世界十五大哲学 の商品レビュー
大きな哲学史の流れを十五人の哲学者を紹介する形で述べられた書。表紙もポップだし、平易でわかりやすい文章で書かれているので、割とすらすら読める(といってももちろん哲学の書物です…)。600ページに哲学史の概観と15人のさわりの説明なので、やはり物足りない。ここから気になったものを深...
大きな哲学史の流れを十五人の哲学者を紹介する形で述べられた書。表紙もポップだし、平易でわかりやすい文章で書かれているので、割とすらすら読める(といってももちろん哲学の書物です…)。600ページに哲学史の概観と15人のさわりの説明なので、やはり物足りない。ここから気になったものを深く掘り下げる形がいいだろう。私はやはりサルトルの実存主義が気になる。哲学に少しでも興味があるのなら読むべし。
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哲学の初学者は、まずはこの書籍から読み始めたら良いかと思う。 西洋哲霊は、「Plátōnに対する一連の脚注である」というのは有名な言葉である。 ただし、最初からPlátōnを読み始めるのはチャレンジングであると思う。 まずは土台を固めてから建物を作ったほうがよいのである。ここで...
哲学の初学者は、まずはこの書籍から読み始めたら良いかと思う。 西洋哲霊は、「Plátōnに対する一連の脚注である」というのは有名な言葉である。 ただし、最初からPlátōnを読み始めるのはチャレンジングであると思う。 まずは土台を固めてから建物を作ったほうがよいのである。ここでの基礎とはつまり、哲学を俯瞰的にみた視点であり、古代から現代まで哲学が何を論点としてきたのか、ということを意識してまず眺めてみる。 本書はこれにぴったりの一冊である。 1人数十ページでまとめられており、15人の哲学者が登場する。 かなりメジャーな哲学者が多く、歴史の潮流を完璧に捉えている。が、ページ数の制約から、哲学自体の紹介はかなり荒いと思われる。 さて内容であるが、哲学とはその本質に、究極まで物事を疑いなにが真理であるのか、ということを探る学問である。数学でいう公理系を世界に対して構築するようなものである。 ある人は、物事の本質が「あり」、それが存在として表面化すると言う。ただし、その本質は見ることができない。 一方で、実在主義者は確かに本質はあるかもしれないが、それを見ることができないのでそれに意味はなく、その存在が本質であるという言う。 (さらにSartreは実在主義の観点から上記の理論を精密化している) というように、哲学とは新しい人が新しい理論を構築するというよりも先人の理論に対して新しい解釈や反対する論理を構築するという歴史的な背景があるのだ。 (この意味で、哲学はPlátōnの脚注といわれるのであるが) また、哲学の書籍で頭を悩ませるのが難解な単語が多いことである。その点で、本書は巻末に簡単な辞書が載っており必要に応じてそちらを参照することで理解の助けとなる。 が、常々思うのであるが、哲学の専門用語を調べると、それを説明している単語もわからなくなる。 例えば、「実在」とは真実の存在とある。そこで問題となるのは「真実」と「存在」の意味するところであるが「存在」の意味は載っていない。存在するってなんでしょうか。 哲学って難しいし、この一冊で哲学を理解したならば、たぶんそれは哲学をわかっていない証拠であろう。
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