的研究者の目の付けどころそれぞれの強みを良く吟味しておくと、より高度な実践研究に取組むための、良い準備になるだろう。」とある。理論的研究者のものの考え方と実践的研究者の目の付けどころを、しっかりと学びたいと思ったからである。 その目的は、叶えられた。 コール『文化心理学ー発達・認知・活動への文化ー歴史的アプローチ』とブランスフォード『授業を変えるー認知心理学のさらなる挑戦ー』を更に読み進める気を起こさせてくれた。 前書きに「教育心理学は、人が賢くなる仕組みを明らかにして、人をより賢くするにはどうしたらいいのかを探る研究分野である。」とあるが、勉強してとても得るところが多かった科目である。 なお、「スタンダードな教育心理学とは少しおもむきの違う教材だが、受講するひとりひとりの方が、それぞれの場で、実践的な研究に携わっていくための基礎固めの一助になれば、と願っている。」とある。

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2018/10/09

教育心理学の変遷と今後の展望が分かりやすく説明されていた。本書では、学びとはどういうものなのかということを説明し、その学びが起こる様々な状況に言及している。 その後、主に教育現場で学びがどのような学びを起こすべきかを述べて、学校教育はどのような学びの環境を整えるべきかを提言してい...

教育心理学の変遷と今後の展望が分かりやすく説明されていた。本書では、学びとはどういうものなのかということを説明し、その学びが起こる様々な状況に言及している。 その後、主に教育現場で学びがどのような学びを起こすべきかを述べて、学校教育はどのような学びの環境を整えるべきかを提言している。

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2018/06/18

インストラクターの仕事をしていた頃、あれこれ考えた事についつ、きちんとした研究成果として示されていて、とても興味を掻き立てられました。

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2017/02/02

一人一人、生まれてから何を経験して何を学んできたかにより、同じことを教わったり同じ本を読んだりしても、そこから何を学び取れるかが異なる。年齢や個人差により異なるそれぞれの「学び」をより効果的に効率よく教育として提供する基となる考え方の、概要がつかめる。 専門用語は比較的少なく、平...

一人一人、生まれてから何を経験して何を学んできたかにより、同じことを教わったり同じ本を読んだりしても、そこから何を学び取れるかが異なる。年齢や個人差により異なるそれぞれの「学び」をより効果的に効率よく教育として提供する基となる考え方の、概要がつかめる。 専門用語は比較的少なく、平易な言葉や日常のよくある例を用いての説明が多く、わかりやすい。

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2016/02/16

『心理学は「理論を作る」研究領域ではなく… (p.4)』はとても賛同できない。教育心理学においてはその対象が教育という実践の場であるので理論が作りにくいというのであれば分かるが,「心の理学」でないことが,外野から見て心理学が生産的でないと断じられる側面は否定できないと思う。 ...

『心理学は「理論を作る」研究領域ではなく… (p.4)』はとても賛同できない。教育心理学においてはその対象が教育という実践の場であるので理論が作りにくいというのであれば分かるが,「心の理学」でないことが,外野から見て心理学が生産的でないと断じられる側面は否定できないと思う。 ***** 「子どもたちにこういう教え方をしたら必ずこうなる(はず)」という一般理論は成り立たない。(p.4)

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