地震と独身 の商品レビュー
東日本大震災から1・2年後にさまざまな独身者にインタビュー。どちらかと言うと女性へのインタビューが多いかな。 あの地震がさまざまな人の人生を変えた。私の人生にも確実に影響を与えたと思う。あの地震がなかったら多分転職していなかった気もする。 そこからもう10年以上経っているから、彼...
東日本大震災から1・2年後にさまざまな独身者にインタビュー。どちらかと言うと女性へのインタビューが多いかな。 あの地震がさまざまな人の人生を変えた。私の人生にも確実に影響を与えたと思う。あの地震がなかったら多分転職していなかった気もする。 そこからもう10年以上経っているから、彼らの人生がどのように流転しているか想いを馳せた。
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この方の事は、一時期耳目を集めた「負け犬の遠吠え」で知った。 ちょうどこの頃、中年独身女性作家達が世間に向けて気を吐く、というような作風の書き物が次々と発表されていたっけ。 このタイプのはしりは佐藤愛子さん辺りだったように思っているけれど、当時”女性は影で男性を支え...
この方の事は、一時期耳目を集めた「負け犬の遠吠え」で知った。 ちょうどこの頃、中年独身女性作家達が世間に向けて気を吐く、というような作風の書き物が次々と発表されていたっけ。 このタイプのはしりは佐藤愛子さん辺りだったように思っているけれど、当時”女性は影で男性を支えてこそ”、”男性にズケズケと物申すなど粗野の極み” という空気感の中で子供心に爽快感を覚えたものです。 時代は移り、男女雇用機会均等法が成立されて、女性たちも社会進出の可能性を与えられた、その第一世代の女性達がこの酒井順子さんや群ようさん達ではなかろうか。 「負け犬の遠吠え」を読んだ時、全くの当事者である私は、佐藤愛子さんのエッセイを読んだ時のように心の中で快哉を叫んだ訳では無かった。 作品は私にとっては少し痛々しくもあった。独身シングル女性の看板をひとりで背負って戦っているような勢いに 『そんなにハッキリと線引きするほどのことか? あからさまにして価値のあるものと、あからさまにする必要も無いものもあるのでは?』 という思いを抱いた。 「負け犬」のヒットから、女性誌に度々エッセイなどを投稿されていたが、その後の作品をいくつか読んだあと、興味を失って遠ざかっていた作家さんだった。 この度能登半島地震の影響か、災害関連のテーマの中にこの作品が置かれていた。 「負け犬の遠吠え」から10年後、東日本大震災後の独身たちをテーマにしたノンフィクションレポート。 そしてその11年後に再び酒井さんの作品を手に取ったことになる。 20年前の私は『そんなに勢い込んで書かずとも』と思った。もちろん酒井さんか伝えたいことは十二分に伝わってきたけれども。 受動的か能動的かの違いはあっても、女性として選択したものの違いと言うだけであり、それぞれに痛みや喜びがあるのだと思っていた。 でも、この度このレポートを読んで、これはもう種族が違うくらい違うな、と思った。 独身を選んだものと既婚者では。 核が「大規模震災」というものだったから、余計にくっきりと浮かび上がったのかもしれない。 もちろん固定されたものでは無いのだから、ここに登場した独身の方達が、その後結婚という形に変化することも可能だけれど。 いくつものケースを通して伝わってくるものは、実はタイトルとは関係ない。 やはり私にとって痛い作家さんだった。
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守るべき子どもがいない独身者が東日本大震災で何を感じ、何をしていたのかを調査したエッセイ。 インタビューに登場してきた「独身」が、フリーターや自称「音楽をやってる」などの自由人、根無し草の方ばかりで正直言って偏った話のようにも思えたけれど…。 とにかく心が疲れたときはアンパン...
守るべき子どもがいない独身者が東日本大震災で何を感じ、何をしていたのかを調査したエッセイ。 インタビューに登場してきた「独身」が、フリーターや自称「音楽をやってる」などの自由人、根無し草の方ばかりで正直言って偏った話のようにも思えたけれど…。 とにかく心が疲れたときはアンパンマンのテーマ曲を聴くと良いらしいことはわかりました。 参考にします。
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こういう本を読むと「あの日」を思い出さずにはいられないですねぇ…まだ四年ちょっとしか経っていないのに東京周辺に住んでいますとアレですね、あの日を忘れがちになってしまうんですなぁ…というわけでこの本もあの日を思い出す一助となってくれました…! ヽ(・ω・)/ズコー 被災地の様...
こういう本を読むと「あの日」を思い出さずにはいられないですねぇ…まだ四年ちょっとしか経っていないのに東京周辺に住んでいますとアレですね、あの日を忘れがちになってしまうんですなぁ…というわけでこの本もあの日を思い出す一助となってくれました…! ヽ(・ω・)/ズコー 被災地の様々な人に会ってインタビューをしているんですけれども、これを果たして酒井さんが行う意味があったのか…? 疑問が持たれますけれどもまあ、読んで損はないです…。「独身」をテーマに数多くの著書を手がけてきた酒井さんだからこそ、書けた作品ではないかと…思います。 ヽ(・ω・)/ズコー テレビでは被災地の家族の物語みたいなものが当時さかんに放送されましたけれども、被災地にも独身者は多々いるはず! との思いの元に書かれた作品みたいですけれどもまあ…色々な人がいるんだな、といった月並みな感想を抱きました…。 ヽ(・ω・)/ズコー 自分が同じ立場だったらどうかなぁ…? みたいなことを考えましたけれども、自分は本書に出てきた人たちみたいに結婚は…考えないかもしれませんねぇ…というわけで、さようなら。 ヽ(・ω・)/ズコー
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【感想】 緊急時に、家庭や子供がいる人はそっちを優先する気持ちもわかるけど、だからといって家庭も子供もいない人に仕事を押し付けるのはおかしいと思う…と「独身」の私は思う。それならそれなりの報酬とか、差をつけてもらわないと困るよね。 こういう緊急時に「独身」であるメリットは、自分...
【感想】 緊急時に、家庭や子供がいる人はそっちを優先する気持ちもわかるけど、だからといって家庭も子供もいない人に仕事を押し付けるのはおかしいと思う…と「独身」の私は思う。それならそれなりの報酬とか、差をつけてもらわないと困るよね。 こういう緊急時に「独身」であるメリットは、自分の意思のままに行動できるという「身軽さ」。既婚者だと配偶者や配偶者の家族の想いを無碍にはできないだろうし、子供がいれば子供にとって1番いい選択肢を選ぶだろうから自分の想いは2の次だろう。 対してデメリットは、やはり「不安」「孤独」。「こういうとき、一緒に不安を共有できる誰かと結婚していれば…」と思うのだろう。(しかし後述にあるように、震災離婚が多かった事実をみると、このデメリットは必ずしも当てはまるものではないかも) 【ページ数を忘れてしまったけど引用】 ・ もしも大震災に遭ったら、とりあえず車のガソリンを満タンにしておいた方がよい ・人は、世の中が平和な時には、一人でいても平気なのです。衣食住に困らず、精神的に安定していれば、一人の生活は、むしろ快適ですらある。しかし震災によって、都会人の一人暮らしが、いかに脆いシステムの上に成り立っているかを、私達は知りました。 ・ 「きずな」はただ家族や友人知人の間にのみ、結ばれるものではありません。遠く離れた地の人でも、また会ったことすらない人でも、家族のように心配し、助け合うことができるという今風のつながりは、ほだしをもたない独身者達が自由に紡いでいったものなのであり、それはこれからの日本に、一つの可能性を示しました。 ・ 震災婚のことばかりが注目されますが、一方で「震災離婚」も多かったという話も、聞くものです。 震災婚という事象が注目されがちではありますが、私達は、「震災があっても、結婚しない人がたくさんいた」ということも、見逃さない方がいいのだと思います。 ・ 「常しえ」すなわち永遠の幸福を手に入れるためにするのが結婚だとしたら、独身とは「無常」のままで生きるという状態です。いつ誰と恋愛するかわからないし、いつどこに行くのかわからないのが、独身者。
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東日本大震災の時、独身はどう行動したのか、という観点からのインタビュー。 酒井順子らしいアプローチだなあと思う。 「独身だけがそうだったわけじゃない」という反論もあるだろうけど、 独身をキーワードにまとめた本はないからな。 読んでいれば「独身」だからって 天涯孤独というわけでもな...
東日本大震災の時、独身はどう行動したのか、という観点からのインタビュー。 酒井順子らしいアプローチだなあと思う。 「独身だけがそうだったわけじゃない」という反論もあるだろうけど、 独身をキーワードにまとめた本はないからな。 読んでいれば「独身」だからって 天涯孤独というわけでもないというのはすぐ分かるし。 行動する人はする。身の軽さで言えば家族を持っているよりもずっと早い。 自分は何もしていないに等しいなと反省する本。
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3.11で子供や家族を優先する人が多かった中、独身の人たちは他人の分まで働いていたのです。なのに、もてはやされるのは家族、家族。。彼らはどんな思いで暮らしていたのか。
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311の震災では、家族の元に帰ろうとする人や、子供の心配をする人等、とかく「既婚者」の美談が脚光を浴びた。しかし震災からの立ち直りを本当に支えた人たちの陰に「独身者」の活躍があったことを忘れてはならない。独身者は守るべき人を理由に逃げることができない。だからこそ独身者は復興に向け...
311の震災では、家族の元に帰ろうとする人や、子供の心配をする人等、とかく「既婚者」の美談が脚光を浴びた。しかし震災からの立ち直りを本当に支えた人たちの陰に「独身者」の活躍があったことを忘れてはならない。独身者は守るべき人を理由に逃げることができない。だからこそ独身者は復興に向け働き、コミュニティをつなぎ、守り、現地でも助け合った。逆に人に縛られることなく逃げられるという自由度も持っていたが、逃げてもまた戻ってきた。震災の現場で咲いた絆の花はこうした人たちによって育まれたのかもしれない。
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2014/酒井順子だからこその一冊、こういう嗅覚に優れてるのはさすが。各章のタイトルもグッときて、いつもより読むのに時間かかった。対象者的にこうなってしまうのだろうけど、独身にスポットあててるとはいえ、アクティブな独身だし誰かしら友人なり同僚なりもいるしなあ。もっと色々な人々の話...
2014/酒井順子だからこその一冊、こういう嗅覚に優れてるのはさすが。各章のタイトルもグッときて、いつもより読むのに時間かかった。対象者的にこうなってしまうのだろうけど、独身にスポットあててるとはいえ、アクティブな独身だし誰かしら友人なり同僚なりもいるしなあ。もっと色々な人々の話が聞いてみたいと思った。
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東日本大震災では、親子、夫婦など家族の絆が強調される報道、逸話などが多く見られる。 作者は、自らの体験を踏まえ、そのとき独身(若くして未婚の場合も含むが、年齢からみて結婚している方が多い世代も含む)だった方に丹念に取材し、その時、どのように考え、どのように行動したかということに...
東日本大震災では、親子、夫婦など家族の絆が強調される報道、逸話などが多く見られる。 作者は、自らの体験を踏まえ、そのとき独身(若くして未婚の場合も含むが、年齢からみて結婚している方が多い世代も含む)だった方に丹念に取材し、その時、どのように考え、どのように行動したかということについて、洗い出す作業をおこなった。 作者は末尾に「東日本大震災によって、家族等繋がりの重要性が見直されたのは、確かです。しかしもう一方では、家族以外のつながりもまた、時に家族と同等もしくはそれ以上の役割を果たすという事実も、明らかになったと私は思います。」と記している。 それもまた、ひとつの真実だと思います。
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