ぼくの守る星 の商品レビュー
「本当は水中で必死に水を必死にきている水鳥みたいに、見えないところで誰よりも、もがいていたということだろうか」。(89ページ) ディスレクシアという「特徴」のせいで、普通の学生生活を必送っているふりを必死にしている主人公。苦しんでいるのに、自分より他人を心配出来るのが彼の「特技...
「本当は水中で必死に水を必死にきている水鳥みたいに、見えないところで誰よりも、もがいていたということだろうか」。(89ページ) ディスレクシアという「特徴」のせいで、普通の学生生活を必送っているふりを必死にしている主人公。苦しんでいるのに、自分より他人を心配出来るのが彼の「特技」。 周りの人間も、人知れず苦しんでいること、悩んでいることがあるけれど、 一生懸命に前を向いて歩んでいく。そんな物語り。
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中2男子の主人公は、自分がディスクレシア である事を 周りに気づかれないように、毎日気を張って生きている。 夢のような希望の言葉にすがる母と、 見て見ぬふりの何もしない父。 幼い娘を亡くして喪失感を抱えた両親に育てられた同級生、 障害を持つ弟と無理心中しようとした母と二人で暮らす少女。 それぞれが出口の見えない不安に潰されそうになりながら足掻いている。 その中で、ごく自然に、主人公の男の子が、自分が生まれた意味、生きる理由を見つけていく。じんわりとあたたかい読後感。 中高生やその親に読んでほしいなー。
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もし自分の子どもに障害があったら、苦しいだろうなあ。受け入れられるまでは。学習障害のある男の子を中心に、本人、母親、友人、父親などの思いが浮き彫りになっていく。みんな苦しそうだ。でも彼の存在に助けられている友人もいる。最後には彼にも守りたい存在ができる。お互いに守り、守られ、人は生きているんだなあ。 彼のお母さんに伝えたい。できないことを無理に隠そうとしなくていいんです。彼の思いに寄り添ってあげるだけでいいんです。彼は生きる力を持っています。お母さんはもっと堂々と胸を張って生きてください。
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図書館で借りたもの。 ディスレクシア(読み書き困難)のため生きづらさを抱える翔。息子のハンディキャップを受け止めきれずにいる両親。家族関係に悩みを抱えるクラスメイトの山上と中島。人生のはじまりの時間を生きる少年少女たちと、人生のとまどいの時間を生きる大人たち。それぞれの思いが交差...
図書館で借りたもの。 ディスレクシア(読み書き困難)のため生きづらさを抱える翔。息子のハンディキャップを受け止めきれずにいる両親。家族関係に悩みを抱えるクラスメイトの山上と中島。人生のはじまりの時間を生きる少年少女たちと、人生のとまどいの時間を生きる大人たち。それぞれの思いが交差した先に灯る、小さな光を描く連作短編集。 どの話も読み終わった後にじんわり心が暖かくなるような読後感。 「山とコーヒー」「ぼくの守る星」が特に良かった。
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ディスレクシアの少年、そのまわりの人々が抱える悩みを綴った短編集。 それぞれの切実な悩みが伝わって欲しい人に伝えられない不器用さなどとても切ないけどその根底にある優しさにはぐっときました。
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講談師、神田茜さんの本。とても読みやすかった。 各章ごとに、異なる登場人物の目線から話が進行するところは「Wonder」という本と同じだなと思った。 最後は、私には意外な結末だったが、ハッピーな気持ちになれる良いエンディングだった。
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学習障害を持つ中学生の翔。学校や家庭の中での戸惑い、悩みに溢れる生活を描いている。翔本人の目線、親の立場から見た姿、同級生にもある悩みとその日常…。翔のまっすぐさがとても気持ちよくて、いっき読み。この著者の本は他にも読んだけど、こんな話も書くとは知らなかった。いい読後感。
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識字障害の中学生を中心として、その周りの人たちにもスポットを当てている。 色々な障害に苦しんでいる人が、実は沢山いると思う。 そこを、普通に優しく見つめている感じの作品で、良かった。 最後は少し唐突な印象ですが・・・。
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「ディスレクシア」(読み書き困難)に悩む少年が主人公。ありがちなじめっぽさがなく、好感の持てる筆致。主人公以外の登場人物も皆それぞれの事情を抱えながら懸命に生きているさまがリアルに描かれていて、愛おしい気持ちになる。 主人公の少年を、天才でもなんでもない等身大の平凡な少年として描...
「ディスレクシア」(読み書き困難)に悩む少年が主人公。ありがちなじめっぽさがなく、好感の持てる筆致。主人公以外の登場人物も皆それぞれの事情を抱えながら懸命に生きているさまがリアルに描かれていて、愛おしい気持ちになる。 主人公の少年を、天才でもなんでもない等身大の平凡な少年として描いていて、「あなたにも何か得意なことがあるはずよ!あなたは特別なのよ!」と迫る母親とのギャップが切ない。 「障害を持っている代わりに天才」という設定はよく映画や小説などにあるし、俳優などの有名人にもそういう人がいるけど、実際はこういう人が多いんだろうなあ。 そういう人たちが幸せに生きられる社会ってどんな社会だろう?障害を含め、それぞれの生き辛さを抱える多様な人々が居場所を見つけられる、そんな社会にするにはどうしたらいいんだろう?と考えさせられた 。
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識字障害をもつ中2の翔。 本人目線と、親目線、友達目線からの話。 優しい翔と、何かしらの苦しみを抱えた人たちの温かい関係に和む。 障害は確かに障害になるかもだけど、個性として発揮できれば、、 まぁ我が子が識字障害を持ってたら、ショック←この時点で受け入れることができてない、てなこ...
識字障害をもつ中2の翔。 本人目線と、親目線、友達目線からの話。 優しい翔と、何かしらの苦しみを抱えた人たちの温かい関係に和む。 障害は確かに障害になるかもだけど、個性として発揮できれば、、 まぁ我が子が識字障害を持ってたら、ショック←この時点で受け入れることができてない、てなことになるんだろうけど、本の中でも母親は苦しんでいる。そのすがたはリアルで、だからこそ心に残る。よい本だと思う。
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