キャバ嬢の社会学 の商品レビュー
キャバ嬢になるという著書の実経験を基に、この社会にある「カオとカネの交換システム」を解き明かそうとする一冊。 「女らしさ」がカネになるという現実は確かに存在し、それを「どこまで許せるか」は女性一人一人の判断によると主張する。 その意味では性を売り物にするキャバ嬢と彼氏の前で女らし...
キャバ嬢になるという著書の実経験を基に、この社会にある「カオとカネの交換システム」を解き明かそうとする一冊。 「女らしさ」がカネになるという現実は確かに存在し、それを「どこまで許せるか」は女性一人一人の判断によると主張する。 その意味では性を売り物にするキャバ嬢と彼氏の前で女らしく振る舞う一般の女性に明確な線引きはない。「全ての女性はキャバ嬢になりえる」これが印象的だった。 社会学というよりは、単なる一女性の潜入レポートと捉えた方が入りやすいと感じる。
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社会が豊かになって、酒がハレの日の飲み物ではなくなった。 社会学では、インタビューで、答えが社会的期待に沿ったものに変質してしまうことを重視する。
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女性の性風俗に興味のなかった著者が、社会学の見地から実際に体験取材していくもの。 キャバクラに夢を抱いてる人は読まないほうがよいかも。 そうでない人にとってはとても勉強になる一冊。
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リアルキャバ嬢体験記と考察。 キャバ嬢の着替え室はまさに代理体験。ユダや黒い太陽とは違った角度からキャバクラに行きたくなくなる本です。
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前半はキャバクラの歴史や文化、後半は著者が実際にキャバクラで働いてみての体験記や考察です。著者は修士論文を書くに際しての調査のためにキャバクラで働き始めたようで、素人から見たキャバクラが書かれています。男性を気分良くさせる会話術や、キャバ嬢同士に競争を促す店の構造など、全く知らな...
前半はキャバクラの歴史や文化、後半は著者が実際にキャバクラで働いてみての体験記や考察です。著者は修士論文を書くに際しての調査のためにキャバクラで働き始めたようで、素人から見たキャバクラが書かれています。男性を気分良くさせる会話術や、キャバ嬢同士に競争を促す店の構造など、全く知らない世界が広がっています。普段、キャバクラによく行く男性が店の裏側を知るために読むのもアリかもしれません。最後に、これは内容とは関係ないことですが、修士論文のためとはいえ自らキャバクラに潜入した著者の行動力に拍手を送りたいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者をTwitterで知り、確かこの本で認知度が上がったような記憶がある。 個人的にはこの後に出された『整形した女は幸せになっているのか』が気になっていたのだが、本屋でこの本しかなく、まずは手始めにということで購入。 キャバ嬢の内情を自らが体験し、その事実をもって彼女達の社会的な実情を解説するというもの。 キャバクラに特に興味を持っていないため(笑)、こういうものなのかと見知らぬ社会を覗き見たような感じである。 キャバ嬢ではあるが、キャバ嬢らしからぬ素振りを見せる事で客を惹き付けるといった素質またはテクニックなどはなるほどなと感心した。 あまり接する事のない人たちの考え方や行動についての知見を深めるには良い一冊だったかと思う。 次の著書に期待したい。
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そんなに女を虐げられた存在と思ってなかったから、作者の価値観に驚く。普通の若い女は自然と、男の気をひく態度、普段から使っている気がするけど…それを職業にしたのが、キャバ嬢で、時代のニーズ。 キャバ嬢の仕事が分かって面白かった。
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もっともらしい序文を書いているが、社会学的なルポとしては筆者の自分語りが多過ぎる。そりゃあ謎の出版社から発行だろうなぁというレベル。(失礼) 実録モノとして捉えると、大変社会勉強になる。 今時は、厳しくノルマを課すのではなくいかに使える商品として回していくかが大事らしい。 「キャ...
もっともらしい序文を書いているが、社会学的なルポとしては筆者の自分語りが多過ぎる。そりゃあ謎の出版社から発行だろうなぁというレベル。(失礼) 実録モノとして捉えると、大変社会勉強になる。 今時は、厳しくノルマを課すのではなくいかに使える商品として回していくかが大事らしい。 「キャバ嬢だけど普通の女の子」(だから若さしか売れないし、トークも期待しないでね)、「普通の女の子だけどキャバ嬢」(だから個人的な付き合いを求めないでね)、相反するメッセージを送り続けるしんどさ。この世界で生きていくことはできないと改めて思った。(誰にも求められてないけど)
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参与観察などの社会学的な視点や手法を本書を通して簡単に学ぶことができるのではないかという期待があったが、結論としてキャバクラの仕組みに詳しくなってしまっただけであると感じている。
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社会学とは「あぶりだし」みたいなものだと思う。つまりは我々が生きるこの社会において、普段は人々が無意識的に行っている行動や生活を、科学的アプローチに基づき、理論構築していく中で実証するものだと考える。 そこには成果があり、何かが明確に明らかになっていなくてはならないハズだ。 ...
社会学とは「あぶりだし」みたいなものだと思う。つまりは我々が生きるこの社会において、普段は人々が無意識的に行っている行動や生活を、科学的アプローチに基づき、理論構築していく中で実証するものだと考える。 そこには成果があり、何かが明確に明らかになっていなくてはならないハズだ。 さて本書はどうだろうか。 着眼点はものすごくいいし、筆者のようないたいけな女性(少なくともこの本を手に取る人はそう思っている)がキャバクラに潜入調査を試みたという話題性もある。 しかし、タイトルに社会学(ましてや修士論文)とある以上は、キャバクラ体験談に終始するのではなく、「科学」であって、「研究」であってほしかった。 とはいえ本書で彼女の評価を定めるのはまだ早いと思う。今後社会学者として、彼女の思う「研究動機」がどのように発展していくのか。そのことに注目していきたい。
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