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言葉をおぼえるしくみ の商品レビュー

3.5

16件のお客様レビュー

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2020/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

興味が湧いてチラチラ読んでいたけど途中で忙しくなったのと,この本が結論ファーストでなくて読みづらくて読み進まず,同じ著者の「ことばと思考」と内容に重複もあったので,途中で読む気が失せてしまった。。。

Posted byブクログ

2020/02/23

言語 SF の匂いがそこはかとなくするけれど、立派な研究書。 目から鱗の考察や、それを裏付ける実験結果満載です。 新生児、乳幼児を対象にした実験なんかは、微妙にマッドサイエンティストの雰囲気で、ちょっと面白かったですね。

Posted byブクログ

2019/12/14

娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。 具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。 名詞の基礎カテゴリーを即時マ...

娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。 具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。 名詞の基礎カテゴリーを即時マッピングしていくという能力にすごい!と感心したり、一方で、動詞や形容詞の意味をいろいろなヒントを得ながら学習していくのにもすごい!と感心したり。 自分もどのように日本語を学習してきたのかもちろん覚えていませんし、今まさに学習している子どもたち自身もその仕組みはもちろん分からないわけで、それを明らかにしようとさまざまな実験を考えて実施・考察している言語学者の方はすごいなぁと思いました。これからさらに解明が進んでいくのが楽しみです。 外国語学習にとっても示唆に富んだ内容があり参考になりました。「同じ意味領域に属する単語を一度に学習し、母語との違いを学習者が考えること」で学んでいるその外国語の意味領域の全体像をつかめる、と。

Posted byブクログ

2019/11/21

読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間...

読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間は生得的に持っているという学説もあるが、この研究で分かるのは、人間は、発話された言葉の切れ目を把握して単語を切り出し、まずは名詞と想定して知っているカテゴリーに当てはめ、使っていく内に修正して、語と語の関係や上位のカテゴリーや下位のカテゴリーなどを埋めていき、大きな語彙のネットワークを作っていくようだ。名詞と違って動作の関係を表す動詞を覚えるのは難しく、また形容詞も覚えるのが名詞の後になってしまようだ。英語のように語順が重要で文法的規則で動詞を判定しやすい言語と、主語や目的語が省略される日本語や、動詞の語形変化が無い中国語などでは、覚えて適切に使える時期が遅くなるようだ。

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2016/06/15

赤ちゃんが言葉を覚えるとき、効率よく学習するため、生まれ持ったバイアスを適用して、語が表すことの可能性を絞る。単語の種類によってかけるバイアスが異なる。 名詞の場合、同じような形をしたものは同じ名前を汎用して適用する。 しかしこれだと粘土などの物質名の学習が妨げられるので、柔ら...

赤ちゃんが言葉を覚えるとき、効率よく学習するため、生まれ持ったバイアスを適用して、語が表すことの可能性を絞る。単語の種類によってかけるバイアスが異なる。 名詞の場合、同じような形をしたものは同じ名前を汎用して適用する。 しかしこれだと粘土などの物質名の学習が妨げられるので、柔らかそうなものには形バイアスは使わないなど、うまく適用している。 初めてあれはコップだと聞いた時に、コップのことなのか、ガラス製のもののことなのか、そのものの固有名詞なのかは区別できないが、うまくバイアスを使って驚くほど正確に一度で覚えられる。 動詞の場合、AがBを持つ等、関係する後の数が多いので安易には汎用せず、多くのパターンを覚えてそこから共通の部分を抜き出して学習する。

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2015/01/27

認知心理学の本である。入門書というわけでもなく、そこそこに専門的で、とっつきにくい。 しかしテーマが実に興味深い。子どもたちは、どのようにして「言語」を獲得していくのか。この疑問は、言語学はもちろん、哲学にとっても非常に重要なものである。 この本の著者たちは当然、ソシュール以来の...

認知心理学の本である。入門書というわけでもなく、そこそこに専門的で、とっつきにくい。 しかしテーマが実に興味深い。子どもたちは、どのようにして「言語」を獲得していくのか。この疑問は、言語学はもちろん、哲学にとっても非常に重要なものである。 この本の著者たちは当然、ソシュール以来の言語学の成果をも踏まえており、その上で、子どもたちを使ったゲームのような心理学実験のデータを積みかさね、考察していく。 赤ん坊を使った実験に関しては、赤ん坊がふり向いたかとか、凝視したかとか、そういう外見の観察でしか科学的データは得られないから、結局は実験者側の推測が多くなってしまうのはやむをえない。この辺は、もう少し脳科学と認知心理学が互いにより発達して、情報や技術を共有できるようになったら、もっと多くのことがわかってくるだろう。 意外だったのは、ほぼ普遍的な現象として、動詞の学習より名詞の学習の方がずっと容易であるらしいという点だ。そして名詞の学習に関しては、著者たちは「カテゴリー化」という点を強調している。この「カテゴリー」という語の使い方が正しいかどうか、私には若干疑問がのこった。もちろん、言葉を覚えはじめの幼児にとって「カテゴリー」に関する知はないはずであり、実際は、「赤いもの」と聞かされたときには単に漠然とした「イメージ」をもつのだろうと思う。この「イメージ」は現実の個物のゲシュタルトである場合もあるし、それと同時に「カテゴリー」を意味する場合もあるだろう。つまり「イメージ」なるものの多義性、可塑性が、言語を含めた人間のパターン認識の鍵を握っているのではないだろうか。ただ、この「イメージ」なるもののあまりにも漠然とした表象が、学問的に正確に定義しきることが難しいのだ。 これは興味深い本だったが、言語をめぐる認知心理学だけでも、本当はもっとたくさんの楽しい書物があるのだろう。それらの専門書はなかなか文庫化されないし、田舎町の図書館にはほとんど置かれていないので、なかなか読む機会がないのだが。 こういう本を、筑摩さんはこれからもどんどん文庫化してほしい。儲からないだろうけれど。

Posted byブクログ