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国家はなぜ衰退するのか(上) の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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2013/09/05

国家のあるべき「カタチ」を考える指針を提示してくれる。 読みにくいけど。 長期的な発展に必要なのは政治経済制度の違い、と言い切る。地理や環境的条件、文化の違いも関係ないのだと。 包括的な経済制度と収奪的な経済制度、政治制度においても包括的(多元的でもある)と収奪的(独裁的)なも...

国家のあるべき「カタチ」を考える指針を提示してくれる。 読みにくいけど。 長期的な発展に必要なのは政治経済制度の違い、と言い切る。地理や環境的条件、文化の違いも関係ないのだと。 包括的な経済制度と収奪的な経済制度、政治制度においても包括的(多元的でもある)と収奪的(独裁的)なものの掛け合わせで4つの組み合わせができあがる。歴史的にこれら4つがどう変遷していくのかを説明する。 経済制度を決めるのは政治だ。だからこそ包括的な政治のもとでなければ経済の長期的発展は考えにくいともいう。共産国家の計画経済の限界をこう説明するわけだ。 中国も政治制度が変わらない限り、継続的な発展は見込めないだろうと言いきる。 そうかな。 多元的な政治制度はどのように誕生するのか? はうまく理解できなかった。ここには地理的な要因、文化の違い、そして何より偶然性があると思うのだけれど。 競争的な市場を継続するために、アメリカが市場の活性化のためにMicrosoftを独禁法に問うたことを思い出した。かの国はボーランドもたたいたし、鉄鋼、石油産業ではカルテルを解体した。そのフィロソフィーはすごいな。 それにしても名誉革命ってやっぱりすごいことだったのですね。

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2013/08/30

イングランド人が北米の植民地化を始めたのは偶然ではなかった。そこを選んだのは、魅力的だったのではなくそこしか手に入らなかったから。アメリカ大陸の好ましい部分、つまり搾取擦べき先住民が沢山すんでいて、金山銀山がある場所はすでに占領されていた。イングランド人は残り物をとったのだ。

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2013/08/25

国家が経済的な繁栄を得られるか否かは、経済活動(特に技術革新)に対するインセンティブが担保されていること『のみ』が重要であり、その他の地理的・文化的要因は一切関係ないと断言する。 また、このインセンティブを維持するためには、政府が集権的で強固なパワーを持ちながらも、権力が特定の...

国家が経済的な繁栄を得られるか否かは、経済活動(特に技術革新)に対するインセンティブが担保されていること『のみ』が重要であり、その他の地理的・文化的要因は一切関係ないと断言する。 また、このインセンティブを維持するためには、政府が集権的で強固なパワーを持ちながらも、権力が特定の個人ではなく、広く分散していることが必須であるとも付け加えている。 話を纏めればこれだけなんだが、延々と同じ様な話が繰り返されており、正直飽きる。良い本だけど、もう少しコンパクトに纏まったんじゃないか・・・?って思う。

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2013/08/14

 読みにくい本である。  内容のせいか翻訳のせいなのか、本書は全米ベストセラーだそうだから、内容はそれなりに充実していると思われるのだが・・・。  アメリカとメキシコの国境をへだてた対照的な都市の描写をはじめとして、アメリカ大陸への植民の歴史的考察などは、それなりに興味深いが、長...

 読みにくい本である。  内容のせいか翻訳のせいなのか、本書は全米ベストセラーだそうだから、内容はそれなりに充実していると思われるのだが・・・。  アメリカとメキシコの国境をへだてた対照的な都市の描写をはじめとして、アメリカ大陸への植民の歴史的考察などは、それなりに興味深いが、長いセンテンスの読みにくい著述は、読む気さえ失わせる。  本書は、訳者を変更してもう一度出版すべきではないか。本書は上下巻があるが、下巻を読む気をまったく失ってしまった。  本書は、残念な本であると思う。

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2013/06/29

本書は気鋭の経済学者・ダロン・アセモグル(と、ジェームズ・ロビンソン)の経済成長に関する歴史実証の本である。普通、経済成長論と言えば、資本、労働、技術進歩などで決まってくると言うのが教科書的な説明であるが、本書ではそれらとは別に、政府の「制度」が経済成長を決めると主張する。すなわ...

本書は気鋭の経済学者・ダロン・アセモグル(と、ジェームズ・ロビンソン)の経済成長に関する歴史実証の本である。普通、経済成長論と言えば、資本、労働、技術進歩などで決まってくると言うのが教科書的な説明であるが、本書ではそれらとは別に、政府の「制度」が経済成長を決めると主張する。すなわち、国民がより参加している政治における政治制度から生み出される経済制度こそが、経済成長に寄与すると言う物である。このロジッックは、より多くの国民が関わっている政治制度の方が、一部のエリートで構成される政治制度よりも国民の繁栄に対して積極的であり、また人々のインセンティブにも反応するような制度を作らせる傾向にあるため、経済成長を促進する、というものである。 第一章から第四章までは事例を交えながらの理論展開、第五章から第八章までは紹介した理論の様々な事例紹介という位置づけである。 経済成長には制度が重要である、そしてその制度と言うのは全員参加型の政治制度から形成される、という主張は、著者の知的貢献であるのは間違いない。しかしながら、その根本のロジックとなるのは、人はインセンティブに反応するという経済学の基本原理に他ならない。つまり、経済学の基礎にぶれない形で、その叡智を応用していると言いかえることもできる。 個人的には、この1年間で読んだ本の中でベスト5に入るくらい面白い本だった。もう少し経済成長論を復習した上で、それらと比較しながら読めば良かったと思うので、下巻は経済成長論を復習した上で読みたい。

Posted byブクログ