ジブリの教科書(6) の商品レビュー
映画は大人になってから初めて視聴。同じ体験をした記憶はないのに、なぜだかどのエピソードにも共感でき、思い出の中にある似たような記憶を辿り始めていた。シワと思っていた顔の線が頬骨だった、高畑監督は紅花に詳しくなりすぎて研究者にも一目置かれる程の凝り性だったなど、面白いエピソードが...
映画は大人になってから初めて視聴。同じ体験をした記憶はないのに、なぜだかどのエピソードにも共感でき、思い出の中にある似たような記憶を辿り始めていた。シワと思っていた顔の線が頬骨だった、高畑監督は紅花に詳しくなりすぎて研究者にも一目置かれる程の凝り性だったなど、面白いエピソードが盛りだくさん。宮崎駿が冒険活劇を求めたのに対して高畑勲は日常生活を追求した。徹底的に細部までリアリティにこだわったのはそのためだったのか。山田太一さんとの対談が特に興味深い。断念することによって強くなり、得られる幸福感がある。もっと何回も観て味わいたい作品。
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映画「おもひでぽろぽろ」は、アニメなのに写実的に描こうとした作品で、誰もが主人公のわらいじわに違和感を覚えるものだと思います。そんな監督の高畠勲さんが、最終的に(最後かどうかはまだわからないのですが)「かぐや姫の物語」で、逆に水彩画の絵本のような絵にいきつくというのも、面白いです...
映画「おもひでぽろぽろ」は、アニメなのに写実的に描こうとした作品で、誰もが主人公のわらいじわに違和感を覚えるものだと思います。そんな監督の高畠勲さんが、最終的に(最後かどうかはまだわからないのですが)「かぐや姫の物語」で、逆に水彩画の絵本のような絵にいきつくというのも、面白いです。 しかし、あらためてこの作品を振り返ってみると、もう妙子の思い出の場面は、だいぶ水彩のようなタッチだったんですね。いまさら気付いた。要するにこの作品はまるでタッチの違う絵が一つの作品になっているという意味でも画期的で、そのときの苦労話を「耳を澄ませば」で監督をした故近藤善文さんが語る文章も面白いです。 要するに、公開当初の記事から、書き下ろしの批評まで、まるごと一冊「おもひでぽろぽろ」本です。個人的には、村山由佳さんの文章が、作家さんらしい発想で書かれていて面白いです。
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アニメ制作って大変だろうと頭では思っていたけれど、想像を絶する世界だなあと改めて。思いもよらなかった。白の表現の豊かさ、表情の描き方、録音の仕方、背景の動かし方、音楽への気配り、わずか数秒のために費やされる膨大な労力……。頭が下がります。 それを知ることができただけで嬉しかった...
アニメ制作って大変だろうと頭では思っていたけれど、想像を絶する世界だなあと改めて。思いもよらなかった。白の表現の豊かさ、表情の描き方、録音の仕方、背景の動かし方、音楽への気配り、わずか数秒のために費やされる膨大な労力……。頭が下がります。 それを知ることができただけで嬉しかったのだけれど、自分がエンディングを誤解していたことにビックリ! いやーアレは誤解する人のほうが多いのでは? でも、真実が知れてよかったです。
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【スタジオジブリの隠れた名作、登場!】私はワタシと旅にでる。――27歳と小学5年生の自分との間を行き来しながら、タエ子は何をみつけるのか、岩井俊二らが読み解く。
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私の一番好きなジブリ映画は、おもひでぽろぽろだ。 ジブリ映画と括らずとも、好きな映画の中の一つ。 そのおもひでぽろぽろを、いろんな人が、いろんな視点から語る本です。 おもひでぽろぽろの制作に携わった人たちの仕事への情熱や、考え方や、必死さや、貫きようや、そして、その技術について...
私の一番好きなジブリ映画は、おもひでぽろぽろだ。 ジブリ映画と括らずとも、好きな映画の中の一つ。 そのおもひでぽろぽろを、いろんな人が、いろんな視点から語る本です。 おもひでぽろぽろの制作に携わった人たちの仕事への情熱や、考え方や、必死さや、貫きようや、そして、その技術について。 技術について、作画の方法を語っているのに、それは、一般的な仕事全部に当てはまる普遍的な仕事への考え方が伝わってくる。 やっぱり、一心に、こだわって仕事するってすごい。 そして、物語の分析もいろいろな人が。いやいや、それは違うよ!と思うよな解釈もあるが、どう捉えるかは、人次第ですからね。と思う。 高畑勲のはもちろんだが、ひょうたん島のがとてもいい。 人は傷ついたり、落ち込んだりしながら、なんやかんやして、なんとか、生き続けるのです。 「ぼくはこの映画を、観て楽しんでもらっているうちに、自分のこもが思われて来て、映画とのフィードバックが繰り返されていき、いつの間にか結局自分について考えてしまう、というような映画にならないかなあ、と思って作ったんです。」 P176 その通りになりました。 私はいつも、この映画を見る度に自分について考えてしまう。 「この映画では、「思い出」にひたるという叙情的な事ではなく、過去を自分の歴史、自分の一部として、今現在に生きている自分の中に位置付けようとしていく心の動きとしての「回想」を大切にしたいからです。」p186
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『おもひでぽろぽろ』の教科書を読むのをとても楽しみにしていた。 きっと解説が欲しかったのだと思う。 『おもひでぽろぽろ』は私にとってなんだかよく分からない話だった。 たしかテレビ放送を「思い出編」のタエ子と同じくらいの年齢の時に見たのだったと思う。 唯一鮮やかに記憶に残っているの...
『おもひでぽろぽろ』の教科書を読むのをとても楽しみにしていた。 きっと解説が欲しかったのだと思う。 『おもひでぽろぽろ』は私にとってなんだかよく分からない話だった。 たしかテレビ放送を「思い出編」のタエ子と同じくらいの年齢の時に見たのだったと思う。 唯一鮮やかに記憶に残っているのは「ひょっこりひょうたん島」のシーン。 それ以外は年齢が近かったはずの「思い出編」でさえあまり記憶に残っていない。 今回ジブリの教科書を読んでその理由がなんとなく分かったような気がする。 「思い出編」のタエ子が感じているちくちくした居心地の悪さをあの時の私は感じ取ったのではないか。 安心して見ていられたのは「ひょっこりひょうたん島」の場面だけだったのではないか。 そう考えると『おもひでぽろぽろ』をその後一度もちゃんと見返したことがないことも、そのことと無関係ではないような気がしてくる。 理解出来ない27歳のタエ子と、小学5年生のタエ子の不安が怖かったのかもしれない。 去年だったか「もう私たちはタエ子より年上だよ」という話を先輩とした。 その時の驚きをどう表現したらいいのか。 え?タエ子っていくつだったっけ?とまず思い、確かに今の私よりはきっと若いだろうと考え、フリーズ。 だからどうしたとか、今の自分とタエ子を比較してみるとか、そんなことは全く出来ず、ただただ真っ白。 「あ~、そうですね~」とかそんな言葉を口にしていたような気がする。よく覚えていないけど。 その時はタエ子は23歳くらいだったかなとか思っていたけど(話を覚えてないからこんなアホな勘違いをするわけで)、27歳ならまだそんなに変わらないじゃん(そう思っているのは私だけかもだが…)なんて開き直ったりもする。 それでもやっぱり27歳のタエ子は私よりも(精神年齢が)大人だったような気がして仕方ない。 本当のところどうだったのか。 この疑問はもう一度見ないと解決出来ないはず。 出来るだけすぐ見よう。 そう決意した。
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