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クマにあったらどうするか の商品レビュー

4.4

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/06/04

違う理由で手に取った一冊だが… ものすごく為になった(笑) 実体験に勝る説得力はなし 熊をお師匠さんと呼ぶアイヌ最後の熊打ち… なんだか矛盾があるような気もしたが読んでみると、成る程ねってところでしょうか。 相手を知るには対等に向き合うこと、受け入れること…それはとても大事なこ...

違う理由で手に取った一冊だが… ものすごく為になった(笑) 実体験に勝る説得力はなし 熊をお師匠さんと呼ぶアイヌ最後の熊打ち… なんだか矛盾があるような気もしたが読んでみると、成る程ねってところでしょうか。 相手を知るには対等に向き合うこと、受け入れること…それはとても大事なことなんだと改めて考えさせられた一冊でしたとさ。

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2016/01/03

65年もの狩人生活の中で約60頭ものクマを仕留めてきた姉崎等氏と、アイヌ語研究者でもある片山龍峯氏による対談本。 アイヌの村で育った姉崎氏の幼少期の話や、そこで見聞きしたアイヌ独特の儀式や知恵、自身の戦争体験、更には氏が協力した北海道大学のヒグマ調査の話題まで、本当に人ひとり分の...

65年もの狩人生活の中で約60頭ものクマを仕留めてきた姉崎等氏と、アイヌ語研究者でもある片山龍峯氏による対談本。 アイヌの村で育った姉崎氏の幼少期の話や、そこで見聞きしたアイヌ独特の儀式や知恵、自身の戦争体験、更には氏が協力した北海道大学のヒグマ調査の話題まで、本当に人ひとり分の「人生」に触れてしまったような、濃密な読書体験でした。 姉崎氏が村田銃1丁で対峙するヒグマは、単なる狩りの獲物ではなく、かと言って神格化し過ぎるわけでもなく。自分と同じように知恵と感情を持ったひとつの“命”としてクマと向き合ってこられたんだなあというのがひしひしと伝わってきて、姿勢を正さずにはいられません。 漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル/ヤングジャンプコミックス)でアイヌ文化に興味を持ち始めた方にも是非おすすめしたい1冊です。

Posted byブクログ

2018/07/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クマ猟師、姉崎等さんへの、2年間にもわたる片山龍峯さんのインタビューをまとめたものです。片山さんはドキュメンタリー映像作家であり、綿密な取材力で知られる方らしく、その姿勢が率直に現れています。 同じような質問を何度か繰り返しているのも、前回腑に落ちなかったところを、時間をおいて再度尋ねているから。本としてはまとまりにかけるところがあっても、それは姉崎さんと片山さんとの信頼関係が深まっていく様子のドキュメントなのです。 クマは地上で最も優れた生き物のひとつ。本来人を襲う動物ではなかったのに、人間がクマの領域に立ち入って住処を脅かしたために軋轢が生まれてきた。 知床で番屋の猟師さんたちとクマが共存しているのはなぜななのか、映像だけでは分からなかったけれど、ここでは答えが明かされています。 北海道は自然がたくさんあると思っていたけれど、生きた自然は少なく、えさであるドングリやコクワの実らない、「死んだ森」にはクマが住めないこと。 いったん人の食べ物を覚えたクマの恐ろしさ。 実際に襲われたときの対処法も、きちんと書いてありますが、山とクマを知り尽くした人がとれる行動のようです。 そして、賢者のクマは人前に姿を現すことはないこと。 一番心が痛んだのは、薬剤散布によって虫やネズミが駆除され、ウサギが奇形になり、それをえさにする動物もまた被害を受けたこと。虫も飛ばない森には木の実も成らないこと・・・。 文庫版はカワイイ表紙になっていますが、内容はリアルで、シビアで、現実的です。姉崎氏の揺るぎない哲学と、真摯な取材が伝わって、人生の書ともいえる内容になっています。

Posted byブクログ

2015/11/23

クマはお師匠さん、と姉崎等さんは言います。 こわいもの、と思っていたけれど、人間の都合で熊も困ってるのね。

Posted byブクログ

2015/11/15

読んでよかった! すごく良かった! 12歳から77歳まで、65年間もクマ撃ち(ハンター)として生きてきた姉崎さん。 姉崎さんご自身は、屯田兵とアイヌ民族女性とのハーフで8歳のころから蘭越~千歳周辺のコタンで育つ。 ハーフであったため伝統的な狩猟についてはなかなか教えてもらえず、...

読んでよかった! すごく良かった! 12歳から77歳まで、65年間もクマ撃ち(ハンター)として生きてきた姉崎さん。 姉崎さんご自身は、屯田兵とアイヌ民族女性とのハーフで8歳のころから蘭越~千歳周辺のコタンで育つ。 ハーフであったため伝統的な狩猟についてはなかなか教えてもらえず、結果として単独行動をする珍しいハンターとなり、「クマは私のお師匠さん」「クマの心がわからなければクマは獲れない」という姉崎さんの言葉に繋がる。 徹底的にクマの行動を観察し経験を積んだ実証主義の姉崎さんから聞くからこそ、納得せざるをえない数々の言葉…。 この1冊だけで <1>姉崎等さんのアイヌ民族最後のクマ撃ちとしての人生を振り返り <2>姉崎さんの経験から、クマの習性やクマにあったときの対処法を学び <3>クマと人間との共生とは、どのような状態を目指せばいいのかを考える という3つに触れることが出来る、とても充実して贅沢な内容! 「少数民族について」とか「北方民族圏の生活」とか「知里真志保の著作」とか…知りたいことはいっぱいあったのに、それぞれがあまりにも学問として広範囲で深くて、取っ掛かりが掴めず全然手に負えなかったけれど、今回、姉崎さんと片山さんのインタビュー形式で「姉崎等さん」という方の人生に触れたことで、少し扉が開けた! 本当に、読んでよかった~。

Posted byブクログ

2015/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クマが怖いので読みました。ヒグマは身長2,5~3m 時速60kmで走れ、9mもジャンプします。 クマにあったらどうするか、この本で学べたけど、とにかく絶対あわないように心がけて生きていきます!!

Posted byブクログ

2015/01/08

人間って、本当は賢く勇敢な生物だったんだ!と思わせてくれる、姉崎さんの語り。一子相伝でもいい、こういうナレッジは残すことはできないの? インタビュアーはアイヌ語や習慣をとても勉強していて、姉崎さん、アイヌ文化への尊敬の思いがよくわかる。私たちに伝えようと、わかりやすく文章を構成し...

人間って、本当は賢く勇敢な生物だったんだ!と思わせてくれる、姉崎さんの語り。一子相伝でもいい、こういうナレッジは残すことはできないの? インタビュアーはアイヌ語や習慣をとても勉強していて、姉崎さん、アイヌ文化への尊敬の思いがよくわかる。私たちに伝えようと、わかりやすく文章を構成してくれて、ありがとうございました。

Posted byブクログ

2014/10/12

私はクマが怖い。クマが恐くて北海道旅行したことがないくらい恐い。クマが人を襲ったニュースを観るたびに、自分が襲われたらどうしようかとシュミレーションして、そのなす術なさに絶望している。吉村昭の「羆嵐」はトラウマ本中のトラウマ本。そんな私に一筋の光明がさすようなこの本の題名。「クマ...

私はクマが怖い。クマが恐くて北海道旅行したことがないくらい恐い。クマが人を襲ったニュースを観るたびに、自分が襲われたらどうしようかとシュミレーションして、そのなす術なさに絶望している。吉村昭の「羆嵐」はトラウマ本中のトラウマ本。そんな私に一筋の光明がさすようなこの本の題名。「クマにあったらどうするか」。こんな素晴らしいハウツー本があったとは! 内容は、大正12年生まれのクマ猟師歴65年の姉崎さん(2013年死去)が語ったクマにまつわる話。アイヌ民族の間で育ったが、父は和人だったため、あいのことして差別を受けたこともある。12歳から一家を支えるためにクマ猟師に。。。 雪山でクマ狩りをする際のサバイバル術(ビニール袋を風よけにして雪山でビバーク!)から、生物学者顔負けの実証精神を以てのクマ生態分析、アイヌのしきたりなど、この本でしか読めない内容ばかりでもの凄く面白い! そしてクマにあったときの10か条も簡潔に纏められている。聞き書きをした片山さんも、もう故人だとか。 しかし、こういうローカル中のローカルな情報が一冊の本に纏められて、それが次の世代に引き継がれていくというのは、深い意義があることだな、とつくづく感じさせられた。

Posted byブクログ

2014/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アイヌ最後の猟師といわれる姉崎等氏による語り。淡々とした口調で、猟師から見たクマの生態を教えてくれる。単独で山に入り、獲物を獲るというシンプルな行動原理が恐ろしくまっすぐで強靱である。こうしたドキュメンタリーは魅力的だ。

Posted byブクログ

2014/08/23

こういうのが知恵であり、文化なのだと思う。 少数民族の文化がなくなるということは、こういう知恵が失われていくということ。 グローバル化と文化の均一化は、文化的な貧しさにつながるのだろうなということを考えてしまった。 狩猟の対象であるクマを、神様として家に迎えるという考え方は、...

こういうのが知恵であり、文化なのだと思う。 少数民族の文化がなくなるということは、こういう知恵が失われていくということ。 グローバル化と文化の均一化は、文化的な貧しさにつながるのだろうなということを考えてしまった。 狩猟の対象であるクマを、神様として家に迎えるという考え方は、自然の中で、動物たちと共生してきた人間だからこそ生まれる文化だと思う。

Posted byブクログ