宇宙論と神 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
神と宇宙、ともによくわからない遠い存在同士のつながりを考えていく作品。まず、神話について考察し、宇宙と繋げていく。その後、各国の天文学の変遷がまとめられ、天文学の発展とともに、神が地球から追い出され、宇宙の不思議へと押し付けられていく流れが述べられていた。この世の不思議を説明するために、神という存在が作られたとしても、そんな科学的な無知が人の拠り所になっている現実はとても面白いと思った。
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第三章あたりまで読んだ。本を図書館に返さないといけなくなったので最後まで読めず、ちょっと残念。いつか続きを読みたい。 印象に残った箇所のメモは以下。 神の変容 「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」における「ほとけ」じゃ極めて日本的な宗教観かもしれない。基本的には自力本願であって、...
第三章あたりまで読んだ。本を図書館に返さないといけなくなったので最後まで読めず、ちょっと残念。いつか続きを読みたい。 印象に残った箇所のメモは以下。 神の変容 「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」における「ほとけ」じゃ極めて日本的な宗教観かもしれない。基本的には自力本願であって、その努力を愛でて最後に「顔」をみせてくれるからだ。これに対し、西洋における「神」は少し異なっている。至高の存在であるとともに、自然界を束ね、難問を投げかけたり、試したりして、人間を困らせ挑発し翻弄する存在である。唯一神であるが故に人間に対して自由に振る舞う子ことができ、人間が右往左往する様を天の高みから楽しんでいる。人間は自らの無力さを知りつつも、神に対抗しようと身構え反応する。それに応じて様々な物語が編み出されていくことになる。そのような意味で、神と人間相剋が続いていく動的な宗教観と言えるかもしれない。(p13) 神話時代には、自由闊達な神であったのだが、農業革命以降においては、厳かで自らの絶対性を人々に強要するようになった。(p14)
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図書館で借りた。 宇宙科学の発展に、科学者観点の神とはどんなだったか、をなぞった特徴的な本。 著者は京都大学の先生で、「物理学と神」がベストセラーとなり、その続編的な本らしい。そちらは読んでない。 日本人は宇宙にそれほど興味を持たなかった、という話や、「神はサイコロ遊びはしない...
図書館で借りた。 宇宙科学の発展に、科学者観点の神とはどんなだったか、をなぞった特徴的な本。 著者は京都大学の先生で、「物理学と神」がベストセラーとなり、その続編的な本らしい。そちらは読んでない。 日本人は宇宙にそれほど興味を持たなかった、という話や、「神はサイコロ遊びはしない」と言ったアインシュタインに対し、ボーアが「ひょっとしたら神はサイコロ好きかもよ」と反論したという話は印象に残った。
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古代ギリシャや中国、インドの宗教的宇宙像から現代のダークマターやダークエネルギーが大部分を占めるという宇宙像に至る宇宙観の発展を、(キリスト教的な唯一)神と絡めて解説した本。 少なくとも中世ぐらいまでは、宇宙の真の姿、システムを追求することが、今では科学と対置されがちな神の居場所...
古代ギリシャや中国、インドの宗教的宇宙像から現代のダークマターやダークエネルギーが大部分を占めるという宇宙像に至る宇宙観の発展を、(キリスト教的な唯一)神と絡めて解説した本。 少なくとも中世ぐらいまでは、宇宙の真の姿、システムを追求することが、今では科学と対置されがちな神の居場所を追い求める営みであり、その時々の社会情勢と互いに深く影響しあってきたのだということが読み取れて興味深かった。が、14章の人間原理についての記述には違和感を覚えた。人間原理とは簡単に言えば、宇宙が人間を生み出し得たという条件を用いることで物理定数の「都合の良さ」を説明する説である。筆者は、宇宙が、人間のような誕生して間もない浅薄な存在によって左右される筈がない、として人間原理に反論している。しかし、(僕の理解が正しければ、)人間原理は人間を宇宙の運命を定める至高の存在としてではなく、寧ろ「珊瑚の化石」のように扱っている。つまり、珊瑚の化石が地層から発掘される事が、ある地域、ある年代の気候について何らかの示唆をもたらすのと同じ意味で、人間(知的生命)が地球に存在しているという事実がこの宇宙の性質に関する情報を与えるという訳だ。「地球の気候」が「珊瑚の化石」のような「浅薄な存在」によって左右されるとは誰も考えないだろう。人間の視点を、人間自身の存在をいわば外から眺めるという概念を導入する事で何処でもあり何処でもないような虚空に解消したという意味で、人間原理は人間を至高としているのだと言われれば、そうかなと個人的には思うが。以上、僕が人間原理を確認する意味で長々と書きました。
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私たちが今まで解き明かしてきた宇宙に関する事実はすべて神による戯れだったのかもしれない。そんな不安とも言えるイメージを彷彿とさせる書籍だった。かつてエントロピーと呼ばれていた宇宙空間も今や物理学云々、量子力学云々で説明されてしまっている。所詮、人間の解釈でしかないことはさておき、...
私たちが今まで解き明かしてきた宇宙に関する事実はすべて神による戯れだったのかもしれない。そんな不安とも言えるイメージを彷彿とさせる書籍だった。かつてエントロピーと呼ばれていた宇宙空間も今や物理学云々、量子力学云々で説明されてしまっている。所詮、人間の解釈でしかないことはさておき、宇宙が不変であることは確かに感じることができるのである。アインシュタインが好んだ静的な宇宙は皮肉にもハッブル定数よって否定された。何を言いたいのかと言うと、この世界はふとした瞬間にまったく違ったものに変容してしまうのではないかということである。私たちは目に見えない宇宙について机の上で手を揉みながら考えている。それよって宇宙についての多くの謎が解明されたが、それによって宇宙の本質を知ったことは少なかった。ようは人間の解釈によっては無限の解釈ができるということである。それが丸々この本の味噌になっているような気がした。私たちはもう1度『当然』を見直して考えてみる必要があるのかもしれない。そう思えた本だった。
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この宇宙における構成物質のことをほとんど何もわかってないということ。 そして常に 当たり前が崩れ 宇宙においての新しい知見がこの先も得られ続けていくであろうということが感じられる著書。
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宇宙論の歴史について記載した一冊。 切り口として、宇宙の未知な部分を神(something great)として取り扱い、それは東洋と西洋の価値観で大きく異なるものであったのだろう。そして、それが観測事実とともに科学的な根拠をもち、今の天文学へと至った経緯を記載。 そして、その宗教...
宇宙論の歴史について記載した一冊。 切り口として、宇宙の未知な部分を神(something great)として取り扱い、それは東洋と西洋の価値観で大きく異なるものであったのだろう。そして、それが観測事実とともに科学的な根拠をもち、今の天文学へと至った経緯を記載。 そして、その宗教的な部分と科学的な部分の分岐点にニュートンらの学者が存在するといった内容に学問の温もり(人間臭さ)と感じた内容であった。
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「どうなのか?」「どうなっているか?」の解明は進みつつも、「なぜそうなのか?」については「神」以外の回答を持たない宇宙論。 物理学同様、宇宙論にも「神」は遍在する。
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人文系学問のパラダイムが自然科学のパラダイムと相関があるというところが面白かった。19世紀、宇宙が自分の熱で燃え尽きてしまうという予想「宇宙の死滅」が唱えられたと同時期にニーチェは神の死を宣言していた。偶然なのか必然なのか。レヴィ・ストロースの構造人類学的な見方もなんとなく同時期...
人文系学問のパラダイムが自然科学のパラダイムと相関があるというところが面白かった。19世紀、宇宙が自分の熱で燃え尽きてしまうという予想「宇宙の死滅」が唱えられたと同時期にニーチェは神の死を宣言していた。偶然なのか必然なのか。レヴィ・ストロースの構造人類学的な見方もなんとなく同時期の天文の見方に似ていたり。
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神と宇宙は相性がよい。 そう聞けば大いに納得できる。 それぞれが、勝手に想像することが許されるから。 ところが宇宙のことがわかってきてしまうと、神は不利になってしまう…いや、神もただやられっぱなしではない。だって、いま科学と神のどちらが人の心を掴んでいる? 一方で、科学も...
神と宇宙は相性がよい。 そう聞けば大いに納得できる。 それぞれが、勝手に想像することが許されるから。 ところが宇宙のことがわかってきてしまうと、神は不利になってしまう…いや、神もただやられっぱなしではない。だって、いま科学と神のどちらが人の心を掴んでいる? 一方で、科学も神を気にしていると、やりにくいこともある。そうしたわけで、神と人間を峻別することが、近代科学のやり方。 ダークエネルギーだとか、わかっていない、見えていないものもあるから、まだまだ宇宙に神の居場所はある。 神の本だと思うなかれ。これはやっぱり、宇宙の本である。宇宙のことを知る上で、神という存在が大変うまいこと効いている。神がいてくれたから、複雑な宇宙のことも追いかけてみたい、という気持ちで読めるではないか。 僕の神は細部に宿るものだと思っていたが、こういう神もある。
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